
JDリーグ開幕戦ノーヒッターの勝股美咲(ビック)-Journal-ONE撮影
坂本も昨シーズン、9勝(1敗)と激戦の東地区で獅子奮迅の活躍を見せ、日立サンディーバをJDリーグでは初となる決勝の舞台に導いた。チームでは投手ながらに主将を務めるキャプテンシーや、JDリーグの毎試合ごとに選ばれるヒロイン(Most Wow! Player賞)に選ばれた回数もリーグトップと大事な場面での勝負強さもあわせ持つ。

日本代表での経験も積みつつある坂本実桜(日立)-Journal-ONE撮影
どの投手も完投能力と連投能力を備え、先発、中継ぎ、抑えにも対応できる柔軟性もある。後藤、坂本は続くTWG2025にもW選出されているため、増田と勝股がどこまで負担を減らして投げきれるか、宇津木麗華ヘッドコーチの投手起用にも注目したい。
日立の躍進が目立つ野手陣
これまでの日本代表TOPチームの野手陣といえば、ビックカメラ高崎ビークイーンとトヨタレッドテリアーズという「東西両地区の雄」からの選出が目立っていた。
東京2020で活躍した、内藤実穂、藤田倭、我妻悠香、市口侑果といったベテラン選手たちに代わり、日本代表の常連になりつつある工藤環奈、藤本麗、炭谷遥香は、ビックカメラ高崎ビークイーンの日本代表DNAを受け継いだと言って良い。昨シーズンまでデンソーブライトペガサスに所属していた日本代表経験のある川村莉沙を含め、JDリーグ最多4人の野手が選ばれた。

2年ぶりに現役復帰した我妻(写真右)はTWG2025で日本代表復帰も果たした-Journal-ONE撮影
これに続き、3名の野手陣をアジアカップ日本代表に送り込んだのが日立サンディーバ。JDリーグ2024シーズンでは、激戦の東地区を制してダイヤモンドシリーズ決勝に進出。準優勝となった背景には、上位から下位まで広角に長打の打てる強力打線があった。
日立サンディーバの主軸を担う、昨シーズン東地区首位打者の藤森捺未、ダイヤモンドシリーズで勝負強い打撃を見せた山内早織、新人王を獲得し今シーズンの開幕戦では2本塁打を含む4安打5打点と気を吐き、2年目の進化を見せ続けている笠原朱里がメンバー入りを果たした。

シュアな打撃に広い守備範囲も魅力の藤本(日立)-Journal-ONE撮影

外国人投手にも力負けしない長距離砲として期待される山内(日立)-Journal-ONE撮影

昨年新人王の笠原(日立)はJDリーグ2年目で早くも日本代表に-Journal-ONE撮影
成長を続ける須藤、大川にも注目
アジアカップ日本代表に集中する、須藤志歩(豊田自動織機シャイニングベガ)、大川茉由(ホンダリヴェルタ)も日本代表の常連として着実に力を付けている。
各チームの主力が集結する日本代表において、須藤と大川は大事な局面で代走や守備固めを任せられる“走攻守三拍子揃った頼れる万能選手”だが、自チームで中軸を担う打撃力はもちろん、看板選手としての振る舞いやキャプテンシーなど、いつでも世界戦でチームの中心を担える素養を磨いてきた。

チームと異なる役割もそつなくこなせる万能な大川(ホンダ)-Journal-ONE撮影
JDリーグ3年目の昨シーズン、初めてプレーオフ進出を逃した須藤は、一足早く始まった秋のシーズンオフからウェイトトレーニングに取り組んだ。その成果が現れた今シーズンはここまで、満塁本塁打を含む4本塁打12打点と従来のリードオフマンという役割に加えて、外国人投手の球威にも屈しない力強い打撃を見せてくれている。

昨夏の日米対抗よりパワーアップした須藤(豊田織機)の打撃に期待-Journal-ONE撮影