しかし2回、無死から連続安打で走者を背負うと、マウンドを後藤投手(戸田中央)を譲る。その後藤投手は、適時打を浴びて1点を先制されるも、その後はチャイニーズタイペイ打線を無失点に抑えて味方の反撃を待った

ここ一番の場面で結果が求められる日本のエース・後藤(戸田中央)‐Journal-ONE撮影
その打線は、相手の好守備に阻まれつつも4回裏、2死二塁から大川茉由選手(ホンダリヴェルタ)の中前適時打で同点に追い付くと、7回裏2死一、二塁の場面でTOP代表初選出の藤森捺未選手(日立)が左中間にサヨナラ3点本塁打を放ち、強豪・チャイニーズタイペイを下して連勝。

台湾戦で値千金の本塁打を放った藤森(日立)‐Journal-ONE撮影
チャイニーズタイペイとの激闘を制した女子ソフトボール日本代表は、同じ日に香港代表とも対戦。サヨナラ勝ちの波に乗った打線が、二桁10安打を放って16-0と快勝して連勝を5に伸ばした。
大会ベスト4を目指す韓国との対戦
7月17日のタイ戦でも16安打16得点と打線が爆発。投げては、前日のチャイニーズタイペイ戦で悔しい思いをした増田投手が4回を零封してリベンジを果たす。
さらにこの日、JDリーグとの交流でチーム強化を図っている韓国と対戦した女子ソフトボール日本代表。アジアカップ直前、韓国の鎮川ナショナルトレーニングセンターにJDリーグ・伊予銀行ヴェールズを招いて強化合宿を行った韓国国家代表チームは、今大会でベスト4を目指している。

鎭川NTCでの韓国代表と伊予銀行ヴェールズの強化合宿-Journal-ONE撮影
初の日本人監督・九門篤志監督就任から一年、大きく成長を遂げている韓国代表は、3番のチュ・ヒョジュ(JU HYOJU)選手の二塁打など5安打を放ち、女子ソフトボール日本代表から今大会最多の2得点を奪ってみせた。

日本から得点を挙げたチュ・ヒョジュ(JU HYOJU)‐Journal-ONE撮影
しかし、それを上回る女子ソフトボール日本代表の打線は、キャプテン・石川恭子選手(トヨタ)が3安打3打点、工藤環奈選手(ビックカメラ高崎)が2安打5打点と、クリンナップがしっかりと役目を果たす。終わってみれば12安打12得点と韓国打線を圧倒して4回コールドゲームで韓国代表の挑戦を退けた。

3安打3打点と気を吐いたキャプテン・石川(トヨタ)‐Journal-ONE撮影
今大会最大の好敵手・中国も撃破
続く7月18日、今大会最大のライバルと目されていた中国との一戦でも、昨年までJDリーグのビックカメラ高崎でプレーしていたWei Yuchen(ウェイ・ユ チェン)投手を相手に、女子ソフトボール日本代表は初回から毎回得点を重ねてウェイ投手から5点を奪うと、16安打10得点の猛攻を見せる。
投げては坂本投手(日立)から、勝股投手、増田投手、後藤投手と登録全ての投手を小刻みにマウンドに上げる継投策を見せ、被安打2で中国打線を零封した。

大一番の中国戦で先発好投した坂本(日立)‐Journal-ONE撮影
予選ラウンド最終日の7月19日も、格下のインド代表との対戦に油断は一切無し。初回に一挙14得点の猛攻を見せた女子ソフトボール日本代表は、14安打16得点でインド代表を3イニングで退け、予選ラウンドを9勝全勝の首位で苛酷な日程を終了した。
ロサンゼルスオリンピックに続く道
アジアカップを制した女子ソフトボール日本代表は、、2026年に開催される“第18回WBSC女子ソフトボールワールドカップ・グループステージ(以下、W杯予選ラウンド)”への出場権を獲得したことになる。
「アジアカップで優勝を果たせば、アメリカやヨーロッパの優勝チームと違うラウンドで戦うことになる。そのため、アジアカップで優勝する意義は大きい」と、大会前の強化合宿で話していたのは矢端信介ハイパフォーマンスディレクターだ。