最北の地から日本一へ!
北は地元・北海道から南は沖縄まで、日本全国の高校野球名門校から選手が集まる東京農業大学北海道オホーツクの硬式野球部。その選手たちは皆、三垣勝巳監督の教えに共感して最北野球部の門を叩く。
なぜ全国から選手が集まるのか? 昨春の第73回全日本大学野球選手権大会で興味を持ったJournal-ONE編集部。北海道網走市にある当大学を取材。三垣監督をはじめ、コーチ、選手の皆さんに話を聞きその真相に迫った。

全国から網走に集まった東農大オホーツクナイン-Journal-ONE撮影
NPBで活躍する最強世代
東京農業大学北海道オホーツクは、2014年の明治神宮野球大会で初のベスト4に進出。一躍その名を全国に知らしめた。
後に北海道日本ハムファイターズに指名された玉井大翔、井口和朋らの投手陣がけん引。さらに、WBC日本代表であり、ソフトバンクホークスで活躍中の周東右京もメンバーに名を連ねていた。
その後、2019年に全日本大学野球選手権大会でもベスト4進出。東京農業大学北海道オホーツクは全国制覇を目指し、網走の地から毎年挑戦を続ける。しかし、その後は神宮球場での快進撃には至っていない。
最強世代を超えろ!
そんな中、「今年は、久しぶりに上が狙えるメンバーが揃った」と、自信を見せていた三垣監督。昨春の全日本大学野球選手権大会で登板以降、トミー・ジョン手術を受けたエースの神宮僚介(桐生第一高)が復活。今秋のドラフトで阪神タイガースから育成1巡目指名を受けた。

阪神育成1位の神宮に注目が集まる-Journal-ONE撮影
さらに、今春の全日本大学野球選手権大会で先発した渡辺恵多(中越高)も健在。攻守では、主将の中澤空芽(東海大甲府高)が、安定感ある好守を見せ続けている。加えて、秋のリーグ戦では首位打者とベストナインを獲得した中澤。打線の核として明治神宮大会を勝ち抜くためには欠かせない選手だ。

安定した守備も魅力の中澤空芽-Journal-ONE撮影
そして、同じくベストナインの外野手コンビ、友寄功太(沖縄水産高)と川口友翠(札幌第一高)。さらには、強肩強打の捕手、千葉大輝(盛岡大付属高)も。卒業後に野球を続ける4年生が多くメンバー登録されている。
最強世代を超える結果を残せるか?4年生たちを中心に、関西の雄・立命館大学との一戦に臨んだ。

川口友翠も秋リーグ戦でベストナインを受賞-Journal-ONE撮影
成長を見せた初回の守り
東京農業大学北海道オホーツクはこの春、全日本大学野球選手権大会において初回に大量失点を許した苦い経験がある。しかし、それと同様、立命館大学との一戦も初回に試練が訪れた。
先頭打者に二塁打を浴びると、犠打野選も重なり無死一、三塁のピンチ。ここで、続く打者に犠飛を打たれて早くも1点を献上した。
さらに、四球と暴投で1死二、三塁と再び大量失点のピンチを迎える。「すこし、バタついてしまった」と試合後に振り返った神宮が、ここからギアを入れ直す。145km/hの速球を軸に後続を抑えて1失点。序盤で崩されなかった東京農業大学北海道オホーツクが、春からの成長を見せた。

ピンチを切り抜けた内野陣-Journal-ONE撮影
「オール東農大」で選手を鼓舞する
そして、早くも1点を追う展開となった東京農業大学北海道オホーツク。それでも、逆転へと気合を入れる選手達には心強い味方がいた。三塁側応援スタンドに陣取った東京農業大学全学応援団の力のこもった声援だ。
主に世田谷キャンパスで学ぶ学生が所属する全学応援団。リーダー部、チアリーダー部、吹奏楽部の三団体で構成されている。東都大学野球連盟2部の硬式野球部、来年の第102回箱根駅伝に出場を決めた陸上競技部など、様々な場面で熱い応援を届けている。



















