
新地中華街にもたくさんのランタンが飾られている-Journal-ONE撮影
中国の歴史的イベントで幕開け
皇帝パレード
そして、長崎ランタンフェスティバルの見どころはランタンやオブジェだけではありません。期間中に様々なイベントやショーがフェスティバルを盛り上げます。
その一つが皇帝パレードです。これは1644年から1912年の中国・清朝時代。お正月、皇帝・皇后が揃って町中に出かけ、民衆と一緒に新しい年を祝う様子をイメージした華やかなパレードです。皇帝・皇后の御輿を中心に、豪華な中国衣装を身に纏った旗隊など総勢約150名が行列をなします。そして中央公園会場から新地中華街会場までをゆっくりと歩きます。
皇帝・皇后役には長崎にゆかりのあるゲストを迎え、観客と共にお祭りの始まりを告げるのです。

ランタンフェスティバルの始まりを告げる皇帝パレードーⒸ 長崎県観光連盟
媽祖(まそ)行列
そして、もう一つが媽祖(まそ)行列 。媽祖行列とは江戸時代、長崎県に入港した中国・唐船の乗組員たちが実際に行っていた行列のこと。航海・漁業の守護神として、中国沿海部を中心に信仰を集める道教の女神である媽祖を唐寺の媽祖堂に安置するまでの様子を再現しているのです。
こちらも、長崎でしか実際に目にできない貴重なイベントの一つ。中央公園会場から少し離れた孔子廟・中国歴代博物館までを片道ずつ、2日間に分けて歩いていきます。
ぜひ、長崎ランタンフェスティバルならではの歴史を感じる瞬間を見てみてください。

媽祖(まそ)行列も祭りの一大イベントーⒸ 長崎県観光連盟
長崎の郷土芸能で盛り上げる
龍踊り
さらに、フェスティバルには見逃せないイベントがほかにも。大きな龍を上下左右に操り、まるで宙を舞っているような勇ましい踊りで知られるのは龍踊り(じゃおどり)。これは1634年(寛永11年)からある長崎の氏神・諏訪神社の秋季大祭、 ”長崎くんち” で奉納される勇壮な郷土芸能のことです。
380年以上の伝統を誇る長崎くんちは毎年10月7、8、9日に開催しており、毎年大いに賑わいます。
もともと中国で五穀豊饒を祈る雨乞い神事に始まったものと言われており、月や太陽とする玉を追うように約20メートルの龍体が乱舞。その玉を龍が飲み込むことで空が暗転し雨雲を呼び、雨を降らせる様子を表現しているのです。

全身で龍を表現する龍踊り-Journal-ONE撮影
歴史を繋ぐパフォーマンス
今回の長崎ランタンフェスティバルでも龍踊りが期間中、演者を代えて毎日披露されました。私が実際に見たのは、十善寺龍踊会と鶴鳴学園長崎女子高校 龍踊部によるパフォーマンス。
1人の玉使いと、10人の龍衆、そして銅鑼、太鼓、龍声ラッパを演奏する龍囃子で構成され、唐人服装を着用。独特なリズムに合わせ体を上下左右に振り、くねらせながら玉を追いかけ、胴くぐりを行う ”玉追い” 。とぐろを巻き、胴体の陰に隠れた玉を頭が上下左右を探す ”くずら” という動作を繰り返します。それはまるで龍が本当に生きているかのようでした。

目の前を龍が通ると拍手が湧き起こる-Journal-ONE撮影
実は、鶴鳴学園長崎女子高校 龍踊部の3年生はこのステージで引退。古くから伝わる文化や伝統を今に継ぐ部員が、全身全霊で踊りきる姿に胸が熱くなりました。
終了後、観客から沸き起こった「もってこい!」コール。長崎県の方言でもう一回という意味のアンコールに使われる言葉です。

アンコール5回を踊り切った圧巻のパフォーマンス-Journal-ONE撮影
そのコールに応えるように再びパフォーマンスを行った十善寺龍踊会と鶴鳴学園長崎女子高校。なんとアンコールを5回も踊りきり、会場からは大きな拍手が送られました。
伝統的な中国芸能
変面ショー




















