Bリーグ2025-26第3戦、千葉ジェッツのレジェンド・西村文男が引退表明後ついに今季初出場。引退を控えたレジェンドのプレーに、LaLa arena TOKYO-BAY(以下、ららアリーナ)が感動に包まれた。
千葉ジェッツを支え続けたレジェンド
2014年に千葉ジェッツへ加入して以来、11シーズンにわたりチームの司令塔として活躍してきた西村文男。Bリーグ創設以前から日本バスケット界を牽引してきた彼は、冷静な判断力と華麗なパスで多くのファンを魅了してきた。

2025-26シーズンでの引退を発表した西村文男(千葉ジェッツ)-Journal-ONE撮影
2025年8月、今シーズン限りでの引退を発表。記者会見では「このチームで過ごした時間は宝物」と語り、チームは彼の功績を称えるプロジェクト「LAST RUNWAY #11」を始動。ファンとの別れを彩るイベントが続々と企画されている。
試合の合間に見せるプロの振る舞い
西村文男のLAST RUNWAYで注目して欲しい一つが、彼の練習光景だ。
ベテランらしく、チームの雰囲気を円滑にすべく選手やスタッフに笑顔で話しかける西村。その絶妙なタイミングは、選手たちの気合や緊張を適度に保たせ、チームをより団結させる役割を果たしている。

練習時、常にチーム全体を見ながらアップをする西村-Journal-ONE撮影
そして、主力選手たちが集まる時間を避けながら、全ての角度から入念にスリーポイントシュートの練習を黙々と続けるのだ。
時に、コートサイドに観戦に来た顔なじみの子どもに手を振るシーンも。自分だけでなく、チームそして会場全体にも気を配るプロアスリートの振る舞いを見ることができるはずだ。
仙台89ERS戦で今季初出場
試合終盤、歓声に包まれて登場
10月13日、Bリーグ第2節の初戦。千葉ジェッツは仙台89ERSを相手にホーム開幕戦で躍動した。試合は終始ジェッツペースで進み、スコアは93対67、残り6分20秒となった場面だった。

ららアリーナで出場を果たした西村文男に千葉ジェッツファンから大歓声-Journal-ONE撮影
勝利へ向けて大勢が決しつつある場面で、トレヴァー・グリーソンHCが西村文男をコートに送り出す。背番号11番がゆっくりとコート中央へ歩みを進めると、ららアリーナに詰めかけた10,268人の観客から大歓声が巻き起こった。
ノールックパスとスリーポイントで魅せる
その大歓声を背に、西村は得意のノールックパスで味方のシュートチャンスを演出し、スリーポイントシュートを打つシーンでも会場を沸かせる。

3Ptシュートを打つ西村文男(千葉J)-Journal-ONE撮影
さらに、しぶといディフェンスでは相手に食らいつき、ルーズボールを追ってコートに倒れ込む場面も。年齢を感じさせない熱いプレーで、最後までチームを鼓舞し続けた。

ボールを追いコートに倒れ込む気迫を見せた西村文男-Journal-ONE撮影
試合後はマッチアップした仙台のセルジオ・エル ダーウィッチと笑顔で健闘を称え合い、ファンの歓声に手を振って応えていた。

試合後、笑顔で健闘を称えあう西村文男-Journal-ONE撮影
HCとチームメイトからの敬意
試合後の記者会見で、グリーソンHCは「西村と荒尾岳という長年チームを支えてきた選手を同時に起用できたことは、私にとっても特別な瞬間だった」と語り、ベテランへの敬意を示した。

古くから千葉ジェッツを支えた荒尾岳とプレーした西村文男-Journal-ONE撮影
司令塔・富樫勇樹も「文男さんがもっと出場できるような展開を、これからも作っていきたい」とコメント。長年ともに戦ってきた仲間として、西村の引退シーズンを最高の形で送り出したいという思いがにじみ出ていた。
