東京2025世界陸上
2025年9月13日、今年行われる世界最大級のスポーツイベントが東京オリンピックのメイン会場であった東京・国立競技場で開催される。
コロナ禍で無観客開催となった4年前の東京オリンピックでは、「無事にやり遂げられたことが何よりだったが…」と当時を振り返った山下泰裕日本オリンピック委員会(JOC)会長(当時)の回想インタビューが示す通り、私たちにとってもアスリートにとっても悔いの残る自国開催のスポーツイベントだった。
世界の超人たちが東京に集まり、世界一の座をかけたトラック競技で生まれた数々の感動的なシーンを会場で体感できる!東京オリンピックで実現できなかった素晴らしい機会、東京20205世界陸上競技選手権大会(以下、東京2025世界陸上)には、多くの注目が集まっている。

世界陸上の臨む三浦龍司、田中希実、廣中璃梨佳の3選手-Journal-ONE撮影
9月11日、大会を直前に控えた日本代表の3選手が味の素ナショナルトレーニングセンターの記者会見に登場。それぞれが東京2025世界陸上に臨む意気込みを語った。
会見に臨んだのは、男子3000m障害物に出場する三浦龍司選手(SUBARU)、女子1500m・5000mに出場する田中希実選手(New Balance)、そして女子5000m・10000mに出場する廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)だ。
記者会見に3選手が登場
「世界陸上の舞台で結果は出したいが、今の私に必要なものを得る良い機会だと思っている。(入賞を意識する中で)プレッシャーで苦しんだ分、世界陸上で何を得られるのかが楽しみ」と切り出したのは、女子1500m日本記録保持者の田中希実選手。
初日のイブニングセッションから予選に臨む田中選手は、「まずは1500mで流れを作っていきたい。私の場合、取り組みや技術的なところだけではなくて、頭の中の余計なものを外して全力でいくことが一番大事なので、初心に戻れるような1500m予選であったら」と、一意専心レースに臨む。[1500m予選は9月13日 19:50₋]
世界大会の常連となった田中希実選手は、現代陸上の魅力について「新しい時代、新しいランナーが増えてきていることを実感している。私にはないレースを楽しむ感覚や、その感覚で軽々と世界新記録を出していくという選手たちと一緒に走れることを楽しみにしている」と、記録だけではなくレースに臨む選手たちの表情にも注目して欲しいと話した。

初心に戻り全力で臨むと話す田中希実選手-Journal-ONE撮影
3000m障害はラスト150mに注目
4月26日、今季のダイヤモンドリーグ初戦(廈門)で当時自己3番目の記録となる8分10秒11をマーク。早々に参加標準記録(8分15秒00)を突破した三浦龍司選手は、「3000m障害の見どころは、ラスト150mだと思います。選手たちが、本当に1ミリ、1秒を削り出すような激しい勝負は、迫力があるのかなって思います」と自身の競技における見どころを紹介。
その後、7月11日にモナコで開催されたダイヤモンドシリーズ第10戦(ヘラクレス)では、日本新記録となる8分03秒43を叩き出した三浦龍司選手。「ラップタイムなど様々な側面で見ても、これまで一番いいレースだったと思っている。その手応えを再現ができるのが一番の理想」と、東京2025世界陸上でも同様のレースを演じる自信をのぞかせた。
田中希実選手と同じく、初日のイブニングセッションから予選に臨む三浦龍司選手は「予選がやはり一番の難所。まずはそこの予選、確実に突破して決勝に臨みたい」と、日本代表チームに勢いを付けるレースをすべく意気込む。[3000m障害予選は9月13日 18:05₋]
「予選、決勝と続くチャンピオンシップなので、なかなか理想通りにはいかないだろう。自分の武器であるスピードや、後半ペースが上がってきた時に粘れるような走りできれば、結果は繋がって来る」と、今季記録にこだわり結果を出している自身の好調さをアピールした。

今季の好調さを世界陸上でも見せると意気込む三浦龍司選手-Journal-ONE撮影
自分の名前を呼んで欲しい
廣中璃梨佳選手も、初日のイブニングセッションから10000mのレースが待っている。「10000メートルは、トラック競技では一番距離のあるレース。前半でなかなか良い展開にならなくても、後半に立て直すことができる」と、10000mを観戦するポイントを教えてくれた。