U18という単語は、この一戦の価値を端的に言い表す。ここに集うのは、リーグの未来を織り上げる原糸であり、勝敗以上の意味を背負う若者たちだ。祭典の空気は華やかだが、コート上は研ぎ澄まされた緊張で満ちる。視線が集まるのは、スピードで面を破壊するJADEと、統御で局面を制すHELIOS。U18世代が持つ勢いと熟成が、一つの試合に同居する稀有な瞬間となる。
U18 JADEの戦力分析|“速さ”を理性で束ねる攻撃的構造
JADEの輪郭は明快だ。主将・阿部真冴橙が起点となり、意思決定の速さでチーム全体のテンポを押し上げる。軽やかな一歩目でヘルプを引き寄せ、ボールを止めずに回し切る。速いが粗くない。ここにJADEの強みがある。阿部のリードは、味方の視線と足の向きを一致させ、コートのどこに“次の余白”があるかを瞬時に共有させる。結果、アドバンテージは一点ではなく面で広がる。
浅井弘士郎の決定力は、JADEの速度を得点に変換する触媒だ。キャッチ&シュートの準備姿勢は速く、ドライブの肩の差し込みは芯が通る。外が続けて落ちる時間帯でも躊躇しないメンタリティが、連続得点の火口を保つ。オールスター特有のポゼッション増に呼応して、彼の“決め切る”一撃が流れを傾ける。リムアタックでファウルをもぎ取り、フリースローで流れを固定化するしたたかさも備える。
守備のテーマは“先手”だ。前からの圧でボールの高さを下げ、初動のラインを外側へ誘導する。スイッチ後のミスマッチはローテーションで受け手を限定し、ショットクロックを削る。速さを自らの得点装置にするだけでなく、相手の時間を奪う武器へと昇華できるか。そこをやり切れたとき、JADEはU18カテゴリーの“勢い”の象徴から、“勝ち切る”集団へ変貌する。

U18 JADEの主将・阿部真冴橙(仙台89ersユース)‐Journal-ONE撮影
U18 HELIOSの戦力分析|“統御”を攻守の言語にする熟達
HELIOSの中心軸は、主将・若野瑛太の統御力だ。速攻合戦に巻き込まれそうな局面でも、ワンドリブルで呼吸を置き、適切な角度にボールを落とす。これによりチームは落ち着きを取り戻し、ハーフコートで有効な選択肢が自然に並ぶ。若野の強みは、難しいパスを通す派手さではなく、誰もが打てる“良いシュート”を積み上げる設計にある。
小川莞大の全方位性が、若野の設計に立体感を与える。ウイングでの1on1、外角のレンジ、守備でのボールプレッシャー。どの局面でも“次の一手”を提示できるため、相手は選択の誤りを重ねやすくなる。ショートロールで受けてミドルか、コーナーに振るか、あるいは自ら仕掛けてフローターで締めるか。小川が“句読点”を正しく打てば、HELIOSのオフェンスは整然と、そして執拗に得点を積む。
守備では、スイッチ後のミスマッチ処理に一切の妥協を許さない。インサイドの不利は早いダブルでボールを離させ、弱サイドは一歩深く構える。リバウンドは“もう一回”を許さない徹底で、トランジションの芽を早期に摘む。U18では希少な“粘りの守備”を貫徹できる時間の長さが、HELIOSの勝率を押し上げる。

若野瑛太主将とHELIOSの選手たち‐Journal-ONE撮影
U18決戦の焦点|ペース管理、外角の期待値、ミスマッチ処理
この試合の分岐点は三つに集約される。第一にペース管理。JADEはテンポを上げ、連続得点で空気を持っていく構図を描く。HELIOSは意図的に止め、ハーフコートの品質で応酬する。第二に外角の期待値。最初の2~3本をどちらが先に沈めるかで、ヘルプの深さとドライブの角度が決まる。第三にミスマッチ処理。ポストの不利を何手で解消できるか、あるいは解消させずに打たせきるか。これらはすべて、U18の現在地を測る定規である。
タイムアウト直後の1プレーも重い。JADEは最初のアクションに躊躇を挟まず、U18らしい速度で打ち切るべきだ。HELIOSはワンパス、ワンドリブルの“整える手順”を置くことで、相手の加速を空振りに変えられる。審判基準が接触に厳しければHELIOS、流し気味ならJADEが有利となる公算が大きい。いずれにせよ、試合の物語はU18特有の“瞬発”と“持久”のせめぎ合いで進行する。
注目マッチアップ|主将の仕事とフィニッシャーの矜持
阿部真冴橙と若野瑛太。二人に共通するのは、U18の枠内にとどまらない“時間の扱い方”である。阿部は速さのなかで雑音を消し、若野は静けさのなかで拍動を作る。浅井弘士郎と小川莞大は、いずれも仕上げの局面で価値を発揮するが、求められる役割は異なる。浅井は“連続”でスコアを積み、相手の守備設計を崩壊させる。小川は“最適”で局面を解き、チームとしての効率を押し上げる。どちらもU18の象徴的タレントであり、違う答えで同じ問いに挑む存在だ。
ハピネスアリーナ(HAPPINESS ARENA)
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- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )

















