日本文化とバスケが融合して開幕!
4月26日、27日に「FIBA 3x3 ワールドツアー 宇都宮オープナー 2025」が栃木県宇都宮市にある二荒山神社参道およびバンバ市民広場で開催された。この大会は、FIBA(国際バスケットボール連盟)が主催する3x3世界No.1を決めるツアー大会「FIBA 3x3 ワールドツアー」の今シーズン開幕戦として行われ、昨シーズンの世界ランキング上位10チームを含む14チームが出場。昨夏のパリ五輪でメダリストになった選手たちも多数やってきた注目の国際大会となった。

立派な鳥居を背に今年も世界大会が宇都宮で行われた@FIBA.com
宇都宮では2016年よりワールドツアーが開催されており、鳥居の前に特設コートが設置されるのは、ことしで8度目。開幕戦となってからは4度目だった。オープニングセレモニーでは地元の担ぎ手たちによって神輿も登場する粋な演出も披露され、選手たちは法被を着てコートへ。日本の文化とバスケットボールが融合した雰囲気の中で、大会の幕が上がった。
2年連続でアメリカのマイアミが優勝!
26日にはオープニングセレモニー後、予備予選と本戦予選が行われた。オリンピックのメダリストを擁するオランダのAmsterdam(アムステルダム)や、フランスのToulouse(トゥールーズ)、リトアニアのRaudondvaris(ラウドンヴァリス)など8チームが順当に勝ち上がって27日の決勝トーナメントへ。準々決勝から始まる最終日では、Amsterdamが決勝まで勝ち上がる一方で、Raudondvarisが準々決勝で敗れ、Toulouseも準決勝で昨シーズンの開幕戦を制したアメリカのMiami(マイアミ)に敗戦。頂上決戦はAmsterdamとMiamiの対決となった。

決勝戦で対戦したAmsterdam(赤)とMiami(青)@FIBA.com
決勝戦は序盤から両チームが互角の攻防を繰り広げたが、残り5分を切ってMiamiが勢いづく。9-9の同点からミッチ・ハーン(No.4/203cm)が2ポイントを射抜いて勝ち越すと、昨夏のパリオリンピックに3x3アメリカ代表として出場したディラン・トラビス(No.7/192㎝)が3本連続で2ポイントシュートを成功させる。パリ五輪のMVPであるワーシー・デ・ヨング(No.6/194cm)を中心に食い下がるAmsterdamの攻撃も食い止めて、21-17でMiamiが2年連続で開幕戦の優勝を飾った。

接戦を勝ち切り2年連続の優勝を収めたMiami@FIBA.com
試合後、大会MVPに選ばれたハーンは嬉しそうな表情で、今大会を振り返ってくれた。
「いつも勝つのはとてもいい気分だけど、僕らのようなメンバーで勝つのはもっと特別なんです。僕たちは(過去に別のチームも含めて)5年間プレーしてきて、今に至るまで時間がかかりました。いつでもお互いのために一生懸命プレーしたいと思っています。だから最高の気分です。MVPは僕が受賞したけど、これはチームの賞であり、僕が受賞できたことをうれしく思っているよ」
そして、2028年にハーンの母国であるアメリカのロサンゼルスでオリンピックが開かれることを尋ねると「ここでの勝利が、4年後に必ず(オリンピックに)出場できる保証にはならないんです」と前置きした上で、大舞台へ意欲を見せた。
「だから、ただひたすら努力し続けるしかないんです。でも、ホームでプレーできることを本当に楽しみにしています」

MVPを受賞したミッチ・ハーン@FIBA.com

記念にサインを書くミッチ・ハーン@FIBA.com
日本勢の奮闘…UTSUNOMIYAが3人で戦う
一方で、日本勢は4チームが出場したものの、いずれも決勝トーナメントへ進むことはできなかった。ただ、本選予選で世界の強豪に対して奮闘し、会場を大いに盛り上げた姿が思い出される。
まず、開催都市枠として出場したUTSUNOMIYA(UTSUNOMIYA BREX.EXE)は、クーリバリ・ソロモン(No.1/183cm)、飯島康夫(No.3/188cm)、仲西佑起(No.4/191cm)の3人で大会に臨んだ。当初はグリフィン・ビュワーとともに4人で出場予定だったが、大会前日に選手登録の都合上、3人での参戦が決まったという。1試合10分とは言え、攻撃時間が12秒と限られる3x3では攻守の入れ替わりが5人制に比べて非常に素早く、3人での戦いは体力的にとてもハードになる。

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[写真]=Nobuhiro Fukami