連覇へ!昨年王者がプレーオフ初登場
“NTTジャパンラグビーリーグワン(以下、リーグワン)”、2024-25シーズンもいよいよクライマックスが近づいてきた。先週から始まったプレーオフトーナメントは秩父宮ラグビー場に会場を移し、セミファイナルが行われる。5月24日(土)の第1戦では昨年王者の“ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)”が登場し、最後まで勇猛果敢なプレーを演じた。
年々厳しさを増すリーグワンDIVISION1、BL東京はライバルチームたちと数々の熱戦を繰り広げ、勝ち点71(15勝2敗1分)で首位を守り切った。プレーオフトーナメントを準決勝から戦えるシード権を勝ち取り、2週間この日に向け万全の調整で臨む。
対する“コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)”は、リーグ戦5位(10勝8敗)と今シーズンに6枠に増えたプレーオフ出場枠に滑り込み。リーグワン初のプレーオフ進出を果たすと、5月17日に東大阪花園ラグビー場で開催されたクォーターファイナルで、リーグ戦4位の“静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)”を35-20で下し、準決勝の地・秩父宮ラグビー場に乗り込んできた。
リーグ戦首位のBL東京が敗戦を喫したチーム・静岡BRに勝ち切った神戸Sの意気は上がる。かつて神戸製鋼ラグビー部時代にラグビー日本選手権で7連覇した栄光を懐かしむファンも詰めかける中、リーグワン移行後初のBL東京戦勝利、そして国立競技場で行われるファイナル進出を目指してどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
互いのディフェンスが光る前半
神戸SのキックオフボールをBL東京のキャプテン・リーチマイケルがキャッチすると、BL東京のファンが陣取るスタンドからは、早くもお馴染みの「リ――チ!」という掛け声が沸き起る。

最後まで激しいアタックでファンを魅了したリーチマイケル(BL東京)-Journal-ONE撮影
しかし前半2分、敵陣22mライン付近でペナルティを得た神戸Sが、SO(スタンドオフ)ブリン・ガットランドのPG(ペナルティゴール)で先制する展開となった。
直ぐに反撃したいBL東京は7分、ハーフウェイライン付近のスクラムから、敵陣ゴール手前5mのラインアウトまで攻め込む。BL東京のトライチャンスを阻んだのは、神戸Sの鋭いタックルだった。自陣10m付近まで陣地を挽回すると、ラインアウトから出たボールをFL(フランカー)ヴィリー・ポトヒエッターがインターセプトし、一気にBL東京陣内に攻め込んだ神戸Sだったが、BL東京のディフェンスが素早いチャージでチャンスを潰した。
今度は11分、自陣25m付近からボールを奪ったBL東京が反撃。フィフティトゥエンティトゥキックで一気に神戸Sゴールライン手前のラインアウトを獲得すると、そこからアタックを重ね、最後はFLの佐々木剛が飛び込んでトライ。BL東京が逆転かと思われたが、TMOでラインアウトのボールをキープする際にペナルティがあったと判定されてトライキャンセルとなる。
これでボールを渡したBL東京だったが、直後の13分。ゴール手前10mから再びアタックを重ねると、CTB(センター)ロブ・トンプソンがゴールポスト下に飛び込んでトライ。SO(スタンドオフ)リッチー・モウンガのG(ゴールキック)も決まって7-3と逆転に成功した。

ロブ・トンプソンのトライで逆転したBL東京-Journal-ONE撮影
勢い付くBL東京は、トンプソンの破壊力抜群のアタック、モウンガの多彩なフェイントからの抜け出しで徐々にゴールラインへ向かってボールを進めていくと、神戸Sはたまらずノーボールタックル。
18分にゴール前5mからのラインアウトで再びトライを目指したBL東京だったが、神戸Sの懸命なディフェンスでヘルドアップ。ボールを地面につけさせずにボールを取り返した。
20分過ぎからは神戸Sが反撃。BL東京陣内10m付近での攻防が続き、スクラムからボールを進めて右サイドラインいっぱいにトライをと飛び込む。しかし、今度はBL東京ディフェンスがサイドライン外へタックルで押し出してトライを許さない。
その後もBL東京陣内での攻撃が続く展開。神戸S攻撃からペナルティを誘い、一瞬のパスミスからキックで一気にゴールラインにボールが転がすBL東京のそつの無いアタックもあったが、トライ直前で何度も押し返した神戸S。

トライ寸前で押し返すS神戸のディフェンス-Journal-ONE撮影