四国を元気に!高知編 物部川エリアに行こう!

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同点に追い付いた伊波(トヨタ)のスライディング-Journal-ONE撮影
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試合巧者・トヨタのプレッシャー

5回表、ファライモは最速111kmの速球を武器に2つの三振を奪い、戸田中央を三者凡退に打ち取とると、その裏にトヨタが小技で揺さぶりをかけた。

先頭の伊波菜々が粘って四球を選ぶと、すかさず盗塁。さらに犠打で1死三塁と進めたトヨタ攻撃陣が、マウンドの後藤と戸田中央野手陣にプレッシャーをかける。

続く2番、日本代表でキャプテンを努める石川恭子は、マウンド上の後藤が逆シングル捕球となる右側へとゴロを打ち返す。この打球でスタート切った伊波が本塁に滑り込んで同点に追い付くと、野手選択で出塁した石川を一塁に置き、日本代表の正捕手・切石結女との勝負となった。

同点に追い付いた伊波(トヨタ)のスライディング-Journal-ONE撮影

同点に追い付いた伊波(トヨタ)のスライディング-Journal-ONE撮影

電光石火の同点劇から、日本を代表するクラッチヒッターとの対決が続いた後藤だが、落ち着いて内角を攻め、切石をレフトファールフライに打ち取った。しかし、異様な緊張感に包まれた試合展開に三塁走者が残っていると勘違いした左翼手・橋爪ひかりがこのフライを捕球せず。結果、後藤は切石、山田を打ち取り勝ち越しは許さなかったが、戸田中央野手陣にも信じられないプレーが連鎖。この雰囲気が試合を決定付けることになる。

徹底した攻撃で扉を開くトヨタ

6回裏1死、トヨタはブレイディに代えて藤家菜々子を打席に送る。その藤家が3∸2からファウルで粘って四球で出塁すると、続く鎌田の一塁ゴロを捕球した今田が二塁へ悪送球。無死一、二塁と戸田中央がピンチを迎える。

続く8番・小林楓も108kmの速球をカットしたものの、チェンジアップでひっかけさせた戸田中央バッテリー。しかしこの緩い打球がショート・三輪玲奈のグラブを弾き(記録は安打)、レフト線に打球が転がる間に二塁走者が生還してトヨタが勝ち越しに成功した。

さらに1死二、三塁と攻めるトヨタは、ここでも伊波が3-2まで粘って四球を選び1死満塁。ここで1番・島仲湊愛が思い切りボールを叩き付けると、打球は高いバウンドとなり先ほど交代したファースト・遠藤澪の頭上を越える適時打に。徹底した攻撃でトヨタが1点を追加する。

何度もボールに食らいつく石川恭子(トヨタ)-Journal-ONE撮影

何度もボールに食らいつく石川恭子(トヨタ)-Journal-ONE撮影

各選手が粘り、機動力で戸田中央を揺さぶり続けたトヨタ打線に、昨年覇者の戸田中央守備陣の歯車が狂う。2番・石川の二塁ゴロを捌いた名手・鈴木が、今度は本塁に悪送球して走者二人が生還して2点。3番・切石にも粘られて詰まりながらも中前に適時打が飛び出す。1死しか取れない日本のエース・後藤も負の連鎖に飲まれるようにマウンドを降りた。

リエントリーで増田-坂本のバッテリーに代わり流れを止めたい戸田中央だったが、4番・山田柚葵も意表を突くセフティバントで1死満塁。攻撃の手を緩めないトヨタは、この回打者一巡で下山に打席が回した。しかし、前年覇者の意地を見せた戸田中央は、増田が後続を抑えてこれ以上の失点は許さなかった。

連覇が掛かった戸田中央は2回戦で姿を消した-Journal-ONE撮影

劣勢を挽回すべく円陣で話す福田五志監督(戸田中央)-Journal-ONE撮影

意地を見せた戸田中央

戸田中央5安打、トヨタ6安打と互角な打撃陣だったが、最終回で5点のビハインドとなった戸田中央が最後に意地を見せる。

先頭の三輪が中前安打を放つと、2死一、二塁から3番・山口の適時内野安打で1点を返した。ここで、この試合本塁打を放っている4番・坂本が、初球をとらえて鋭い当たりをセンター頭上に放ったが、飛距離足りずセンター・伊波が抑えてゲームセット。トヨタが準々決勝にコマを進めた。

戸田中央は最終回に山口が適時打を放ち意地を見せた-Journal-ONE撮影

戸田中央は最終回に山口が適時打を放ち意地を見せた-Journal-ONE撮影

トヨタの徹底した攻撃に屈し、皇后杯全日本総合女子選手権の連覇が潰えた戸田中央。異様な緊張感に包まれた試合が、想像もできないプレーを生む結果に改めてソフトボールの奥深さを感じさせられた。

JDリーグ日本一の座をかけた決戦でも再戦する可能性が高い両チームは、リーグ戦での唯一の直接対決をまだ残している。リーグ戦第13節となる10月19日(日)、愛知県の豊田市運動公園で13時から激突するこの一戦は、青森でのこの激闘第2章でもあり、来たるダイヤモンドシリーズを占う注目の一戦。

アクセス

はるか夢球場(弘前市運動公園野球場)

  • 住所
    青森県弘前市豊田2丁目3−1
  • TEL
    0172-27-6411
  • アクセス
    東北新幹線 青森駅 - 奥羽本線(45分)- 弘前駅 - 弘南鉄道(5分)- 運動公園前 - 徒歩2分
  • その他
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取材・文:
Journal ONE( 編集部 )
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