世界ランク3位の強豪アイルランド
リポビタンDツアー2025で欧州遠征中のラグビー日本代表(世界ランキング13位)は第2戦。11月8日(土)、アイルランド・ダブリンにある「アビバ・スタジアム」で世界3位のアイルランド代表と対戦した。
ラグビー日本代表の過去成績
ラグビー日本代表とアイルランド代表の通算成績は1勝11敗。日本代表唯一の勝利は2019年ワールドカップの予選プールで19-12と勝利し、世界に「静岡ショック」と呼ばれた試合のみだ。アウェイでは過去4戦で、いまだに勝利したことがない強豪相手に挑んだ。

ワーナー主将を先頭に練習から引き上げる日本代表-斉藤健仁撮影
試合前の準備とメンバー構成
前週、7-61と大敗した南アフリカ代表戦。欧州への移動や時差も重なり、思うように練習ができなかったことも事実。
そのためアイルランド代表戦に向けては、火・水曜日と、しっかりと持ち前の「ハードワーク」を重ねて準備した。
先発メンバーの変更点
この試合では、ビザの関係で合流が遅れていたLO(ロック)エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)、先週控えだったNO8(ナンバーエイト)マキシ ファウルア(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、そしてクラブとの契約の関係上、この週から合流したSH(スクラムハーフ)齋藤直人(フランス・トゥールーズ)の3人が先発した。
キャプテンLO(ロック)ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)、バイスキャプテンのSO(スタンドオフ)李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)、CTB(センター)ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、唯一の大学生FB(フルバック)矢崎由高(早稲田大学3年)らは、オーストラリア代表戦から引き続きスターターとなり、FL(フランカー)/NO8リーチ マイケル(ブレイブルーパス)は控えとなった。
アイルランド代表は前週、アメリカのシカゴで「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表と対戦し、13-26で敗れていた。そこから先発メンバーを8人変更し、特にBK(バックス)にキャップ数が少ない選手が並んだ。

唯一の大学生、矢崎由高‐斉藤健仁撮影
前半の展開と日本代表の善戦
アイルランドに先制を許すも前半は7点差で折り返す
「セットプレーは言うまでもなく大事だが、空中、そしてブレイクダウンの2つの場面のコンテストが重要」。
日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が語気を強めたように、世界的強豪相手に、南アフリカ代表戦で課題となったエリアで、どこまでバトルできるかが焦点となった。
5万人を超え、ほとんどがアイルランドのファンとなる完全アウェイの中、現地時間の午後0:40に試合はキックオフされた。
日本代表は前半20分、中盤の40分、後半最後の20分と分けて戦術、プランを考えていたという。特に最初の20分はSH齋藤、SO李のハーフ団を中心に順目、順目にテンポ良くボールを動かし、相手のタッチキックからも、クイックボールを入れてアタックを仕掛けた。
前半12分、この試合で好調だったWTB(ウィング)長田智希(ワイルドナイツ)のランから好機を作った。しかし、これをトライに結び付けることはできなかった。すると危険なタックルで、シンビン(10分間の途中退室)で数的不利になったこともあり、前半20分に失トライ。さらに31分にもトライを許し、0-17とリードされてしまう。
しかし、日本代表の集中力は途切れなかった。後半37分、ゴール前のモールをBKの選手も一緒になって押し込む。そして、HO(フッカー)佐藤健次(ワイルドナイツ)が右中間に押し込みトライ。
さらにロスタイムにはSO李がPG(ペナルティゴール)を決めて、10-17と7点差に追い上げた。

この日好調だった長田智希‐斉藤健仁撮影
失速した後半と敗戦の要因
後半開始直後の好機
さらに前半のラストプレーで、WTB石田吉平(横浜キヤノンイーグルス)に対する危険なタックル。相手にシンビンが出た。これにより後半の最初のほぼ10分間、日本代表が数的有利となり絶好のチャンスだった。
後半早々、「自分たちが数的有利という共通認識はできていた」(SH齋藤)と選手たちは話した。しかし、後半8分、14人のアイルランド代表に逆にトライを許してしまう(10-22)。

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