ソフトボールで静岡を元気に!
北京オリンピック、東京オリンピックと2大会連続金メダルを獲得している女子ソフトボール日本代表。その選手たちがプレーする“JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”は現在、全国16チームが東西に分かれてのリーグ戦真っただ中。

JDリーグ戦での木村友奏選手(NEC)のパフォーマンス-Journal-ONE撮影
JDリーグにおいて世界のトップレベルのパフォーマンスを見せる選手たちだが、実は社会貢献活動にもハイレベルなパフォーマンスを見せてくれていることをご存じだろうか。
静岡県唯一、JDリーグに所属するチーム“NECプラットフォームズレッドファルコンズ”は、シーズンの合間を活かした地元高校生たちを集めたソフトボール・セッションをこの冬に初めて開催(静岡ドリームセッション)。

NECの4選手が高校生と交流した静岡ドリームセッション‐Journal-ONE撮影
静岡市にある城南静岡高校のグラウンドに、城南静岡高校、静岡順心高校、駿河総合高校の選手と保護者の方々が集まった静岡ドリームセッションでは、技術指導に加えて交流ランチと質問タイムまでを設けて丸一日を費やした。

藤枝順心高OGの山本すみれ投手も高校生との交流に汗を流した‐Journal-ONE撮影
また、NECプラットフォームズレッドファルコンズはソフトボールでの地域活性化に留まらず、地元・観光施設を訪れてその魅力を紹介。リーグ戦観戦のついでに県外から来る多くのファンに地元の観光も楽しんでもらおうと、凛々しいユニフォームから一転!スタイリッシュな私服を披露してファンを楽しませている。

地元の抹茶カフェを紹介する清原選手と原選手-Journal-ONE撮影
地元の老舗メーカーが高校生を後押し
1月に行われた静岡ドリームセッションから半年余り、まだ猛暑残る9月上旬の掛川市いこいの広場野球場。NECプラットフォームズレッドファルコンズが主催するJDリーグ第11節で、再び高校生たちとの交流が実現した。
後押ししたのは、静岡市に本社を構える1917年創業の金属加工メーカー“岸本工業株式会社”。「地域で頑張る女子高校生の部活動を応援したい」と、冬に続いてNECプラットフォームズレッドファルコンズ応援ツアーに加え、すぐ隣にある多目的グラウンドでの“ドリームマッチ”を企画。
午後1時から始まる、NECプラットフォームズレッドファルコンズの試合を前に、多目的グラウンドで開催されたドリームマッチでは、藤枝順心高校と駿河総合高校の一戦が行われた。しかし、駿河総合高校側のベンチには、日本大学三島高校、富士宮東高校、星陵高校の選手たちの姿も見える。

支援した岸本工業の横断幕をバックに熱戦が繰り広げられた-Journal-ONE撮影
逆境を楽しむ合同チームの選手たち
「夏の新チームから部員が9人に届かず、日大三島高校と富士宮東高校、星陵高校との合同のチームとなりました」と教えてくれたのは、駿河総合高校の山田監督。JDリーグにOGを輩出しているソフトボール強豪校の駿河総合高校だが、「年々、静岡県中部のソフトボールをする子供たちが減ってきている」と危機感をあらわにする。

ピンチでも笑顔の駿河総合・日大三島・富士宮東・星陵連合チーム‐Journal-ONE撮影
前日まで降り続いた大雨の影響で、朝のグラウンドはところどころ水が浮いている悪コンディション。しかし、選手たちは積極的に水取りや整備に精を出していた。そして、その笑顔は試合でも絶えることなく、ピンチでマウンドに集まる場面でも選手たちは楽しそうに作戦会議を行っていた。円陣が解けた後に選手同士でハイタッチする場面では、まだ遠慮がちな一面も見られたが、それも日を重ねるごとに解消されていくだろう。
「野球部のマネージャーを考えていたのですが、身体を動かしたいなと思いソフトボール部に入りました」と話してくれた、駿河総合高校のエース左腕。長身を活かして身体いっぱい使って投げ込む躍動感あるフォームは、日本代表のエース・後藤希友投手を彷彿させる。