今回の発表で、MLB（米大リーグ）、NPB合わせて8人の出場が明らかになった侍ジャパン。

WBC連覇を期待する日本国民にとって、この発表は重要な一歩。それゆえ、今回の先行発表には多くの注目が集まった。

早々に表明された大谷翔平の侍ジャパン入り

侍ジャパンの連覇に不可欠なのは、大谷翔平選手の参加だ。

前回大会、大谷翔平選手の投打にわたる活躍に日本中が熱狂した2023年。さらには、日本での公式戦開幕でもその熱狂は勢いを増した。

そして、11月1日（日本時間2日）に決まったドジャースのワールドシリーズ連覇。日本中が大谷翔平選手の一投一打に注目し続けた2025シーズンが最高のフィナーレを迎えた。しかし、その直後から早くも「大谷翔平のWBC出場は？」という話題で持ちきりになっていた。

そんな中、大谷翔平選手は異例の早さでWBCへの参加を決断。11月24日（日本時間25日）、自身のインスタグラムでその思いを明かした。

さらに、「日本を代表して再びプレーできることを嬉しく思います」とのコメントに日本中が歓喜。その結果、多くの選手たちがWBCへの強い参加意欲を次々と示していった。

これまで、シーズンへ向けた調整を理由に、決して参加意欲が高いわけでは無かったWBC。それが、大谷翔平選手のプレーやWBCに掛ける思いが、ファンや選手たちの心を動かしている。

開催国の都合で公式競技から除外される可能性のある“野球・ソフトボール”。それに対し、出場国の本気度が高まり続けるWBCはいずれオリンピックを凌ぐ野球大会になるのも時間の問題だろう。

第5回大会の東京ラウンドでの大谷翔平-Journal-ONE撮影

侍ジャパン 投手を中心に8選手が選出

今回発表された侍ジャパンのメンバー。二刀流の大谷翔平選手を始めとして、8人の投手が選出された。とりわけ、メジャーで実績を挙げているエンゼルスの菊池雄星投手、パドレスの松井祐樹投手にも注目が集まる。

NPB（プロ野球）でも、今シーズン沢村賞を受賞した伊藤大海投手（日本バム）が前回大会に続いての選出された。2021年の東京オリンピックでも金メダル獲得に貢献した伊藤投手は、先発でも中継ぎでも国際大会で強烈な光を放つ期待の右腕だ。

• 大谷翔平（ドジャース）
• 菊池雄星（エンゼルス）
• 松井裕樹（パドレス）
• 伊藤大海（日本ハム）
• 大勢（巨人）
• 種市篤暉（ロッテ）
• 平良海馬（西武）
• 石井大智（阪神）

侍ジャパン 残るメンバーは誰が？

投手：ワールドシリーズMVPに期待

前回大会では二刀流・大谷翔平選手を含め、14名の投手が登録された。今回発表の先行8名に加え、さらに5～7名程度の追加枠が見込まれる。

ここで注目されるのが、ワールドシリーズ連覇に貢献したドジャースの日本人投手・山本由伸投手の動向だ。一方で、同じドジャースの佐々木朗希投手は、故障再発の恐れからドジャースからの出場許可が下りずに不参加。山本投手も、ワールドシリーズ熱投からの回復状況次第となるが、是非ともその雄姿を見せて欲しい。

さらに、今年メジャーリーグに挑戦した菅野智之投手（オリオールズからFA）も「お呼びが掛かれば全力で」とコメント。2017年のWBCで侍ジャパンのエースとして活躍したその経験と能力は、チームにとっては心強い存在となるだろう。

前回出場の佐々木は参加を断念した‐Journal-ONE撮影

野手：前回大会で無念の辞退

野手陣で注目されるのは、シカゴ・カブスの鈴木誠也選手の動向だ。

主軸として期待された前回大会、キャンプ中の怪我により無念の辞退となった鈴木選手。しかし、今回は侍ジャパン最終候補に選出。加えて、米球界関係者からも「出場に支障がない」ことが確認されているという。

さらに、前回大会準決勝のメキシコ戦で、劇的なサヨナラ打を放った村上宗隆選手（シカゴ・ホワイトソックス）にも注目。同じく、前回大会準々決勝のイタリア戦、決勝のアメリカ戦で本塁打を放った岡本和真選手も、ポスティングでメジャー移籍が決まればメンバー入りしてくるだろう。

加えて、ボストン・レッドソックスで活躍している吉田正尚選手もWBC出場への強い意欲を見せている。前回大会で13打点を挙げたクラッチヒッターの吉田選手。今シーズンこそMLBで調子が上がらなかったが、それでも実力は誰もが知るところ。