
リーチマイケルの宙に舞う姿が今年も見られるか‐斉藤健仁撮影
攻守のバランスに長けた埼玉パナソニックワイルドナイツ
2位のワイルドナイツ(14勝2分2敗)は、引き分けを挟んで9連勝の後、2連敗したが、しっかり復調して4シーズン連続となるプレーオフに進出した。
ワイルドナイツは伝統的に守備が強く、今シーズンも失点は437点とリーグ2位の少なさで、反則数はリーグ最少の161と規律の意識も高い。一方、攻撃力も高く、SO山沢京平は得点王(209点)、WTB(ウィング)竹山晃暉が14トライでトライランキング2位になったように、得点はリーグ2位の727点で、PG(ペナルティゴール)数の30はリーグトップで、攻守のバランスに長けている。
10番で起用を続けるだけでなく、より責任感を持たせるために、時にはゲームキャプテンにも指名されたSO山沢が司令塔としてチームを牽引する。

司令塔として成長した山沢京平(埼玉パナソニックワイルドナイツ)∸斉藤健仁撮影
また、FWにも南アフリカ代表LO(ロック)ルート・デヤハー、元日本代表FL(フランカー)ジャック・コーネルセン、FLラクラン・ボーシェーら仕事人が揃い、日本代表CTBディラン・ライリーと、南アフリカ代表CTBダミアン・デアリエンデのコンビはリーグNO1だ。
2シーズン連続、プレーオフ決勝で敗れているワイルドナイツは粘り強いディフェンスと、タレントの揃う攻撃陣で、今シーズンこそ2022シーズン以来の優勝を狙う。
大型FWと堅固な守備のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ
3位のスピアーズ(14勝2分2敗)は、南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークス(189cm/117kg)を筆頭に、LOには2mの選手が揃う、リーグ随一の大型FWが自慢。フィジカルに長けており、守備も堅固で、失点は1試合平均20点とリーグトップの少なさだ。

世界最高峰のHOであるマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)∸斉藤健仁撮影
ハーフ団は日本代表SH(スクラムハーフ)藤原忍と、元オーストラリア代表SOバーナード・フォーリーがおり、キッキングゲームにも長けている。
一発勝負での強さは、優勝した一昨シーズンのプレーオフでも十分に証明している。自慢のFWとフィジカルに長けたディフェンスで、王座奪還を狙っている。
セットプレーとワイドなアタックが魅力の静岡ブルーレヴズ
プレーオフ初出場となったブルーレヴズだが、昨季の8位から、今季は14勝(4敗)を挙げて4位へと大きく躍進した。リーグ戦ではブレイブルーパスに連勝し、ホストではワイルドナイツも下して、十分力のあるところを見せた。
ブルーレヴズの『レヴズスタイル』と言えば、前身のヤマハ発動機ジュビロ時代からのスクラムの強さが伝統で、今シーズンもスクラム、モールのセットプレーは大きな武器となった。

新人ながら14トライを挙げたSH北村瞬太郎(静岡ブルーレヴズ)∸斉藤健仁撮影
セットプレー以外にも、ボールをワイドに動かすアタックも好調で、ボールキャリーでリーグ2位(262回)のCTBヴィリアミ・タヒトゥア、新人ながら14トライを挙げてトライランキング2位のSH北村瞬太郎(立命館大学出身)、ゲインメーター1位(1375m)のWTBマロ・ツイタマ、5位(1033m)のWTBヴァレンス・テファレらがアタックを引っ張っている。
ジュビロ時代から一発勝負に強いブルーレヴズ。4位から初の決勝、そして栄冠を狙っている。
下剋上を狙うコベルコ神戸スティーラーズ、東京サントリーサンゴリアス
プレーオフ初出場となった5位のスティーラーズ(10勝8敗)は、SOブリン・ガットランド、FB松永貫汰ら個々の能力の高いタレントが揃い、リーグ3位の93トライと得点力はあるものの、失点の多さも目立った。
元オールブラックスLOブロディ・レタリック、FB李承信の2人のキャプテンの下、規律良く守って、しっかり攻撃につなげることができるかが上位進出へのポイントとなるだろう。

トライを挙げるFB李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)∸斉藤健仁撮影

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