福岡大大濠 ウインターカップ連覇達成!
福岡大大濠(福岡県)が前年に続き、2025年のウインターカップ※も制した。※全国高等学校バスケットボール選手権大会
「抜かりがなく、盤石」。高校生なのだから実際にそんなこともないのだが。福岡大大濠の憎らしいほどの強さに対して、そんな修飾が頭に浮かぶ。
12月29日に行われた決勝戦では、京都府代表の東山高校を97-71で破った。

決勝戦を制した後の福岡大大濠の選手たち‐永瀬和志撮影
福岡大大濠 片峯コーチの覚悟
3Pシュートを38.9%の高確率で決め、ターンオーバーはわずか3つにとどめた。ターンオーバーの数で言えば東山も10と悪くなかったが、うち9つは前半で記録した。福岡大大濠はそれに乗じて得点を重ね、相手を早々から飲み込んだ。
「東京に入る前に僕は優勝することを決めていました。優勝したいとか優勝しようぜということではなくて、優勝するという決意、覚悟の上ですべてを逆算して今大会に挑みました」。
大濠の片峯聡太コーチは試合後、大会でのチームの戦いぶりをそのように振り返った。
優勝することを決めていた――。長い大会の歴史でそのような言葉を口にした指揮官がどれほどいたかどうか、わからない。が、いずれにせよ、有力な優勝候補の一角である福岡大大濠にとっては、どうすれば優勝ができるかではなく、優勝するためにはどうすべきかこそがミッションだったように思われる。

福岡大大濠・片峯聡太コーチ‐永瀬和志撮影
福岡大大濠 初戦と厳格な評価
同23日の初戦。大濠は報徳学園を84-41で屠った。なのに、片峯コーチは「優勝するにはまだまだ至らない点がある」と、ほとんど表情を緩めることなくそう語った。
この試合開始直後、福岡大濠の本田蕗以がファールをもらいながらシュートを決める。バスケットカウント。瞬間、2年生エースは興奮の雄叫びをあげた。高校生らしい感情をあらわにした場面とも感じられたが、片峯コーチはこれを「納得がいかない」と眉間に皺を寄せた。
「『何お前、そんな安いプレーヤーになってんだよ』と思って。勝負を決めるプレーだとか起死回生の流れを変えるプレーだったらいいけど、あそこで点を取って、バスケットカウントでワーみたいになったのが、僕は流れを止めちゃった一番の原因かなと思っています」。

福岡大大濠の本田‐永瀬和志撮影
確かに、この第1クオーターの前半では得点が伸びず、クオーター全体でも14得点にとどまった。最終的な圧勝も、優勝以外の結果を求めていない福岡大大濠にとって問うべきは中身だった。
また、78回のウインターカップで今回を含めて5度の優勝を誇る一方で、福岡大大濠は準優勝を8度、準決勝敗退を11度経験している。1つのプレーが、1つのほころびが勝てる試合を落としかねないことを知っているからこそ、片峯氏は大勝の中にそのような厳しい言葉を残したのではないか。
能力と勝負事の厳しさ
福岡大大濠には本田や、中学時代から全国的な活躍ぶりで注目を集めてきた白谷柱誠ジャックといった個の力量の高い選手がいる。片峯氏は「勝負事はただ能力があれば勝てるという甘い世界ではない」と謳った。

大濠の白谷がリングをアタック‐永瀬和志撮影
実際、夏のインターハイで福岡大大濠は準々決勝で散っていた。また11月上旬のウインターカップ福岡県予選では宿敵の福岡第一に敗れた。能力のある選手は数多いても精神的な支柱を欠いていると感じた片峯コーチは、この福岡第一戦から数日後の「U18日清トップリーグ」の東山戦に大半の3年生選手を帯同させないという劇薬を投じた。
それは3年生たちに、自分たちがチームにおいてどのような役割を果たすべきかを考えてもらうためのものだった。
3年生の覚醒
3年生選手たちは話し合いを持ち、自分たちの役割を再確認した。片峯コーチは「そこからの約40日程度は非常に頼もしく、今大会に入っても成長を続け」たと彼らを称揚した。決勝戦の最後にコートに立たせたのは、すべて3年生選手だった。
その中には、「この1年、まったくうまくいかなかった」「この大会期間中、調子が上がらず、本当に苦しかった」と述べた榎木璃旺もいた。身長169cmのポイントガードは、放った6本を3Pを沈めるなどでチームトップの22得点を挙げ、勝利の立役者の1人となった。

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