同組で打撃練習をしていた吉田正尚でさえ、苦笑いを浮かべるしかないほどの大飛球。試合で自らのプレーを見せることができない名古屋のファンに対し、大谷はこれ以上ない“答え”を用意してみせた。

大谷翔平が打球の行方を見つめる中、苦笑いでケージに入る吉田正尚-Journal-ONE撮影
試合に出られなくても――チームの中心にいた理由
打撃練習を終えた大谷がベンチ奥へと下がる。その後ろ姿に、スタンドからは自然発生的な拍手が沸き起こった。
その後、MLB組の選手たちはオープニングセレモニーにも揃って登場。試合開始後もしばらくベンチに入った大谷翔平。NPBの選手たちと会話を交わし、初回に先制の3ラン本塁打を放った佐藤輝明(阪神タイガース)を出迎えてハイタッチを交わす。こうして可能な限り、チームの輪の中に身を置いた。
試合に出場できない。それでも、侍ジャパンの一体感を高める。その役割を、大谷翔平は自然体で果たしていた。

大谷翔平はフリー打撃の順番を待つ間もファンを魅了した-Journal-ONE撮影
名古屋で示された「侍ジャパンの現在地」
この名古屋での壮行試合は、勝敗以上に「侍ジャパンとは何か」を示す一夜だった。
宮崎で育まれた土台、MLB組の相次ぐ合流、そして大谷翔平という象徴的存在。すべてが重なり合い、チームは確実に“本番モード”へと突入している。
WBC連覇への道は、決して平坦ではない。
それでも、バンテリンドーム ナゴヤに満ちた熱狂と期待は、その第一歩として、確かに刻まれた。
試合に出られずとも、スタジアムを支配する存在がいる。名古屋のファンは、この日、“世界の大谷翔平”の価値を、改めて目の当たりにした。





















