この布陣が最もプラスに働きそうなのが、西田優大(SG)である。西田はWindow2直前合宿メンバー15名に選出されており、所属もシーホース三河。ここが重要だ。
代表合流時、選手が苦しむのは「役割の再定義」である。クラブでは主軸でも、代表では限定的な役割を求められることがある。逆にクラブでは目立たなくても、代表で“刺さる役割”が与えられることもある。
西田優大が代表で飛躍しやすい理由
そのギャップを埋めるのが、同じクラブで日常的に選手を見てきた指導者の存在だ。リッチマンACは、西田の強みと課題を、映像でも数字でも、そして肌感でも理解しているはずだ。だからこそ西田は、代表の中で迷いが減る。何を求められているかが早い段階で明確になり、短期合宿でも“積み上げの時間”が増える。
西田に期待されるのは、単なる得点ではない。トランジションで走り切る脚、外角シュートの決定力、そして守備で相手の流れを止める一手。代表が中国、韓国という体格と強度のある相手に挑むとき、SGの仕事は試合の温度を左右する。西田がここで一段階上がれば、桶谷ジャパンの選択肢は確実に増える。

リッチマンACの下で飛躍が期待される西田優大(三河)-Journal-ONE撮影
沖縄で始まる新体制の初陣と今後の展望
桶谷ジャパンのスタート地点は沖縄だ。Window2は沖縄サントリーアリーナで行われ、2月26日に中国、3月1日に韓国と対戦する。代表戦を“沖縄で戦う”ことには、戦術以上の意味がある。会場の熱量が、選手の背中を押し、相手の心拍を上げる。ホームコートとは、単なる地理ではなく、心理の優位だ。
ここで鍵となるのは「最初の勝ち方」だろう。新体制の初陣は、結果そのものよりも、勝ち筋の再現性が問われる。どの時間帯で主導権を握り、どの局面で守備強度を上げ、どの選手の組み合わせで流れを変えるのか。代表は限られた試合数のなかで、“型”を作っていく。その型が早く定まるほど、先は見通しやすい。
桶谷HCが目指すのは、先人の土台を踏襲しながら世界の第一線と肩を並べるチームだ。これは、言い換えれば「日本の強みを失わずに、世界基準の勝負所を増やす」ことでもある。そのための“最初の一歩”として、桶谷バスケを知るカークが選ばれ、リッチマンACのもとで伸びる西田が選ばれた。そこに、渡邊雄太や富樫勇樹らの経験が重なる。人選は、すでに思想を語っている。
電撃に見える交代劇は、実は“次へ進むための統合”かもしれない。断絶ではなく、継承と融合。桶谷ジャパンは、その二つを同時に進めることで、代表強化の新しい速度を示そうとしている。沖縄で鳴るティップオフは、単なる試合開始の音ではない。ロサンゼルスへ向けた長い旅路の、確かな一歩の合図だ。




















