11月10日の結果(豊田織機 2‐1 日立)
2025年11月10日、JDリーグ・プレーオフ セカンドステージは、時折強風に見舞われる中、第2試合へ突入した。
ダイヤモンドシリーズへの切符をかけて、東西の強豪チームがプレーオフ初対決となった。西地区2位でセカンドステージからの登場となったのは、豊田自動織機シャイニングベガ。対する昨年の東地区王者・日立サンディーバは、今シーズン東地区4位。ワイルドカードでプレーオフに駒を進めてきた。
ダイヤモンドシリーズ進出をかけた最後の一戦は、豊田織機のダラス・エスコベド、日立の長谷川鈴夏と、両チームのエースが先発マウンドに上がった。
豊田織機が得意の足で先制
まずは、2回裏に豊田織機が無死からチャンスを作る。5番・佐藤友香がレフト前へ鮮やかな安打を放つ。続く、池上桃花の初球に佐藤が二盗を成功させた。足に自信を持つ、豊田織機の永吉慎一監督が早速仕掛けて得点圏に走者を進めた。
ここで、犠打を選択するかに見えた豊田織機だが、池上に出したサインは強攻。この期待に応えたい池上は、左翼線へと飛球を放った。この打球は強風に煽られ、ファウルになるかと思われた瞬間、レフトの保谷蓮が、見事なスライディングキャッチでファインプレイ。
走者釘付けで1死を稼いだかと思われたが、この捕球を見て佐藤がタッチアップで果敢に三塁を狙った。直ぐに起き上がり、三塁に送球した保谷だったが、この送球が逸れて一塁側に転がった。すると、これを見た佐藤が一気に本塁を駆け抜けて得点。豊田織機が貴重な先制点を得意の機動力で挙げた。
日立の反撃は堀口の同点弾
しかし、その後は長谷川がしっかりと豊田織機打線を抑え込み、最少失点差での膠着状態が続いた。
1点を追う4回表、今度は日立の超攻撃打線が火を噴いた。2死から7番・堀口佳乃が、打った瞬間それと分かる中越えの同点ソロアーチを架ける。どこからでも一発のある日立打線が、エスコベドの失投を見逃さなかった。
1本の本塁打で試合の流れが変わるかと思われた矢先、再び豊田織機が機動力で勝ち越しに成功した。
豊田織機が機動力で再び勝ち越し
4回裏、またも佐藤が流し打っての右前安打で出塁を果たした豊田織機。続く、池上も左中間を破る二塁打を放つと、佐藤が自慢の俊足を活かし。一塁から一気に本塁を狙った。
この積極的な走塁が、日立の野手陣にプレッシャーを与える。左中間フェンス際からの中継プレーが乱れ、再びの失策となり1点を献上。豊田織機が2-1と勝ち越しに成功した。
エスコベドが粘投、日立の反撃を封じる
しかし、勝ち越された日立もすぐさま反撃に転じる。5回表、日立の村山修次監督は得意の代打攻勢をかける。
代打・小島あみが四球で出塁すると、リエントリーで一塁走者となった唐牛彩名が盗塁を決める。さらに、保谷も四球で続き一打逆転のチャンスを作り、中軸に繋いだ。
だがここでギアを上げたのは、豊田織機のエスコベドだった。強打日立の3番・杉本梨緒、4番・山内早織を連続三振に仕留めてピンチを脱した。
終盤の継投と怒涛の攻撃
6回表、2死から同点弾を放っている堀口を打席に迎えた豊田織機。ここで、好投のエスコベドから左腕・山下千世をマウンドに送る継投策に。
しかし、堀口が四球で出塁すると、続く代打・森山遥菜も死球で出塁。さらには、唐牛も内野安打で出塁して2死ながら満塁のチャンスを作る。
ここで、打順はトップに戻りチャンスに強い藤森捺未が打席に入る。山下との息詰まる勝負は2死満塁フルカウントまでもつれ込む。そして、山下渾身の投球に藤森はバットを出すことができず見逃し三振。歓声とため息の入り混じるスタンドの緊張感は最高潮、いよいよ最終回の攻防へと進んでいった。
最終回も山下が締め、豊田自動織機が勝利
日立は、5回からマウンドを継いだ坂本美桜が力投。豊田織機に追加点の機会すら与えず最終回の攻撃に思いを託した。
1点を追う日立は2番からの好打順。しかし、ショート・竹中真海のダイビングキャッチで山下を援護した豊田織機。好守の助けも受けた山下は、力強い投球で日立に流れを渡さなかった。結局、最後も山内を空振り三振に仕留めて試合終了。
豊田自動織機が2-1でプレーオフを制し、2年ぶりのダイヤモンドシリーズ進出を決めた。
試合結果まとめ
- 豊田自動織機シャイニングベガ:2
- 日立サンディーバ:1
- 勝利投手:ダラス・エスコベド
- セーブ:山下千世
- 本塁打:堀口佳乃(日立・4回表・ソロ)
この試合は、まさに「プレーオフ」の名にふさわしい緊張感とドラマに満ちた一戦だった。豊田織機は、11月15日のダイヤモンドシリーズ準決勝で、西地区王者のトヨタレッドテリアーズと対戦することになった。




















