四国を元気に!高知編 物部川エリアに行こう!

四国を元気に!高知編 物部川エリアに行こう!

ガッツポーズを見せる平野美宇-(C)T.LEAGUE
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn

同じネットを使った競技でも、テニスやバレーボールでプロの打つサーブをずぶの素人が返球するのは、確実に無理だし、場合によっては怪我をしてしまいそうだが、卓球であればプロのサーブを受けることは(相手コート内に返球できるかどうかは別にして)できそうだ。そう思った50間近のおじさんは、早速希望者の列に並んだ。

サーブを打つのはアビエル神奈川の背番号66の選手(高校生プレーヤーの櫻井花)。受けられるサーブは1人1球なので、瞬く間に自分の番が回ってくる。66番と対峙した私は、係員から受け取ったラケットを手に、腰を落として何となくそれっぽい構えでプロのサーブを待ち受けた。ことによると、プロを驚かすほどの強い返球ができるんじゃないのか?何しろ利き手じゃない方の握力は約50kgである。

しかし、当然のことながら、私のラケットから放たれたボールは思惑とは裏腹にふわりと弧を描いて相手コートの向こう側へと飛んでいった。なるほど、プロのサーブとはこういうものなのか。素人相手に、手を抜かず、しっかり回転の効いたサーブを打ってくれた66番に感謝である。

ファンを相手にサーブを打つ櫻井花選手-(C)T.LEAGUE

ファンを相手にサーブを打つ櫻井花選手-(C)T.LEAGUE

この後、アリーナでは唐突に女性歌手が出てきて、2曲を熱唱。周りを見ると、2曲目にはスマホをいじる人多数だったので、この歌手のことを知らないのは、私だけではない模様。湘南での開催ということを考えると、流石にサザンを出せとは言わないまでも、加山雄三のそっくりさんを出すくらいの方が盛り上がったのではないかと思うが、まあ、色々と事情があるのだろう。

もう1つ気になったのは、アナウンスで場内を盛り上げるMCのおじさんが関西弁というところだが、茅ヶ崎界隈ではこの手のおじさんをたまに見かけるので、まあ良しとする。

華やかな選手紹介が終わり、まもなく試合開始というところで、客席を見渡すと、2階自由席は3割ほどの入りといったところ。ただし、コートサイドの高級席は結構埋まっており、それなりにマニア、というか熱心なファンがいる証左であろう。1階指定席のホーム側はそれなりに埋まっているが、アウェイ側は空席がある。1階自由席は、ホーム側もアウェイ側も余裕がある。この会場へTリーグを観にくるなら1階自由席が穴場かもしれない。

さあ、試合である。Tリーグのチーム戦は、5試合の3戦先勝方式となっており、第1試合のみ2ゲーム先取のダブルスが行われ、第2試合から第4試合にかけては3ゲーム先取のシングルスが行われる。両チームが2勝で並ぶと、第5試合として1ゲームのみで行われる11ポイント先取のビクトリーマッチが行われる仕組みになっている。

まずは第1試合のダブルス。アビエル神奈川は、先ほどファン相手にサーブを打ちまくっていた66番の櫻井花と中国人選手のチャン ルイというコンビをコートに送り出す。アビエル神奈川は序盤のリードを守り切れなかった第1ゲームを落とすも、続く2ゲームを連取する逆転勝利で先勝に成功。地元ファンの前で幸先良いスタートを切る。

ダブルスに登場したチャンルイ(左)/櫻井花ペア-(C)T.LEAGUE

ダブルスに登場したチャンルイ(左)/櫻井花ペア-(C)T.LEAGUE

試合以上に気になる点が2つ

それにしても興味深いのはチャン ルイの髪型である。私にとって、中国の卓球とバドミントンの女子選手はどこで髪を切っているのか、というのが長年の謎だったのだが、彼女も正に典型的な中国人女子卓球選手のヘアスタイルをしていたのである。

中国卓球界(及びバドミントン界)の女子強豪選手といえば、刈り上げだ。よく言えばボーイッシュだが、有り体に言えばぞんざいなヘアースタイルである。小洒落た美容室でなく、サインポールのクルクル回る町の理髪店で切っている感じ。

そんな中国式刈り上げ女子選手を生で観られたことはちょっと嬉しかったが、果たして彼女が日本国内で散髪しているのかどうか、もしその場合、どう注文しているのかどうか、かなり気になるところである。

そして、気になるついでにもう1つ。なぜ、卓球の選手は皆、ポイントの合間に台の前の方を触るのか?台に落ちた汗や水滴を拭き取っているようではなく、かと言って、何かをなすりつけているわけでもなさそうである(多分、それはルール違反だろう)。ある種のまじないなのか。門外漢としてはかなり謎である。

閑話休題。試合に話を戻すと、その後、アビエル神奈川は2番手で出てきた緩急を操る技巧派の牛嶋星羅が第2試合のシングルスをゲームカウント3-2で勝利し、チームとしての今季ホーム初勝利に王手をかける。次の第3戦はエースの平野だ。関西弁のMCのおじさんも、饒舌なトークで大いに会場を盛り上げる。

■記者プロフィール
平床 大輔
雑文家。1976年、東京都生まれ。コロンビア・カレッジ・シカゴ卒。神奈川県西湘在住。主にスポーツ系の記事執筆や翻訳を手掛けつつ、週2で魚を漁るパートタイム漁師。
アクセス
平塚総合体育館https://www.journal-one.net/jp/wp/wp-admin/profile.php
  • 東海道新幹線 新横浜駅 - 横浜線(9分)- 東神奈川駅 - 京浜東北線(3分)- 横浜駅 - 東海道本線(32分)∸ 東戸塚駅 - 神奈川中央交通バス(5分)- 追分バス停 - 徒歩11分
取材・文:
平床 大輔( 日本 )
この記事の関連記事
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn