第10回を迎える女子ラグビーワールドカップ
8月22日(金)、イングランドで”女子ラグビーワールドカップ”(W杯)が開幕する。男子に遅れること4年、1991年に第1回大会が開かれて、今年で10回目を数える。”サクラフィフティーン”こと、女子ラグビー日本代表(世界ランキング11位)は、3大会連続6回目の出場となる。
なお、第1回大会はアメリカ代表(世界ランク9位)が優勝したが、その後は優勝2回のイングランド代表(1位)と、前回大会も含めて優勝6回のニュージーランド代表(同3位)が優勝を分け合っており、今大会も両国が優勝候補の最右翼。そこにカナダ代表(2位)、フランス代表(4位)が続く形だ。
前回大会まで12チームの参加だったが、今大会から16チームが参加し、4チーム×4プールで予選プールが行われる。そして予選プールの上位各2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出し、優勝を争う。すでにチケットは30万枚以上売れており、9月27日(日)に行われる3位決定戦と決勝は、ラグビーの聖地”トゥイッケナム”で開催される。

ワールドカップに挑むサクラフィフティーン-斉藤健仁撮影
初の決勝トーナメント進出を目指すサクラフィフティーン
女子日本代表は過去5大会に出場し、3勝17敗と大きく負け越し。コロナ禍の影響で3年前の2021年に開催された前回大会も、予選プールで3敗してしまったように、一度も決勝トーナメントに出場したことはない。
だが、今大会はカナダ代表HO(フッカー)として、ワールドカップ出場経験のある”レスリー・マッケンジー”HC(ヘッドコーチ)が2019年から指導しており、マッケンジー体制で2大会目を迎える。

日本代表を率いて2度目W杯出場となるマッケンジーHC-斉藤健仁撮影
前回大会からの一貫性、指導体制、そして海外ツアーの経験や合宿日数などを考慮すると、4月に敵地で、史上初めてアメリカ代表に勝利したことが証明しているように、過去の大会と比べても、最強のサクラフィフティーンとして臨むことは間違いない。
大会前、国内最後のテストマッチとして、スペイン代表(世界ランク13位)から連勝を飾った翌日の7月27日(日)、ワールドカップに臨む女子日本代表のスコッド32名(FW:18名、BK:14名)が発表された。
マッケンジーHCは「競争力があり、フィジカルでポジティブなグループ。チームとしても個人としても、それぞれがチャレンジングな環境に行き、お互いにライバル争いを熾烈にしていくといった環境を築き上げてきた。HCとしてはとても悩ましい問題だったが、メンバー選考は素晴らしい結果になっている」と自信をのぞかせた。
ベテラン、初出場とバランスの取れた構成
スコッド32名の構成を見てみると、ワールドカップ経験者が20名、大学生4名を含む初出場選手が12名とバランスの取れたメンバー構成となった。

3度目の出場となる長田キャプテン-斉藤健仁撮影
FL(フランカー)”長田いろは”キャプテンを筆頭に3大会連続出場が4名。メンバー最多49キャップでキャプテン経験のあるNO8(ナンバーエイト)”齊藤聖奈”、2017年大会のベスト15を受賞したSH(スクラムハーフ)”津久井萌”、イングランドでのプレー経験のあるSO(スタンドオフ)”山本実”が選出された。

レンジーとNO8齊藤聖奈-斉藤健仁撮影

スペイン代表戦でのSH津久井-斉藤健仁撮影
LO(ロック)”櫻井綾乃”は2017年大会と今大会の出場となったが、チームの中軸となる15名が2022年の前回大会に引き続き、今大会も選出された。初選出で最年少は大学3年生のPR(プロップ)”町田美陽”、WTB(ウィング)”松村美咲”の2人となった。
また、7人制ラグビーでオリンピックの経験があるのは、ともに父を日本代表に持つ、CTB(センター)”弘津悠”、WTB/FB(フルバック)”松田凛日”の2人だ。なお、松田は2022年のワールドカップ、2024年のパリ五輪(7人制)、そして今大会と3大会連続で女子ラグビーの国際舞台を踏む。

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