日立サンディーバ、リーグ戦最終戦を快勝で締めくくる
日立サンディーバが、2025リーグ戦の全日程を終えた。
第14節が雨で流れ、その結果、11月1日に群馬県の宇津木スタジアムで代替試合が行われた。この試合は、NECプラットフォームズレッドファルコンズとの対戦であり、日立サンディーバにとって今季のリーグ最終戦となった。
秋晴れの上州路に、打球音を響き渡らせた日立サンディーバの超攻撃打線。本塁打2本などで序盤から常に試合を有利に進め、7-2と快勝した。
試合後に村山修次監督は「うちは、シーズンの最初からプレーオフまで、一貫して“超攻撃打線”で臨み続けます」と笑顔。苦しみながらプレーオフ進出を勝ち取ったリーグ戦を振り返った。
昨季との比較と今季の気づき
日立サンディーバは昨年、強豪チームがひしめく戦国・東地区を制覇した。「昨シーズンが上手く行き過ぎましたね」と、村山監督が思い返す。
「今年はチーム状態が上がらないままに終わりました。とはいえ、これだけ苦しんでもプレーオフに行けるということに気付いたシーズンでもありました」と前向きに語った。
胡子路代コーチと共に、ワイルドカードを勝ち取った選手たちの底力を称えていた。

村山監督と胡子コーチは共に選手たちの底時からに目を細めていた‐Journal-ONE撮影
昨年の悔しさを糧に勝ち星を積み重ね
日立サンディーバは最終戦を待たずに、プレーオフ進出を決めた。しかし、選手たちも村山監督と同様に苦しかったリーグ戦を振り返る。
この日先発して勝利を挙げた長谷川鈴夏投手も、「去年のように上手くいくことが少ないシーズンだった」とゆっくりと話はじめた。
「それでも、自分の役割を果たし切れたのは、あの試合があったから」と振り返ったのは、昨年の“ダイヤモンドシリーズ”決勝戦での出来事だ。それは、トヨタレッドテリアーズとの優勝をかけた一戦だった。
日立サンディーバの初優勝をかけ、先発のマウンドに上がった長谷川投手。しかし、長谷川投手は初回に出鼻を挫かれた。たった一球失投が痛恨の本塁打となり、2点を先制されてしまう。その後、長谷川投手を含めた日立サンディーバ投手陣が粘投。トヨタを無失点に抑えたものの、あと1点反撃は届かなかった。日本一の栄光に手がかかっていただけに、その悔しさは一層強く感じられただろう。

最終戦でも力投を見せた長谷川(日立)-Journal-ONE撮影
役割変化も成長でチームを支える
日立サンディーバの投手起用は当初、長谷川投手をクローザーとしてマウンドに送るケースが多かった。しかし、その役割はチームの歯車が微妙にかみ合わない中で変化する。
次第に先発としてマウンドへ上がることが多くなった長谷川投手だったが、その期待に見事に応えて重ねた勝利数は8つ。その結果、チームをワイルドカードでのプレーオフ進出へと導いた。
その結果に対し、長谷川投手は「投打がかみ合わなくとも、投手が先に得点を与えなければ。与えても最少失点で食い止めれば。その役割を果たすだけを考えて投げ続けた」と話す。
ダイヤモンドシリーズでの経験を糧に、苦しんだリーグ戦を戦い抜いた長谷川投手。
最後に、「抑えた、打たれたという結果だけにとらわれない。勝負のプロセス、投球内容にこだわり、自分の役割を果たし切る」と、プレーオフへ静かに闘志を燃やした。

昨年のDS決勝が長谷川をさらに成長させた‐Journal-ONE撮影
主砲・山内選手の心強い復調
「ほんの少しです。自分のフォームをビデオで確認して微修正しました」と話すのは、この日も本塁打を放った主砲・山内早織選手だ。
昨年のリーグ戦、ダイヤモンドシリーズで“ここ一番”での打撃でチームに勝利をもたらしてきた。しかし、この活躍により日立サンディーバの主砲への警戒心は高まった。対戦相手さらに厳しいマークに対峙することになる。
なかなか、思うような結果が出ない打席が続いた山内選手。しかし、シーズン終盤に入り一気に調子を上げてきたのは、一流アスリートに共通する高い修正力だった。
日立サンディーバの主砲は、冷静に自らを見つめ直して微修正を完遂。その結果、直近4試合の全てで計5本のアーチを架けた。プレーオフからの下剋上で昨年果たせなかった日本一を勝ち取る。そのストーリーに向けて頼もしい4番が戻って来た。

リーグ戦終盤に本塁打を量産した山内(日立)-Journal-ONE撮影






















