8月10日(日)はサッカー界にとって、印象深い一日になりそうだ。この日、大田区総合体育館(東京都)にて本田 圭佑氏が発起人を務める4人制サッカー・4v4(フォーブイフォー)初の国際大会「TOYOTA Presents, 4v4 ASIAN CUP 2024-25」が開催される。日本を含むアジア10の国と地域からU11(11歳以下)カテゴリーの選手たちが代表チームとして出場し、初代チャンピオンを目指す。
何度でも「挑戦する」大切さを説く
4v4の歴史をひも解くと、始まりは2023年8月にさかのぼる。元日本代表で、プロサッカー選手の本田氏が発起人となり、育成年代向けに4対4の新しいサッカーを開発して、U10カテゴリー向けに大会を立ち上げた。2024年にはU12カテゴリーを新設して、年間優勝チームを決める「4v4 JAPAN CUP 2024 RESPECT YOU, au」には、公益財団法人日本サッカー協会も後援。大会を主催するNow Do株式会社によると、昨年までにU10・U12カテゴリー合わせて12,000人以上が選手登録をしたという。

新しい形で子供たちの夢を作った本田 圭佑氏‐Journal-ONE
本田氏は、4v4を語るメッセージとして「負けるな。勝て。もっと上を目指せ。何度でも挑戦しろ。」と説き、競技設計もそれができる仕組みに。4月から11月までのシーズンでは全国各地で大会が開催され、戦績に応じて獲得できるポイントを積み上げることで、12月のJAPAN CUPへ道が開かれるほか、シーズン後半にある上位大会を制することでもその出場権を獲得できる。
チャレンジできるルール設計。攻撃時間は20秒!
そしてルール設計を見てもチャレンジを促している。チームは4人のフィールドプレイヤー(うち1人はゴールプレイヤー)と最大2名のサブで構成され、1試合は10分一本勝負。攻撃時間は20秒以内と制限されているため、よりオフェンスシブな展開が求められる。また、得点システムも相手陣地からのゴールは2点だが、ペナルティエリア内からのゴールは3点が入る。ゴール前での駆け引きは、競技の見どころである。
さらに、11人制サッカーと一線を画すのが、監督・コーチ禁止のルールである。試合中いつでも選手交代できるが、4v4ではベンチメンバー2名以外のスタッフはピッチに入ることができないため、交代やタイムアウトの判断は常に選手たちが担う。技術力だけでなく、状況判断や言語化する力も求められるのだ。昨年12月のJAPAN CUPで、優勝チームと歴代の日本代表選手が対戦するスペシャルマッチへ出場した三浦 知良も、囲み取材に応じた際に「子どものころに自分で判断して、決断してピッチの上で全力を尽くす、プレーすることはとても大事なことだと思うんです。そういう習慣がついてれば、大人になったときでも、自己判断ができる。これはサッカーだけではなくて、人生において非常にプラスになるのではないかなと思います」と語っていた。

試合に大人は一切関与しないところが選手としての成長を生むーJournal-ONE撮影
立ち上げ3年目で初のアジアンカップ開催へ
そんな4v4は立ち上げ3年目にして、ついにアジアNo.1決定戦を開催するに至った。昨冬のJAPAN CUPで本田氏は今大会に向けて「来年(2025)の夏にやりたいという強い希望を持って約10カ国ぐらいの国で年明けから代表チームを決めていくというようなプランで動いております。まだ何も決まっていないのでしっかりやれるように(取り組みたい)。運営チームはきょう頑張ってくれましたが、終わりが来た瞬間にまた始まりみたいなところがある大会ですので、気を引き締めてやっていきたいと思ってます」と話していた。
そしてその言葉通り、アジアの10の地域と国から4v4の次世代たちがやってくる。日本からは昨冬のJAPAN CUPのU10カテゴリーを制したGAMERが出場へ。試合終盤の劣勢から同点に追いつき、サドンデスのペナルティキック戦を制して今大会への出場権をつかんだ粘り強さを大一番でも発揮したい。さらにSiem Reap United(カンボジア)、上大附小麟盟(中国)、ZUVI SPORTS(台湾)、BOAS FC(香港)、Charet’s Kab Bandung Jabar FC(インドネシア)、WINNERs(韓国)、MAKATI FOOTBALL CLUB(フィリピン)、Hart United(シンガポール)、LUCXY BOYS(タイ)といった各国の代表チームが来日する。

≫「X」アカウント
https://x.com/Words_Motion
[写真]=Nobuhiro Fukami