四国を元気に!高知編 物部川エリアに行こう!

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日本学生選抜(黒)も大きく存在感を示した(写真は香港大学戦)ーJournal-ONE撮影

そしてフィナーレとなった決勝では、デ・ラサール大学と高麗大学が激突。奇しくも2年連続同じ対戦カードに。試合は高麗大学が1クォーターから31-16とスタートダッシュに成功して、主導権を握った。固いディフェンスから素早いオフェンスを展開し、ドライブや3ポイントシュートを高確率で射抜く。後半は相手に点差を詰められる場面があったものの、最終スコアは95-85でファイナルブザーがなった。表彰式ではトロフィーを掲げて、初優勝の歓喜に沸く選手たちの姿が印象的だった。

司令塔のムンがMVPに…「僕にとって幸運な大会」

見事MVP選ばれたムン・ヨヒョン選手の表彰の様子-HIROYUKI OHASHI

大会MVPには、高麗大学のムン・ヨヒョン(#24)が選ばれた。決勝では出場時間わずか9分42秒で、3本の3ポイントシュートを含む21得点の活躍でチームをけん引。ムンは「MVPを獲れたことは、周りの選手にちょっと申し訳ない気持ちがあります。周りの選手がよくやってくれたおかげで、今日の試合も勝つことができましたし、監督やコーチの方々にいろいろとサポートしていただいたおかげで、優勝することができました。そこが嬉しく思ってます」とやや控えめに優勝と自身の勲章獲得を語った。

ムンは現在、高麗大学の3年生。スポーツや栄養学などを学ぶ「体育教育」を専攻しているという。バスケットボール選手としては身長こそ181cmと小柄であるが、ガードとして攻守両面で欠かせない存在感を放つ。果敢なドライブを仕掛け、決勝では要所で3ポイントシュートをヒットさせてライバルに流れを渡さない勝負強さも発揮した。昨年のWUBSではベストディフェンダー賞にも選出されただけあって、好守も光る。

練習の成果をしっかり見せつけ、チームを優勝に導いたムン選手-Journal-ONE撮影

そんな頼りになる彼だが、練習はこっそりとやるタイプのようだ。「自主練習をする時は、YouTubeでいろいろな選手のプレーを見てやっています。自分は堂々とみんなの前で練習するのが、あまり好きなタイプではないんです。実は隠れてしっかりとやってます」と明かす。NBAシカゴ・ブルズの河村勇輝も好きな選手の一人のようで、ムンは「勇輝は本当にかっこいいですね!しっかり見て勉強しています」と語った。

2度目の出場でWUBSの頂点に立ったムン。アジアの同世代がしのぎを削る大会については「この大会はすごく良いきっかけであり、機会を与えてくれるようなイメージを持っています。昨年もベストディフェンダー賞を取れて、今年もMVPを取れました。僕にとって幸運な大会だと思っています」と表現。この大会を弾みに、さらなる活躍を期待するばかりだ。

一方で、2連覇こそ逃したデ・ラサール大学だったが、マイケル・クリストファー・ロビンソンHCは、結果を前向きに受け止めた。ミックスゾーンで「本当に私たちにとって良い経験でした。このチャレンジングな状況は、私たちをより良いチームにしてくれるでしょう。今回チャンピオンとなった高麗大学と試合ができたことをとても嬉しく思いますし、彼らからチームとしてより良くなる方法を多くのことを学びました。勝利も敗北も、今後の私たちにとって有益なものになるでしょう」とコメント。来夏のWUBS参加にも意欲を見せて「絶対に参加します。そのためには、UAAP(=フィリピン国内の大学のトーナメント)で優勝することが必要です。それが私たちの目標であり、再びフィリピンを代表してここに来る機会を得られることを願っています」と語って会場を後にした。

試合中に指揮を執るマイケル・クリストファー・ロビンソンHC-Journal-ONE撮影

アジアバスケットボール界の明るい未来

アジアのバスケットボールが国を超えて行き来が活発化している昨今。きっとWUBSで活躍したムンのような選手たちも将来的にはより高みへ羽ばたいていくだろう。彼はいまのBリーグやBCL Asia、EASLなど活気を帯びるアジアのバスケットボールシーンについて「本当に良い流れだと思ってます。自分にとってプラスしかないと思ってますので、もし良いタイミングでオファーがあれば、Bリーグももちろん行きたい」と話すほど。大いに刺激を与えている。

■記者プロフィール
大橋 裕之
WordsMotionという屋号でライター・編集者。バスケットボールが多め。アーバンスポーツの3x3バスケをはじめ、BリーグやDリーグを取材するほか、スタートアップ領域や新規事業領域のビジネス系インタビューも実績あり。企画も考え、コンテンツ制作に伴走します。

≫「X」アカウント
https://x.com/Words_Motion

[写真]=Nobuhiro Fukami
取材・文:
大橋 裕之( )
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