11月上旬に行われた2025年東京農業大学(以下、農大)の収穫祭。毎年10万人近くが足を運ぶ、この学園祭を今年もJournal-ONE編集部が取材。全国に3つあるうちの1つ、世田谷(東京都)キャンパスでも学部学科によって異なる実習・研究テーマでの模擬店や文化展を実施しているのです。

ついに迎えた収穫祭本番-Journal-ONE取材
第1弾(坂入爽太応援団長・梶本康介実行委員長のインタビュー)に続き、農大の魅力が詰まった学生たちの取り組みをご紹介します。
バイオインフォマティクス研究室
乳酸菌入りじゃがもち
まず、メイン通りに入ってすぐの左側。美味しそうな匂いを漂わせる方向を見てみると看板に大きく “乳酸菌入りじゃがもち” と書かれたお店を発見。 “乳酸菌入り” ということが気になり、店頭にいた茂木美碧(みるり)さん【3年生】に話を聞いてみることに。

面白い組み合わせに興味がそそる‐Journal-ONE撮影
「私たちは分子微生物学科の中でも工学に寄ったバイオインフォマティクス研究室です。多くの学生は菌を培養していたり、新しい菌を自然に採取しに行って研究しています。その中でも私はコンピューターで特殊な配列を解析する機械を開発しているのです。ここは活動の幅が広い研究室となっています」 と教えてくれました。
模擬店の中でも一番最初に目につくこの店舗。「今回販売している ”乳酸菌入りじゃがもち” に入っている乳酸菌は『TUA4408L』と言います。実は長野県の郷土料理 ”すんき漬け” から、私たちが発見したものなのです。乳酸菌を採取して、粉末状にしたものを混ぜ合わせたじゃがもちを作りました」 とのこと。

いい匂いが漂う乳酸菌入りじゃがもちーJournal-ONE撮影
乳酸菌はスプーン1杯分の粉末で約180億個という膨大な数が入っていると言われています。そんな中で新たに発見した乳酸菌『TUA4408L』。基本的に腸内環境の改善される効果が期待ができるというのです。
工学×微生物
店舗で販売していたじゃがもちの味は5種類。購入するとカウンター横に設置されているくじ引きに案内されました。当選すれは4個入りが5個になるというお楽しみがあるということですが、残念ながら私は当たりを引くことはできず…。
「私達はコンピューター系なので、くじ引きのシステムも全て制作しました。店舗内に貼ってある装飾のパネルもそうですが、乳酸菌について詳しくまとめたサイト。学科内のホームページもプログラミングしたんですよ」 と研究室の強みを最大に活かした内容となっていました。

くじ引きに挑戦!-Journal-ONE撮影
ちなみにお話を伺った茂木さんがこの研究室を選んだ理由は 「私は遺伝子を学ぶことにもともと興味があったのでこの研究室に入りました。肌タンパク質の化学変化などの生物的なことも学んでいるので、将来は化粧品関係の道を目指しています」 とのこと。
「実は北海道オホーツクキャンパスにある食香粧化学科が行っている ”日本化粧品検定” や ”コスメコンシェルジュ” という資格も自ら取得しました」 と他分野にわたって知識を広げているという茂木さん。 1店舗目から農大の魅力に惹きつけられる、興味深いインタビューとなりました。
能登復興支援有志の会
東京から能登を応援
さて皆さんの記憶にも新しい、2024年1月に起きた能登半島地震。大規模な災害を乗り越えて復興に向けて取り組む今。農大でも能登を応援しようというテーマの店舗が出展していました。
「ここは能登半島地震の復興を遠くからでも支援していこうと作られた会になります」と話すのは設立当初からメンバーとして活動する廣松 美南さん【国際食農科学科3年生】。
「会を作ったのは当時、教授がチャリティー上映会をやろうと話をしてくださったことがきっかけでした。その上映会に集まったメンバーで、せっかくだから有志の支援サークルを作ろうということで活動し始めたのです」と復興を願う学生たちの想いが繋がったことが始まりだと言います。

能登を応援する有志の会のメンバーーJournal-ONE撮影




















