東大-早大 1回戦
東京六大学野球秋季リーグ戦(リーグ戦)が開幕。4季連続優勝を狙う早大は初戦で東大と激突した。初回に2点本塁打で先制されるなど、なかなかリードを奪えない苦しい展開が続くも伊藤樹(スポ4=宮城・仙台育英)の粘投で試合は同点のまま終盤へともつれ込んだ。8回に石郷岡大成(社4=東京・早実)のタイムリーヒット、吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)の2点本塁打で3点を勝ち越し、東大に辛勝した。

先発し、通算20勝目を挙げた伊藤樹-早稲田スポーツ撮影
盤石な布陣で臨んだ開幕戦は思わぬ形で幕を開けた。早大のマウンドに上がったのは絶対的エース・伊藤樹。先頭打者を打ち取るも、2番・酒井捷(東大4年)にセンター前ヒットを打たれ出塁を許す。すると続く杉浦海大(東大4年)への2球目、甘く入ったボールを完璧に捉えられ、打球はレフトスタンドへ。初回から2点を失う苦しい立ち上がりとなった。
2点を追う1回裏、早大の切り込み隊長・尾瀬雄大(スポ4=東京・帝京)がセンター前ヒットで出塁する。しかし渋谷泰生(スポ4=静岡)がバントを打ち上げてしまいランナーを進めることはできず。続く小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)の打席で尾瀬が盗塁を決め1死二塁とすると、小澤主将は四球を選び一、二塁で4番・寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)に打席が回る。寺尾への初球でも尾瀬が相手バッテリーの意表をつく三盗を決め、チャンスを広げる。寺尾は2ボールからの3球目に上手く合わせライトへの浅いフライを飛ばすと、これが犠牲フライとなり1点を返した。さらに2回には、前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)にソロ本塁打が飛び出し同点に追いついた。

2回にソロ本塁打を放った前田健伸副将-早稲田スポーツ撮影
先発・伊藤樹は初回こそ失点したものの、2回から4回まではランナーを1人も許さない投球で味方の援護を待つ。一方打線も東大先発・渡辺向輝(東大4年)を打ち崩すことができず、ランナーを出しながらも得点できない展開が続いた。
再び試合が動いたのは5回表、ファーストを守る前田のエラーで出塁したランナーをけん制悪送球の間に二塁に進めてしまい、無死二塁のピンチを招く。後続を打ち取り2死三塁とするが、9番・樋口航介(東大2年)にレフトオーバーの適時二塁打を打たれ、勝ち越しを許した。
しかしその裏、先頭の尾瀬が死球で3打席連続の出塁をすると、渋谷の内野ゴロと相手バッテリーのミスの間に三塁へ進塁。続く小澤主将がセンターへの犠牲フライを放ち再び試合を振り出しに戻した。

8回に2点本塁打を放った吉田瑞樹副将-早稲田スポーツ撮影
両者一歩も譲らぬまま迎えた8回裏、1アウトから前田健副将がヒットで出塁し送りバントで二塁へ。2死二塁のチャンスで、打席にはこの日まだヒットがない石郷岡が入る。渡辺の3球目をはじき返した打球はレフト線を破る適時三塁打となり、早大はこの日初めてリードを奪った。さらに、吉田瑞副将に左中間への2点本塁打が飛び出し、3点リードで最終回へ。
伊藤樹に代わりマウンドに立った田和廉(教4=東京・早実)、香西一希(スポ3=福岡・九州国際大付)が試合をきっちり締め、リーグ戦初戦をなんとか勝ち切った。

9回2死から登板した香西。この日が復帰登板となった-早稲田スポーツ撮影
4季連続優勝を目指し、夏にさらなる成長を遂げて迎えた今季。苦しい試合展開ではあったが、初戦を制したことは大きな収穫となった。続く東大2回戦も勝利し、勝ち点1を獲得して好スタートを切りたい。
試合後コメント-石郷岡大成(社4=東京・早実)

8回に勝ち越しの適時三塁打を放った石郷岡大成-早稲田スポーツ撮影
――試合を振り返って
なかなかこちらの展開に持ち込むことはできませんでしたが、なんとか粘って最後に勝ち切れたことは、初戦で難しい部分がある中では良かったと思います。
――難しさがあった
プレッシャー等で思い込むことはなかったですが、渡辺投手(向輝、東大4年)はすごくいいピッチャーだったので、こっちのリズムに持っていくことが難しかったです。
――7回に飛球で三者凡退。その後の8回に勝ち越しました

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