トヨタレッドテリアーズのV3なるか
11月15日から始まるJDリーグのダイヤモンドシリーズ。一昨年、昨年と2連覇を果たしたトヨタレッドテリアーズ。今季も圧倒的な強さでリーグ戦を勝ち抜き、ダイヤモンドシリーズに駒を進めた。
西地区で4年連続の王者となったその圧倒的な強さ。そして、V3をかけた一発勝負に挑む彼女たちの魅力を、選手構成と戦術面から徹底解説する。
若手の台頭がチームに新風を吹き込む
今季のトヨタレッドテリアーズを語る上で欠かせないのが、若手選手の躍進だ。中でも注目は島仲湊愛選手と小林楓選手。島仲選手は俊足と広角に打ち分ける打撃で、リーグ戦でも安定した出塁率を記録。小林選手は長打力を武器に、勝負どころでチームを救う一打を放ってきた。
この二人がレギュラーに定着したことで、打線の厚みは格段に増した。若手の勢いは、ベテランや中堅選手にとっても刺激となり、チーム全体の競争力を高めている。

長打力もある小林楓-Journal-ONE撮影
中堅選手が支える盤石のチーム力
もちろん、トヨタレッドテリアーズの強さは若手だけではない。昨季のV2に大きく貢献した中堅選手たちが、今季も健在だ。
日本代表の正捕手・切石結女
切石結女選手は、日本代表の正捕手として知られる存在。投手陣を巧みにリードし、打撃でも年々高まる勝負強さを発揮する。V3を狙う扇の要として、その存在はチームの守備力を一段と高めている。

トヨタでも日本代表でも攻守の中心を担う切石-Journal-ONE撮影
不動の四番・山田柚葵
トヨタレッドテリアーズの不動の4番、山田柚葵選手。今季も4番に座り続け、長打力と勝負強さで打線の核を担った。彼女の一振りが試合を決める場面は数知れない。
一方、魅せる外野守備ができることも、山田選手の特徴だ。フェンスを恐れず、ボールに向かって行く姿勢はもちろん、華麗なスライディングキャッチも見逃せない。
チームのピンチを一瞬にして救い、チームに勢いを付けるプレーがダイヤモンドシリーズでも見られるか。レフトを守る山田選手にも注目して欲しい。

不動の4番としてV3に臨む山田-Journal-ONE撮影
俊足攻守の伊波奈々
伊波奈々選手は、俊足を活かした広い守備範囲と、積極的な走塁でチームに勢いを与える選手だ。
内野ゴロに打ち取った打球が安打になる。四球で出塁させた走者が、ワンプレーで本塁生還を果たす。相手投手にダメージを与え、守備陣に大きなプレッシャーを与える伊波選手の出塁が、1点が勝敗分けるダイヤモンドシリーズでは大きな武器となる。

伊波の出塁は相手チームに脅威-Journal-ONE撮影
ベテランが示すリーダーシップ
まずは、若手と中堅が躍動する一方で、ベテランの存在感も際立つ。特に、キャプテン鎌田優希選手は冷静な判断力でチームをまとめ、そのうえ、日本代表キャプテンでもある石川恭子選手と二遊間で安定した守備を披露する。
加えて、石川選手はミート力抜群の打撃技術と、ボールを見極める選球眼に優れた選手だ。だからこそ、高い出塁率を誇る石川選手を塁に置き、鎌田選手の小技で何度も得点機会をものにしてきた。
さらに、どんな苦しい場面でも、鎌田選手、石川選手のメンタリティは揺らぐことがない。その結果、二人の精神的支柱を持つことで、若手も中堅も落ち着いて個々の能力を発揮してきた。

日本代表主将としてもキャプテンシーを発揮する石川-Journal-ONE撮影
絶対的エース・メーガン・ファライモの圧倒的な力
そして、何といってもメーガン・ファライモ投手の存在が、V3へ大きな役割を果たす。
まず、今季リーグ戦での成績は驚異的。防御率は1点台前半、奪三振率もリーグトップ。速球と変化球のコンビネーションで、相手打線を完全に封じ込めてきた。
とりわけ、ファライモ投手がマウンドに立つ試合は、勝利の確率が飛躍的に高まる。まさに「絶対的エース」と呼ぶにふさわしい投手だ。

圧倒的な投球を見せたファライモ-Journal-ONE撮影




















