10年前の奇跡再び?南アフリカとの再戦
11月1日(土)、ヨーロッパ遠征「リポビタンDツアー2025」の1試合目として、ラグビー日本代表は再びイングランドで、南アフリカ代表と対戦した。しかも会場は「サッカーの聖地」と呼ばれるロンドン郊外の”ウェンブリー・スタジアム”だった。

南アフリカ戦が行われたウェンブリー・スタジアム-斉藤健仁撮影
世界最強・南アフリカに挑む若きジャパン
ラグビー南アフリカ代表は2019年、2023年ワールドカップを連覇しており、南半球の強豪国4カ国対抗戦である”ザ・ラグビー・チャンピオンシップ”も2連覇している世界ランキング1位の強豪だ。ワールドカップまで2年あまり。”エディー・ジョーンズ”HCが再任して2年目の日本代表(世界ランキング13位)、その現在地を図るにはこれ以上ない相手だった。
ジョーンズHCは「南アフリカ代表は間違いなく世界一のチーム。だからこそやりがいがあるし、若手にとっては良い試練、自分たちを試す良い機会。10年前、南アフリカ対日本代表を象徴するような試合があったが、今回は自分たちでヘッドライン(新聞の見出し)を作る機会がある。過去で一番、日本代表が一体感を持って臨む試合になる」と意気込んだ。

試合後の会見に挑むエディ・ジョーンズHC(左)とワーナー・ディアンズ主将-斉藤健仁撮影
ウェンブリーでの激突、日本代表の先発メンバー
先発は10月25日に15-19と善戦したラグビーオーストラリア代表戦から、2名の変更にとどめた。ケガをしてチームを離脱したHO(フッカー)江良颯、CTB(センター)中野将伍に替わり、初めて2番を背負うHO佐藤健次、CTBチャーリー・ローレンスが先発に上がった。唯一の大学生FB(フルバック)矢崎由高(早稲田大学3年)は引き続き15番を背負うなど、若いメンバーで臨んだ。

ワーナー・ディアンズを先頭にトレインを組む日本代表-斉藤健仁撮影
南アフリカの強さと注目選手たち
経験ある選手が多い南アフリカ代表には、ラグビーリーグワンでプレーしている選手も多く在籍しており、先発7人はリーグワンの選手だったことでもファンの注目を集めた。スプリングボクスといえばフィジカル、セットプレー、空中戦が世界最高峰であり、日本代表がどこまで対抗できるかが焦点だった。
試合開始から南アフリカが圧倒
しかし、蓋を開けて見れば、2万3000人の観客の多くが南アフリカファンで、”ブブゼラ”が響くスタジアムで、ほとんど日本代表は良いところを見せることができなかった。
前半開始早々、ラグビー日本代表はハイタックルの反則で自陣奥でピンチを迎えると、前半4分にモールからトライを喫した。その後も、HOマルコム・マークスのジャッカルなどでピンチを迎え、23歳の売り出し中のSO(スタンドオフ)サシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルに2トライを許すなど、前半は0-26で折り返した。

ビジョンに映し出された南アフリカのファン-斉藤健仁撮影
後半も苦戦、日本代表は1トライにとどまる
後半の巻き返しに期待したが、前半のPR(プロップ)竹内柊平に続いて、後半2分、FL(フランカー)ベン・ガンターもイエローカードをもらい、トライを奪われる。ようやく12分、数的不利だった日本代表だったが、相手陣でジャパンらしい連続攻撃を見せて、FB矢崎が中央に飛び込んでトライを挙げて一矢を報いた。

突破を図るベン・ガンター-斉藤健仁撮影
世界一との差、セットプレーと空中戦で後手
しかし、その後もハイボールの競り合いに勝つことができず、POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたWTB(ウィング)カート=リー・アレンゼに2トライ、CTBジェシー・クリエルらにトライを許してた。終わってみれば計9トライを献上し、7-61で敗れた。南アフリカとの対戦では、これまでの5試合でもっとも大差での敗戦だった。

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