
乾と宇佐美が見せた本気のマッチアップ‐Journal-ONE撮影
その結果、子どもたちは“違い”を、痛みも歓びもひっくるめて全身で受け止めることになった。
印象的だったのは、劣勢でも決して下を向かない子どもたちの姿勢だ。囲い込まれれば一度外し、角度が消えれば横パスで再起動する。だが、奪われた直後の一歩が遅れれば、世界は一瞬で相手色に染まる――その緊張感が、試合のすべてを支配していた。
要するに、4v4の設計は“絶え間ない選択の連続”を生む。それゆえ、良い連続が続けば波に乗り、悪い連続が続けば一気に飲まれる。したがって、彼らは“次の一手”を切り続けるだけの精神力を養わざるを得ない。

キーパー権田の珍しいシュートシーンも‐Journal-ONE撮影
肩書きでは語れない姿勢──汗と歓声が交差した夜
その後のレジェンドマッチは、さらにドラマが濃くなった。
まず、息遣いが伝わる距離で、プロの“意地”が剥き出しになる。次に、守備の読みとアタックの角度、ショットクロックの使い方までが意識の表面に浮上する。
さらに、プレー精度の裏にある準備と集中が、観客の視線を吸い込んでいく。結局、汗と呼吸音と歓声が交わる中で、スタンドは「これぞ真剣勝負」と頷いた。
つまり、華やかな肩書きだけでは決して届かない“姿勢”が、ピッチに刻まれた。

観客からの声援に何度も応えた本田-Journal-ONE撮影
自分で考え、歩む力──4v4が示す育成の本質
ここまで読むと、4v4はイベントの枠を超えていると感じるはずだ。
まず、監督不在という設計が、自律の重心を選手に戻す。次に、ショットクロックが意思決定の遅延を許さない。さらに、ゴールプレイヤーの攻撃参加が、スペースの見方を広げる。
したがって、選手は「自分で考えて実行する」を反復し、失敗の直後に再選択を重ねる。要するに、ここで育つのは“うまさ”だけではない。“続ける力”だ。
本田圭佑とレジェンドたちが示したのは、勝敗の先にある景色である。まず、“勝った・負けた”の手触りをそのまま抱え、次に“なぜ”へ変換する。さらに、“どう直すか”を明日へ持ち込む。
したがって、スペシャルマッチとレジェンドマッチは、子どもたちにとって未来の練習を具体的にするレッスンだった。4v4は「選手が自分の足で未来へ歩く」ための環境である。観客が目撃した、未来のレジェンドたちの確かな一歩。クリスマスの夜に感じた熱は、これからも冬の空気の中で長く燃え続けるだろう。



















