
3人という状況で臨んだチームUTSUNOMIYA@FIBA.com
そんな状況で、UTSUNOMIYAは本選予選の初戦でMiamiと対戦。12-21で敗れたが、2年ぶりに競技復帰を果たした飯島が見せ場を作った。続くRaudondvarisとの一戦も12-21で力及ばなかったものの、ことし3月の「FIBA 3x3 アジアカップ2025」の男子日本代表として活躍した仲西や、新加入のクーリバリの奮闘で一時は12-15と3点差まで追い上げた場面も。3年連続の決勝トーナメント進出は叶わなかったが、会場の声援にも後押しされて最後まで戦い続けた。
クーリバリは2試合を振り返って「急きょ3人でプレーすることになって、日本人選手でどう戦うかをチームで話し合い、それをコートで体現したかったのですが、まだ力不足を感じています」と唇を噛んだ。それでも初めてワールドツアーに出場した今大会の経験を前向きにとらえて「これからも、この舞台で戦えるようにチームとしても、個人としても頑張っていきたい」と話した。
また、仲西も「勝ちたかった」と予選敗退を悔しがったが、地元の声援について「1試合目よりも(体力的にキツイ)2試合目の方が走れました。応援にはすごい力があると感じました」と振り返る。今後に向けても「チーム内の練習がめちゃくちゃレベル高い。もっと高めていけば世界のレベルに近づけると思うので頑張りたい」と、一層の成長を誓った。

リトアニアのRaudondvarisと対戦する仲西選手@FIBA.com
そして、TENNOZ(SHINAGAWA CC WILDCATS.EXE)も今大会で光った日本勢だった。伊藤尚人(No.1/167cm)、米田祐翔(No.2/177cm)、成瀬新司(No.3/187cm)、竹田寛人(No.4/190cm)の4人で26日に本選予選に進む最後の一枠をかけた予備予選に出場。同じく日本から出場したSAGAMIHARA(HIU ZEROCKETS.EXE)、HIRATSUKA(SHONAN SEASIDE.EXE)と対戦して、総当たり戦の末に3チームが1勝1敗で並んだが、総得点で上回ったTENNOZが本戦出場権を獲得した。
その予選では初戦で、いきなり強豪のAmsterdamと対戦。TENNOZはチーム最年少23歳の米田らが果敢な攻撃を見せて残り4分までリードする場面を作ったが、終盤は五輪王者の底力に押されて12-21で敗退。続くヨーロッパチャンピオンであるオーストリアのVienna(ヴィエナ)にも11-21で屈した。ただ、宇都宮オープナーで初の本戦に進めた結果は、彼らの大きな一歩である。

初の本戦も経験し、試合でも活躍した伊藤選手@FIBA.com
伊藤は今大会について「世界の強豪と戦えて良い経験になりました」と話すとともに、会場の雰囲気に触れて、来年のカムバックを誓った。
「昨年はQD(予備予選)で敗退しましたが、今回MD(本戦予選)まで進めて世界の強豪と対戦できました。宇都宮の皆さんの熱狂を感じられ、特に暗くなってからの照明など会場の雰囲気を楽しみながら興奮してプレーができました。また(来年)ここに戻ってきたいです」
宇都宮から広がる3x3の盛り上がり
3x3クラブ世界No.1を決めるツアー大会は、宇都宮オープナーを皮切りにバーレーンで今秋開催される優勝決定戦「FINAL」に向けて、世界14都市で行われる。昨夏のパリ五輪で3x3に大きな注目が集まった中、ことしも開幕戦から約8万(※1)の観客を集めて、世界に3x3の新シーズン到来を強く印象づけた宇都宮の果たした役割が大きいことは間違いない。
宇都宮市長の佐藤栄一氏は26日、今大会で強調したいことについて「11月のFINALまで世界各地を転戦する中で、それぞれの地域によってカラーが出ると思います。宇都宮も神社を背景に神輿が出たりと特色があって、FIBAからは宇都宮全体が大会を盛り上げてくれることを評価されています。単なる3人制バスケットボールではないことを世界に発信し、ロサンゼルスオリンピックに弾みがつけられればと思っています」とコメント。FIBAで3x3の責任者を務めるアレックス・サンチェス氏は、いまシンガポールやタイなどアジアで3x3が広まっている中、宇都宮の貢献について触れている。

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[写真]=Nobuhiro Fukami