GWどこ行く?2026年は伊勢日帰り旅!

GWどこ行く?2026年は伊勢日帰り旅!

深い夜の帳(とばり)に包まれた長居植物園の桜の木。チームラボの作品により、剥き出しになった自然の「骨格(枝ぶり)」が、瑞々しい光のパレットによって浮かび上がっている。赤と緑の光が木々の生命力を情緒的に表現しており、これらの光は自律的に、そして周囲の木々と呼応しながら絶え間なく移ろい続け、森全体が呼吸しているような幻想的な景色を描き出している。
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn

見知らぬ他者と、光の波紋で繋がる夜。一期一会の「桜の幽体」へ

重く湿った夜の空気が、肌にまとわりつく。会議室を出て、赤刎(あかはね)氏の案内に導かれ一歩外へ踏み出した。すると、昼間とは全く別の表情を見せる植物園がそこにあった。心地よかった土の匂い。それが夜には、野生の官能的な気配を孕んで鼻腔をくすぐる。雨を予感させる空気さえも、演出の一部に取り込まれていた。

「ovoid」が伝える、非言語の温かな気配

闇の中を歩み進めると、突如として幻想的な光の群れに出会った。自律した物体「ovoid(オボイド)」が放つ光の波紋。それには、見知らぬ他者の鼓動が伝わってくるような温かさがある。孤独な夜の散策が、いつの間にか誰かと緩やかに繋がっている安心感へと変わっていった。

向こう側から光が押し寄せてきたら、それは誰かがそこにいる合図だ。特に《呼応する木々》といった作品群は、他者の存在を「気配」として教えてくれる。また、サルスベリやしだれ桜の造形美も、夜の闇に剥き出しの生命感として立ち上がる。この暗闇では五感が研ぎ澄まされ、微かな風の揺らぎさえも情報として刻まれた。

漆黒に浮遊する「幽体」と、未完成の可能性

そして、ついにその場所へ辿り着いた。視界が開けた瞬間、溜息が漏れる。そこにあったのは、私たちが知っている桜ではなかった。新作《桜の結晶と桜の幽体》である。

漆黒の闇の中に、チームラボの精密な光の制御によって、まるで霧か雲のように幽玄に浮かび上がる桜の木々。一本一本の枝ぶりや花びらが、白く、そして結晶化したような密度で輝き、現実離れした「幽体」のような存在感を放っている。画面下部には、その圧倒的な光景を前に、静かに佇む人物の後ろ姿が配され、自然の造形美とデジタルの光が融合した一期一会の深淵な世界観を、静謐な没入感と共に伝えている。夜の長居植物園、チームラボ ボタニカルガーデン 大阪

チームラボ《桜の結晶と桜の幽体》2026, Installation, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

漆黒の闇の中に、枝も幹も存在しない。ただ、桜の花びらだけが、光の粒となって虚空に浮遊している。開園直前まで日々の開花状況に合わせて調整を続けるチームラボの執念。そのすべてが、この一点に集約されていた。

 

 

「予定通りにはいきません。でも、今の桜の美しさを100%引き出すのが僕たちの仕事です」

直前まで現場に張り付き、位置をミリ単位で調整し直した技術チームの自負。不安定な空の下、その調整によって完璧な姿を取り戻した景色。それはまさに「幽体」の名に相応しい、儚さを纏っていた。

「完成がないからこそ、自然なのです」

赤刎氏が残した言葉を背に、出口へと向かった。一度きりの光を放ち続けた桜の残像が、いつまでも目に焼き付いている。不完全さを愛し、変化し続けることを肯定する。夜の植物園が灯したその光は、日本中の地域が抱える「未完成の可能性」を、静かに照らし続けていた。

夜の深い闇を背景に、チームラボの精密な光の制御によって、まるで無数の宝石が散りばめられたかのように輝く桜の花々。最短10分単位の微調整を経て辿り着いたその光は、単なる白を超え、ピンク、青、黄、緑といったプリズムのような色彩を帯びて結晶化している。自然の造形美とテクノロジーの執念が、一期一会の「現象」として最高潮に達した瞬間を、極めて高い密度で描き出した幻想的なビジュアル。夜の長居植物園、チームラボ ボタニカルガーデン 大阪

チームラボ《桜の結晶と桜の幽体》2026, Installation, Sound: Hideaki Takahashi © teamLab, courtesy Pace Gallery

■記者プロフィール
小谷
ナイトランが好きなインドア派。旅と朝カフェ、鮮魚コーナーを愛するJournal-ONE編集部員。ビューティ&ヘルスのオタクを仕事にしていた過去を経て、気づけば書く側へ。
アクセス

チームラボ ボタニカルガーデン 大阪(長居植物園)

  • 住所
    〒546-0034 大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
  • TEL
    チームラボ ボタニカルガーデン大阪公式:06-6699-5120(受付時間 12:00~20:00 ※休園日を除く)
  • アクセス

    ① 東京都(東京駅)- 新幹線 約2時間30分(東海道新幹線「のぞみ」)- 新大阪駅 - 地下鉄 約30分(Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車)- 徒歩約10分

    ② 愛知県(名古屋駅)- 新幹線 約1時間(東海道新幹線「のぞみ」)- 新大阪駅 - 地下鉄 約30分(Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車)- 徒歩約10分

    ③ 京都府(京都駅)- 新快速 約30分(JR京都線)- 大阪駅 - 地下鉄 約30分(Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車)- 徒歩約10分

    ④ 兵庫県(神戸・三ノ宮駅)- 新快速 約25分(JR神戸線)- 大阪駅 - 地下鉄 約30分(Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車)- 徒歩約10分

    ⑤ 福岡県(博多駅)- 新幹線 約2時間30分(山陽新幹線「のぞみ」)- 新大阪駅 - 地下鉄 約30分(Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車)- 徒歩約10分

  • その他
    【入場時間】〈昼〉長居植物園 9:30~(季節により~16:30/17:00まで)  〈夜〉チームラボ ボタニカルガーデン 大阪 日没後~21:30(最終入場20:30)  ※昼夜は完全入替制  **【休館日】**不定休(原則として第2・4月曜日。公式サイト要確認)  【その他】長居公園地下駐車場(約255台)、長居公園南駐車場(約272台)等を利用可
jone_logo
取材・文:
Journal ONE( 編集部 )
取材・文:
編集部- 小谷( )
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn