トヨタ自動車アンテロープスの司令塔として、今季もチームを牽引する山本麻衣選手。

3×3世界制覇、東京五輪、パリ五輪、そしてWNBAキャンプ挑戦など、数々の舞台で輝いてきた彼女に、アンテロープスの好調の秘密、自身のキャリア、未来を担う子供たちへのメッセージ、そして女子バスケットボールの魅力について語ってもらいました。

コートを駆け抜ける山本選手-トヨタ自動車アンテロープス提供

アンテロープス好調の秘密｜山本麻衣キャプテンが語る強さ

勝利を支える“アンテロープスらしさ”とは？今季ここまで首位を走るアンテロープス。その強さの背景に迫ります。

首位を走るアンテロープスと好調の理由

―― 大樹生命 Wリーグ2025-26 レギュラーシーズン、第6週（11/23）が終わりました。現時点で首位と好調な状態を維持しています。

山本選手：はい。現在チームは11勝を挙げており、勝利を重ねる中で多くの経験を得ています。非常に良い状態だと感じています。

—— 不戦勝となった22日も、やはりチームとして「やってやろう」という気持ちで臨んだ試合でしたか？

山本選手：自分たちの状態が非常に良かったので、昨季王者である富士通さんにどれだけ戦えるかを楽しみにしていました。試合がなくなったのは少し残念でした。

―― チームの今の好調さを維持できている秘訣は？

山本選手：昨シーズンは多くの敗戦を経験しました。その悔しさを誰一人忘れていません。勝つことの難しさを理解しているからこそ、今シーズンは「勝つ」という一点に全員がフォーカスできているのだと思います。

キャプテン山本選手からみた今季の強さの秘訣とは-Journal-ONE撮影

キャプテンとしての役割と自身の強み

―― 試合中、チームをまとめることやご自身のプレーで意識していることはありますか？

山本選手：今シーズンは特に、選手間やコーチとのコミュニケーションをしっかり取ることを意識しています。自分はその繋ぎ役として発言し、個人とも積極的にコミュニケーションを取るよう心掛けています。

ドライブもでき、外からの3ポイントシュートでも得点できることが自分の強みです。その攻撃のバリエーションで、周りの選手も活かすよう心掛けています。

アンテロープスの攻撃の魅力

—— アンテロープスは山本選手のプレーを起点とした、多彩な攻撃が魅力ですね。

山本選手：私だけではなく、若い選手が多く、思い切ったプレーで勢いに乗れるのが強みです。個々の能力が高く、得点力のある選手が多い。ですから、どこからでも得点でき、毎試合活躍する選手が変わるのも魅力です。

多彩な攻撃の中でも山本選手のプレーが光る-トヨタ自動車アンテロープス提供

山本麻衣選手のキャリア｜U23 3×3世界制覇からWNBA挑戦まで─挑戦を続ける理由

山本麻衣選手は、2019年の3×3 U-23ワールドカップで優勝。2021年の東京オリンピックでも、3×3の日本代表として大活躍。続く2024年のパリオリンピックでも5人制日本代表として出場を果たしました。

さらに挑戦を続ける山本選手は、今年に入り日本5人目のWNBAプレイヤーを目指しダラス・ウィングスのトレーニングキャンプにも参加しました。その挑戦に至った経緯はもちろん、今後の山本選手の挑戦について話を聞きました。

女子バスケの選手寿命は伸びている？

―― 私は、女子ソフトボールのトップリーグでプレーしていましたが、年々選手の平均寿命は伸びてきています。女子バスケのキャリアも伸びてきていますか？

山本選手：そうですね。30代前半くらいですが、最近は伸びています。

髙田（真希）選手（デンソーアイリス）や町田（瑠唯）選手（富士通レッドウェーブ）など、ベテランが日本代表で活躍し続けています。その経験値は、日本代表の強さとして活きていると思います。

小柄でも世界に挑戦できる理由

小柄さを活かしたプレースタイルでスキルを磨いた-トヨタ自動車アンテロープス提供

―― 一方で、女性アスリートも背の高い選手が増えています。山本選手は163cmと小柄ですが、それでも世界に挑戦できるのはどうしてでしょうか？

山本選手：「小さいからできない」と思われるのが嫌で、その悔しさが原動力となっています。