第14回女子アジアカップ
様々な競技で活躍する日本代表チーム。世界の強豪国としのぎを削りあう競技スポーツの舞台において、世界トップレベルを長きにわたって維持している競技は非常に珍しい。
その一つとして知られているのが、“女子ソフトボール”。2008年の北京オリンピックから2021年の東京オリンピックまで足掛け13年金メダルを保持し続けている女子ソフトボール日本代表は、3年後に控えた2028年ロサンゼルスオリンピックで3大会連続の金メダル獲得という「偉業」に挑戦している。

群馬県の宇津木スタジアムにある三連覇を目指すパネル-Journal-ONE撮影
その金メダル獲得に重要な大会のひとつが、2025年7月14日(~20日)に中国・西安で開催される“The 2025 Women’s Softball Asia Cup(第14回女子アジアカップ)”。この大会は、“WBSC Women’s Baseball World Cup 2026(以下、ワールドカップ)”のグループステージへ出場するためのアジア予選に位置付けられおり、にあたる重要な大会となっており、2024年のワールドカップを制した日本代表の二連覇へ向けての重要な船出となる。

アジアカップに臨む日本代表の選手たち-Journal-ONE撮影
ロス五輪前に弾みを付ける
アジアカップ開催を前に、嬉しいニュースが飛び込んできた。2025年6月27日から(7月6日まで)イタリアで開催されていた“WBSC U-15 Women’s Softball World Cup 2025”に出場していた時代のトップを担う妹分・GEM2(U15)日本代表が順調に予選リーグを勝ち続け、オープニングラウンド(予選)、スーパーラウンド、ファイナルと全勝で優勝を果たしたのだ。
このニュースは、トップ日本代表はもちろん、9月27日(~10月2日)にアメリカ・オクラホマシティで開催される“WBSC U-18 Women’s Softball World Cup 2025 – Finals(第15回女子U18ワールドカップ ファイナル)”に出場するGEM3(U18)日本代表にも勢いを付ける大きなニュースとなった。
こういった未来の日本代表を担う若者たちの活躍に加え、今回のアジアカップではロサンゼルスオリンピックの代表選考に一石を投じるべく、世界最高峰の国内ソフトボールリーグ“JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”で結果を残した若手選手4名を初招集。オリンピック三連覇をより確実にするため、トップ日本代表の底上げを図りつつ結果も出すという困難なミッションに臨む。

アジアカップ日本代表は下線入りの3選手が初招集となった‐Journal-ONE
若い選手に期待を寄せるスタッフ
アジアカップを前に、群馬県高崎市で強化合宿を行っている日本代表は、7月3日と4日にオーストラリア代表と強化試合を実施するなど準備に余念がない。
「ロス五輪での金メダル獲得に向けては、戦術や戦略のバリエーションを増やすために若手選手たちの活躍は欠かせない。今回JDリーグで活躍している3選手を初招集したが、これからも試行を重ねながら最強のチームを作っていきたい」と話す矢端信介ハイパフォーマンスディレクター。

会見でアジアカップへの抱負を語る宇津木麗華日本代表監督-Journal-ONE撮影
「1999年生まれ以降の選手たちを中心とした今回のチームは、凄く良い雰囲気で合宿を過ごしている。ロサンゼルスオリンピックはもちろん、その次のオリンピック(2032年のブリスベン大会)も金メダルを狙えるようなチーム編成が重要になると思う」と、宇津木麗華監督も今回招集された若手選手たちの飛躍に期待を寄せていた。
勝つことが義務付けられる女子ソフトボール日本代表だが、「アジア各国のレベルは全てがハイレベルというわけではないので、比較的余裕を持って臨めるのではないか」と宇津木監督。JDリーグで高いパフォーマンスを発揮している初招集の選手たちであれば、アジアカップでの活躍は想像に難くないと話していた。

宇津木麗華監督に指示を仰ぐアジアカップ日本代表-Journal-ONE撮影
