
FIGHTING RADISHの華やかな応援-Journal-ONE撮影
そして、そのチアリーディング部“FIGHTING RADISH”の4年生も最後の神宮球場となる。松本和奏部長と藤村愛流副部長も、その晴れ舞台を笑顔で力の限り応援を届けた。
今秋の東京農業大学は、東都大学野球連盟2部で昨秋以来の1部昇格を目指したが、惜しくも4位に終わった。それでも、「もう一度、神宮球場で応援したい」と夢見た舞台での演舞が実現。東京農業大学北海道オホーツクの選手たちに声援を送り続けた。
坂入爽太団長率いるリーダー部、そして吹奏楽部との伝統ある息の合った応援は見もの。その応援でひときわ目を引くのが、大根を両手に持って踊る通称・大根おどり(あおやまほとり)。詰めかけた大学野球ファンからも、「おお!大根おどりだ!」と歓声を浴びていた。

伝統の”大根おどり”に選手も勇気づけられた‐Journal-ONE撮影
再三の反撃も1点が遠く
その大声援を受けた東京農業大学北海道オホーツク打線は、春を上回る積極的な攻撃を見せた。初回から再三にわたり、得点圏に走者を送り続ける。
まずは失点直後の1回裏、鈴木匠(1年=札幌一高)、友寄の1、2番コンビが連続安打。無死一、二塁と反撃の狼煙を上げた。しかし、期待のクリンナップ、中澤、渡邊晃希(2年=東京農業大三高)、川口が凡退して得点ならず。

複数安打を放ち好機を演出した友寄功太-Journal-ONE撮影
続く2回裏にも、1死から千葉の内野安打に吉田大和(3年=佐久長聖高)も右前安打で続く。さらに、神宮も四球を選んで満塁とした東京農業大学北海道オホーツク。しかし、ここも上位打線が走者を本塁に還せない。
今度は5回裏、1死から2番・友寄がこの日2本目の安打を中前に運ぶと、続く3番・中澤も右中間に鋭く弾き返した。ライトの守備がもたつく隙に二塁を陥れる好走も見せた東京農業大学北海道オホーツク。その後、二死満塁と逆転のチャンスを作ったが、ここでもあと一本を出せなかった。

春の選手権に続き安打を放った中澤空芽-Journal-ONE撮影
4年間の集大成と未来への誓い
1年生から全日本大学野球選手権大会、明治神宮野球大会と計6度、神宮球場でプレーをした主将の中澤。しかし、いずれも悔しい初戦敗退となった。
まずは、「毎回、東京に来るたびに宿題をもらい、それを北海道で解き続けた4年間だった」と、自分とチームを育ててくれた神宮球場での野球を振り返った。
続けて、中澤は「神宮に来るたび応援していただいた、世田谷キャンパスの応援団には本当に感謝している」と、仲間の応援団への感謝を口にした。
「あの応援が、自分たちの持っている力以上のものを与えてくれた」。中澤は、地方からの出場とは思えない応援に勇気づけられたと話す。チャンスではもちろん、どんな劣勢でも選手たちを鼓舞する応援は、東京農業大学のアイデンティティ。それを背に戦えたことを、誇りに感じていた。
最後に、昨秋のドラフト候補、立命館大学の二番手・有馬伽久(3年=愛工大名電高)の印象について尋ねた。すると、中澤は少し間を置き、「球速も変化球のキレも素晴らしかった」と悔しさを滲ませた。
しかし、最後はしっかりと目を向けて「さらに努力を重ね、あのレベルの投手を打てるように頑張ります!」と、さらなる成長を誓い記者会見場を後にした。

中澤は社会人野球で更なる飛躍を誓った‐Journal-ONE撮影
“ええ男”になった4年生の未来に期待
同じく、記者会見場で立命館大学との対戦を振り返った三垣監督。
続いて、今チームの総括を聞かれると「オホーツクの野球は、勝ち負けだけではない」と、チームの存在意義を改めて前置きした上で話を始めた。
三垣監督は、「社会に出て、人として一番大事なことを4年間で身に着けてもらうことを重視している」という信条の下で4年間、選手たちと向き合い指導をしている。




















