チャンピオンシップでの宇都宮Bの戦い
5月9日(金)に開幕した”りそなグループB.LEAGUE2024-2025 POSTSEASON”。3週間に渡るトーナメントの最終章、年間王者を決めるファイナルが5月24日(土)から神奈川県の横浜アリーナで開催される。
クラブ史上最速記録で2年連続の東地区優勝を果たした”宇都宮ブレックス(以下、宇都宮B)”が、2021-22シーズン以来の4度目(B.LEAGUEでは3度目)の日本一を目指してクォーターファイナルに登場した。

東地区1位でチャンピオンシップ進出を決めた宇都宮ブレックスーJournal-ONE撮影
栃木県宇都宮市を拠点にする宇都宮Bは、強固なディフェンスとミスの少ない安定したゲーム運びが特徴。5月10日(土)、11日(日)に行われたクォーターファイナルの相手は、”シーホース三河”。2勝先取で次のステージに進むことができる中、東地区1位の宇都宮Bは第1戦目を93-81、第2戦目を89-75と10点差以上をつけてストレート勝ちを果たした。
翌週17日(土)、18日(日)のセミファイナルは ”千葉ジェッツ” との対戦。第1戦は84-67と宇都宮が大差をつけて勝利。第2戦は千葉Jが意地を見せる戦いで74-55と第1戦目とは逆に19点差をつけて勝利を収める。

迎えた千葉J戦では終盤まで緊迫した試合を繰り広げる‐Journal-ONE撮影
運命の第3戦、中盤からリードを奪った宇都宮が終盤の千葉の追い上げを振り切った。82-71で勝利した宇都宮がファイナルへの切符を掴み、年間王者を目指して5月24日(土)からシーズン最終戦・ファイナルを横浜アリーナで行う。
辛さを乗り越え、想いを一つに
接戦を勝ち切り、更にチームに勢いをつけた宇都宮B。実はこの2024-2025シーズン中にBリーグ界を哀しみに包む一報があった。2025年2月24日にヘッドコーチであるケビン・ブラスウェル氏が逝去されたというニュースだ。1月17日に心臓疾患のため緊急搬送され手術を受けたが、その後の合併症により入院しチーム離脱を余儀なくされた。
一日も早い回復を願っていた中で知らされた突然の訃報にBリーグ各チームからも追悼の意を表された。シーズン途中で指揮官との突然の別れに直面しながらも戦い抜いた宇都宮B。5月5日(月)に行われたチャンピオンシップ進出会見では、小川敦也選手が「ブレックスは昨シーズン、チャンピオンシップ1回戦で敗退し、今シーズンは辛いこともありましたが、ケビンヘッドコーチとジーコヘッドコーチが作り上げてくれたバスケットボールを体現して優勝したいです」と意気込みを話している。

ケビンHCのためにも…とクラブの団結力が増したーJournal-ONE撮影
様々な思いを背負い、ここまで戦ってきた選手たち。試合のベンチにはいつもケビンHCの写真が飾られており毎回選手たちを見守り、そして共に戦っている。悲しさを乗り越えてクウォーターファイナル、セミファイナルを勝ち抜いてきた宇都宮B。今年は勝利への執念がより一層強いものであることは間違いない。

ケビンHCの意志をジーコ・コロネルACが継いだーJournal-ONE撮影
注目選手の活躍に期待!
ついに始まるファイナルで抑えておきたい宇都宮Bの注目選手をご紹介。
まずは、背番号6番 比江島 慎選手。2013年から日本代表として戦い続けてきた比江島選手は昨年に代表引退を発表。それでも、今レギュラーシーズンのスリーポイントの成功率が44.3%とリーグ1位の成績を誇っており、若手にも負けない流石のプレーを見せている宇都宮Bのエース。セミファイナルでは大事な場面でスリーポイントを決める勝負強さで勝利に貢献。相手ディフェンスを掻い潜り放つシュートに注目したい。

比江島選手の華麗なシュートにご注目-Journal-ONE撮影
続いて背番号25番のD.J・ニュービル選手、1試合の平均得点は17.1点とチーム1、巧みなアシストも含めた高い得点力で攻撃に勢いをつかせるキーマンとなる選手。千葉Jとのセミファイナル第1戦では6本のスリーポイント、レギュラーシーズンのフィールドゴールも46.9%という安定して得点できるチームにはなくてはならない存在だ。
