アジアカップ7大会連続9回目の優勝
7月14日から7月20日の7日間、中国・西安で開催されていた“第14回女子ソフトボールアジアカップ”において、女子ソフトボール日本代表が7大会連続9回目の優勝を果たした。
日本をはじめ10ヶ国が参加し、総当たり戦で行われた予選ラウンドを9戦全勝で勝ち抜けた女子ソフトボール日本代表。最終日の7月20日、8勝1敗で2位に付けていた中国との決勝戦が雨天中止になり、予選順位の結果で優勝となった。
“2028年ロサンゼルスオリンピック”まで3年あるとは言え、北京オリンピック、東京オリンピックに続く3大会連続金メダル獲得を目指す女子ソフトボール日本代表にとって、非常に大きな大会であった今回のアジアカップ。この大会を制したことには大きな意味がある。

アジアカップで優勝を果たした日本代表の選手たち-Journal-ONE撮影
オリンピックの新ヒロイン候補が躍動
今回のアジアカップではロサンゼルスオリンピックの代表選考にも大きな役割を果たす大会となった。
東京オリンピックで金メダルを獲得した選手たちの多くが一戦を退く中、女子ソフトボール日本代表の世代交代、様々な戦略・戦術に対応できるチームの底上げを図るべく、若手選手中心のメンバー構成となった。
中でも注目は、世界最高峰の国内ソフトボールリーグ“JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”で結果を残した若手選手3名を初招集だ。オリンピック三連覇に向け、期待の若手JDリーガーたちが期待以上の結果を残したアジアカップとなった。

アジアカップ日本代表は下線入りの3選手が初招集となった‐Journal-ONE
開幕戦ノーヒッターが大会初登板でもノーヒットノーラン
先ずは初戦となった7月14日のマレーシア戦。初回から6得点を奪った女子ソフトボール日本代表は、結果9安打を放ち10得点。
投げてはTOP代表初選出となった増田侑希投手(戸田中央メディックス埼玉)から、昨シーズンJDリーグの東地区優勝に獅子奮迅の活躍を見せた坂本実桜投手(日立サンディーバ)へと繋ぐ「ノーヒットノーラン継投」で勝利を飾る。

開幕ゲームで好投を見せた増田(戸田中央)‐Journal-ONE撮影
すると、続く7月15日のシンガポール戦では、JDリーグの今季開幕戦でノーヒットノーランを飾った勝股美咲投手(ビックカメラ高崎ビークイーン)が、その開幕戦を思い起こすような力投を見せた。
コールドゲームで参考記録ではあるが、4イニングスを投げて打者12人に無安打無四球、奪三振10というパーフェクトゲームでシンガポール代表を圧倒。打線は5安打と少し物足りない数字ではあったが、安打数を上回る9つの四死球を選び、しっかりと得点に結びつけ、2回までに10得点を挙げる猛攻を見せた。

4回をパーフェクトに抑えた勝股(ビックカメラ高崎)‐Journal-ONE撮影
この日は、近年実力を着けてきたフィリピンとのダブルヘッダー。満を持して登板した日本のエース・後藤希友投手(戸田中央)が、4回に今大会チーム初となる1点を献上するも5回途中まで力投。
チーム最年少でTOP代表初選出の笠原朱里選手(日立)、後藤投手と並び日本代表の顔となった切石結女選手(トヨタレッドテリアーズ)の本塁打を含む16安打9得点で6回コールド勝ちでフィリピンを下して開幕3連勝を飾った。

東京五輪以降、日本代表の”顔”となった切石(トヨタ)‐Journal-ONE撮影
強豪相手にサヨナラ勝ちで波に乗る
翌7月16日に行われた女子ソフトボール日本代表4戦目の相手は、強豪のチャイニーズタイペイ。初回から互いに走者を出し合う予想外の試合展開は、最終回に劇的なドラマが待っていた。
先発は、初戦のマレーシア戦で3回をパーフェクトに抑えた増田投手だった。昨シーズンのJDリーグ東地区で最多勝利投手賞を獲得し、今シーズンも東地区で唯一の防御率0点台(0.64)と抜群の安定感を買われ、この重要な一戦の先発マウンドに上がる。