Bリーグの2025-26シーズンが開幕する。今シーズンは、2016-17シーズンのリーグ開幕から数えて10シーズン目。愛知県では2021-22シーズンにファイティングイーグルス名古屋がB1昇格を決めたことで、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、シーホース三河、三遠ネオフェニックスを含めた4チームが、国内トップリーグに所属する地域となった。新アリーナの開業・建設計画も立ち上がり、2026年秋には「第20回アジア競技大会」という国際大会も控えるなど、広くスポーツにおいても注目されている。そんなエリアに拠点を置く4チームを紹介したい。今回は愛知県刈谷市が本拠地のシーホース三河である。
リッチマンHC体制で2季連続のCS進出
シーホース三河は昨シーズン、レギュラーシーズンで39勝21敗の結果を残して中地区3位、ワイルドカード下位からチャンピオンシップ(CS)に進出。クォーターファイナルで宇都宮ブレックスに2敗してシーズンを終えたが、ライアン・リッチマンヘッドコーチ(HC)体制で2季連続のポストシーズンへ駒を進めた。2022-23シーズンに中地区5位に低迷したチームは、着実に復活しつつある。
チームの強みは組織的なチームバスケットだろう。平均出場時間で10分以上を記録した選手が10名を数え、フィールドゴール成功率はB1で4番目に高い46.2%を記録。平均得点は81.7点(B1:24チーム中8位)、平均失点も76.0点(同7位)と攻防両面で堅実さが光る。

ダバンテ・ガードナー選手の得点力に期待-Journal-ONE撮影
チームの要・ダバンテ・ガードナー(#54/PF・C/203cm)は、平均15.7得点、同5.8リバウンドをマーク。B1史上初の個人通算10,000得点も達成した。西田優大(#19/SG・SF/190cm)は、日本人選手として最長の平均24分41秒の出場時間でチームを引っ張り、移籍1年目のシューター・須田侑太郎(#13/SG・SF/190cm)や、司令塔・久保田義章(#11/PG/175cm)の存在も大きかった。
新戦力は長距離砲が光るトーマス・ケネディ
そして今シーズンはリッチマンHC体制3シーズン目を迎える。ガードナーを筆頭に昨シーズンの主力がほぼ維持され、キャプテンは須田、西田優大、石井講祐(#27/SG/182cm)の3名が務める。開幕前にシェーファーアヴィ幸樹(#32/C/206cm)の負傷離脱が発表されたが、全員でカバーしたいところ。シーホース三河U15の創設メンバーである平寿哉(#9/PG/176cm)は、今シーズンよりU22枠契約を結び、地元での活躍が期待される。

キャプテンの須田侑太郎選手がチームを引っ張るーJournal-ONE撮影
一方で、新加入選手の目玉はトーマス・ケネディ(#1/SF・PF/201cm)だろう。38歳の経験豊富な帰化選手は、長距離砲やマッチアップを判断して有利とあらばポストアップからゴールを奪うプレーも光る。アーロン・ホワイト(#30/C・PF/206cm)も昨シーズンは富山グラウジーズで平均17.1得点、同7.5リバウンドを記録する高いパフォーマンスを見せている。
前哨戦で2敗も「負けた部分からも学んでいける」
ただ、シーズンの前哨戦となった「AICHI CENTRAL CUP 2025」を振り返ると、2戦2敗で勝ち星を挙げられない結果に。初戦でファイティングイーグルス名古屋に67-91で敗れ、3位決定戦では名古屋ダイヤモンドドルフィンズに83-84で惜敗。ガードナーを中心に西田や須田、ジェイク・レイマン(#10/SF・PF/206cm)が3ポイントシュートを射抜き、ケネディも攻撃の起点になるなど主導権を握った時間帯もあったが、土壇場で決勝点を許してしまった。
もっとも、チームとしては結果を前向きに受け止めている。リッチマンHCはチームのホームページを通じて「これからシーズンを通して戦っていくなかで、勝ったり負けたりすることはありますが、その負けた部分からも学んでいけるようにしたいと考えています」とコメント。名古屋D戦ではプロ2シーズン目の西田公陽(#16/SG/184cm)も見せ場を作って「昨日はあまりプレータイムがなく少し気持ちも落ちていた部分もありましたが、自分の良さってなんだろうと考えたときにやはりディフェンスだと思いました。今日は久保田選手が出場できない中で、必ず自分の時間が来ると思っていました。アップからしっかりと準備ができて、それが3ポイントだったりアシストにつながったのかなと思います」と振り返っている。

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[写真]=Nobuhiro Fukami