充実した大学生活の集大成を
「明治大学女子硬式野球クラブに入ったことで、大学生活がとても充実したものになりました」と話すのは、主将の若杉紗良選手(法4年・立川高)。

やりたかった硬式野球で充実した大学生活を送る明大・若杉主将-Journal-ONE撮影
藤﨑監督と同じく女子硬式野球クラブ立ち上げメンバーである若杉選手は、「中学でテニス部、高校でハンドボール部に所属していましたが、3つ上の兄の影響で、ずっと私も野球をやりたいと思っていました」と、大学で野球を始めた経緯を教えてくれた。
「硬式野球用のバットは900グラム以上あるので、それを振り切れるようになるまで苦労しました。今日は女子野球の歴史に残る一戦を心から楽しみたいです!」と笑顔いっぱい、グラウンドに掛け出していった。

元気にフィールドを駆ける明大の主将・若杉-Journal-ONE撮影
第1回 早明戦がプレーボール!
いよい記念すべき第1回の早明戦が始まった。試合前には開会セレモニーが行われ、両校の校歌が斉唱されるなど東京六大学野球ならではの雰囲気になる中、高らかにプレーボールのコールが宣言された。

両校の校歌斉唱で早明戦のムードは高まる‐Journal-ONE撮影
記念すべき第1回 早明戦は、明治大学の攻撃から始まる。右前安打で出塁した加藤結子選手(農2年・愛知淑徳高)を一塁に置き、2番・副将の松本麻代選手(農3年・椙山女学園高)が右中間最深部に運ぶランニング本塁打。女子野球早明戦の記念すべき初得点を挙げた明治大学が、幸先良く2点を先制した。

明大の副将・松本は本塁打を含む複数安打で活躍-Journal-ONE撮影
続く3番・大川桜奈選手(総合数理学部3年・国府台女子学院高)も四球を選び、追加点の流れかと思われた。しかし、「中高とソフトボールをしていたが、野球がやりたかった」と話していた早稲田大学のエース・木田遥子投手(スポ4年・大妻中野高)が後続を三者三振に切って取りピンチを凌いだ。
2点を先制した明治大学のマウンドには、1年生の柴田優衣投手(商1年・本荘高)が上がる。実は柴田投手、明治大学に女子硬式野球部があると知り、進路を変えて猛勉強の末に明治大学入学を果たした選手なのだ。ゆったりとした間合いから、長い手足を鞭のようにしならせて快速球を投げ込む様は、同じ東北出身の岸孝之(東北楽天ゴールデンイーグルス)を思い起こさせる。

楽天・岸を彷彿させる柔らかいフォームの明大の先発・柴田-Journal-ONE撮影
先制された直後の早稲田大学も、柴田投手の速球にアジャスト。1番の保田美結選手が安打で出塁すると、続く2番・槇あずみ選手がライトオーバーの適時三塁打を放ち1点を返した。

早大も槇の適時打ですぐさま反撃-Journal-ONE撮影
早明戦に相応しい“意地とプライドの激突”
点差を詰められた2回表、明治大学はこの回先頭の小室瑶紗(はるさ)選手(総合数理学部2年・明大八王子高)がセンターの頭上を越えるランニング本塁打を放ち、すぐに1点を突き放す。ここまで、自慢の長打力を見せ付ける明治大学は、2死からも1番・加藤選手がライトへ特大の飛球を放った。しかし、これは早稲田大学のライト・山田理紗選手が好捕し1失点でこの回を凌ぐ。

仲間に声援を送る明大ベンチの選手たち-Journal-ONE撮影
するとその裏、早稲田大学は無死二塁と反撃のチャンスを作ると、7番・武内深央選手が投前に絶妙に犠打。これを勢いよくマウンドから駆け下りた柴田投手が三塁へ送球。タイミングはアウトだったが、この送球が逸れる間に二塁走者が生還して早稲田大学も1点を返した。
