個人通算200本安打を達成
アスリートの人並み外れた能力を示す数値として「通算○○」という客観的な数値を用いて、そのアスリートの素晴らしい功績を紹介するケースを良くニュースなどで耳にする。
女子ソフトボールの日本国内トップリーグ”JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”の2025シーズンでは、2025年6月2日にその金字塔である「通算200本安打」を栃木県を本拠地とする”ホンダリヴェルタ”の内野手・川畑瞳選手が達成したのだ。

コンパクトなスイングで安打を築き上げてきた-Journal-ONE撮影
ホンダリヴェルタの開幕3連戦!
ついにやってきた後半戦開幕。9月5日の金曜日ナイターでNECプラットフォームズレッドファルコンズと対戦したホンダは、序盤に先発アリー・カーダ投手がソロ本塁打を許し先制点を奪われ追いかける展開に。その失点以降、我慢強く投げていたカーダを援護したのは7回裏だった。1死一塁から9番・堀内 香瑚選手が、逆方向へ大きな打球を放つとレフトの頭上を越え、一気に一塁走者が同点のホームを踏む起死回生の適時二塁打となり土壇場で同点に追いついた。
更に1番の塚本 蛍選手も左前安打でチャンスを繋いで1死一、三塁とサヨナラの走者を三塁に進めると、3番・大川 茉由選手が四球を選んで2死満塁に。この緊迫した展開に決着を付けたのは、今季初の4番に座った秋豆 朱音選手。ストレートを捉え右前に運ぶと、三塁走者が本塁を踏んでホンダが劇的なサヨナラ勝ち。投げては完投のカーダ投手が14奪三振という驚異の結果を残し、開幕勝利と好スタートを切った。

日立戦で連勝を狙うホンダリヴェルターJournal-ONE撮影
翌6日の日立サンディーバ戦では、その日行われたステッカー配布イベントの主役である川畑選手が活躍。しかし試合は前日同様に先発ジェイリン・フォード投手が右中間を破る走者一掃の適時二塁打を打たれ2点を失う展開に。ホンダが得点のチャンスを迎えたのは6回裏、代打・山根 葉月選手が内野安打で出塁すると、塚本選手の遊ゴロがフィルダースチョイスを誘い、無死一、二塁とチャンスを広げだ。ここで回ってきた宇都宮ラウンドの主役である川畑選手が右前に打球を弾き返し走者が生還し得点。通算200安打を達成し更に記録を伸ばす川畑選手の一打で反撃を開始した。

その後、エンドランで生還し決勝点となった川畑選手-Journal-ONE撮影
さらに大川選手の犠飛で同点になると昨夜同様、終盤の集中打で同点に追いついたホンダは秋豆選手も右前安打で繋ぐと、続く山口 未葵選手がエンドランを仕掛けた。打球を処理した三塁手が本塁に送球したが、捕球の際に捕手が走者の走塁を妨害したとして判定はセーフに。ついに終盤で逆転に成功したホンダはこれが決勝点となり劇的な勝利を掴んだ。そして、この試合のMWPには反撃の狼煙を上げた川畑選手が選ばれ、今回行われたイベントの主役が試合のヒロインとなった。
そして3連勝を狙うホンダは7日、大垣ミナモとの対戦でホンダの打線が爆発し初回から攻撃のエンジンがかかる。1死二、三塁から秋豆選手が左中間を破る2点二塁打を放ち先制すると、野手の失策も絡み3-0とリードを奪った。さらに4回裏には棚町 佳奈選手と堀内選手の適時打とバッテリー失策で3点を追加。 勢い止らぬホンダ打線は5回裏、代打の丸山 桜子選手、堀内選手、塚本選手が適時打を放ち一気に10得点と大きく点差を開いた。7回表、ホンダはここまで完璧に相手を抑えてきた新宮 怜美に代わり松下華菜が抑えで登板すると、この回を無失点に抑えて完封リレー。ホンダは地元・宇都宮ラウンドで3連勝し、ファンに笑顔と勝利を届けた。

ホンダのスタンドにはいつも多くのファンがかける‐Journal-ONE撮影
川畑選手によるお渡し会スタート
6日、7日の試合後、ステッカーの整理券をもらったファン合計200名が記念ステッカーをもらうためイベントブースに長蛇の列を作った。そこに試合を終えたばかりの川畑選手がやってきた。さっきまでグラウンドで戦っていた選手が突然ファンの前に姿を現すと、一気にたくさんの人が駆け寄ってきて「お疲れ様!」「ナイスゲーム!」と拍手で迎えられた。

