


蚕室野球場(잠실야구장)
日本人にも馴染み深い!ソウル中心地・蚕室野球場の魅力と観戦ガイド
蚕室野球場とは?
1982年に開場した蚕室野球場。40年以上の時を経た歴史を感じる趣の蚕室野球場は、1988年のソウルオリンピックで後にMLB(米大リーグ)・ロサンゼルスドジャースで一世を風靡した野茂英雄さん(当時、新日本製鐵堺)や、NPB(日本プロ野球)・東京ヤクルトスワローズで選手兼監督を務めた古田敦也さん(当時、トヨタ自動車)など、後にNPBで活躍することになる有望な大学生・社会人で編成された野球日本代表がプレーした。
決勝でMLB予備軍のアメリカ代表に敗れたものの、銀メダルに輝いた日本野球界にとっても馴染み深い野球場として記憶している野球ファンも多いだろう。
アクセス方法と立地の魅力
1988年にソウルで開催されたオリンピックを記念してつくられた巨大な公園、オリンピックパークからオリンピック路を西へ。ロッテタワーを越え、オリンピック路を進むと右側にバックスクリーンと照明塔が見えてくる。
公共交通機関でも、地下鉄2号線と9号線が交わる総合運動場駅(チョンハブンドンジャン[종합운동장]、Sports Complex)の5番出口から目の前。私たち日本人が、観光のひとつの楽しみとして訪れるには最高の立地と言えるだろう。
コンパクトな観客席とMLB仕様のフィールド
蚕室野球場の座席数は23,750席と日本の野球場と比べるとコンパクトな印象だが、KBO(韓国プロ野球)のスタジアムとしては、大邱サムスンライオンズパーク(最大29,000席)に次ぐ座席数を誇っている。
これに対し、コンパクトな座席数とは異なり、フィールドは両翼100m、中堅125mとなかなかの広さだ。内野に目を向けると、ダイヤモンドの内側には芝生が敷かれたMLB(米大リーグ)スタイルを採用している。
人気球場を本拠地とする二球団
この蚕室野球場を本拠地にしているのが、韓国プロ野球発足時の1982年から存在する名門チーム“斗山ベアーズ(Doosan Bears)”と、“LGツインズ(LG Twins)”だ。オールスターゲームを7月11日、12日に控えた前半戦終盤の7月6日、その時点で2位(10チーム中)につけるLGツインズに対し、斗山ベアーズは9位と厳しい2025シーズンとなっている。
この蚕室野球場を本拠地にしているのが、韓国プロ野球発足時の1982年から存在する名門チーム“斗山ベアーズ(Doosan Bears)”と、“LGツインズ(LG Twins)”だ。オールスターゲームを7月11日、12日に控えた前半戦終盤の7月6日、その時点で2位(10チーム中)につけるLGツインズに対し、斗山ベアーズは9位と厳しい2025シーズンとなっている。
チケットの取り方のコツ
とは言え、首都・ソウルで観戦チケットを用意するのは容易ではない、リーグ下位の斗山ベアーズ取材試合でさえ早々にチケットが売り切れてしまう場合もある。
韓国・ソウルに住む人たちでも、韓国プロ野球の観戦チケットを確保するのは至難の業、それ故、渡韓のついでのKBO野球観戦を検討している方は、リセールサイトをチェックして予めチケットを確保してから球場に向かうことをおススメする。
韓国プロ野球の楽しみ方
KBO観客を楽しむには、何といっても応援の雰囲気に溶け込むこと。NPBの応援も、“鳴り物”といわれるトランペットの応援歌演奏に合わせて一糸乱れぬ声援を送る光景が海外から注目されているが、韓国の応援風景も勝るとも劣らない盛り上がりを見せる。
チアリーダーと応援団が盛り上げる蚕室野球場のスタジアム体験
観客席の一角に設置されたステージの上に立つのが、マイクパフォーマンスを行う応援団のリーダーと、掛け声に合わせて様々なパフォーマンスで観客をあおる10人ほどのチアリーダーたちだ。鳴り物を使わず、掛け声と歌で繰り広げられる応援はNPBでも“千葉ロッテマリーンズ”がその先駆けとして知られているが、その千葉ロッテマリーンズを越えるパフォーマンスを見せるKBOの観客たちに身を委ねると、KBO観戦はもっと楽しくなる。
KBOの応援はまるでライブ!韓国野球の熱狂を体感しよう
初回から試合終了まで総立ちで絶え間なく続いていくKBOの応援風景は、日本でいえば都市対抗野球大会などで盛り上がる社会人野球に似ている。しかし、パフォーマンスの種類や観客の盛り上がり方は、野外ライブやフェスに似ていると言って良い。
斗山ベアーズファンの熱気が蚕室野球場を包む
満員の蚕室野球場に響き渡る斗山ベアーズを応援する掛け声や歌を聞く限り、ベアーズファンはおおよそ9割。
それでも、対戦チームの応援に合わせてベアーズユニフォームに身をまとったファンも相手応援の歌を口ずさむなど「ボールゲームというパフォーマンスを単純に楽しむ」ことに重きを置いている。
勝敗とは別の野球を楽しんでいる韓国の野球ファンに、私たちもスポーツを見る新たな楽しみを味わえるスタジアムだ。
スポット基本情報
スポット情報
- 住所19∸2 Olympic-ro, Songpa District, Seoul, 韓国
- TEL+82-2-2202-3834
- アクセス地下鉄2号線/9号線 総合運動場駅 - 徒歩すぐ
- その他

- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )