チャンスでしっかり得点を重ねて、強固な守備で相手を1トライに抑えた明治大学。対抗戦に続き、早明戦 決勝でも早稲田大学を下し7大会ぶり14度目の日本一に輝いた。

優勝し歓喜の明治大学‐斉藤健仁撮影
2大会連続、決勝で涙を飲んだ早稲田大学
敗れた早稲田大学の大田尾監督は、早明戦の決勝で「リードされる展開になることも想定しており、終盤までチャンスはあると考えながら試合を見ていた」と振り返る。
そして、「ただ、明治大学のコンタクトの圧力が大きかった。選手たちが本来持っているアグレッシブさを出し切らせてあげられなかった点については、私自身の責任だと感じている。」と肩を落とした。
キャプテンのCTB野中は、「前半、相手のアグレッシブさが上回っていたと感じている。我慢強く戦うことをチームで共有していたが、球際のミスなどで我慢しきれなかった場面があった」。
「そこが自分たちにとってのマイナスだったと思うし、相手のプレッシャーも想定以上だったと感じている。」と振り返った。
続けて野中は、「ただ、ここまで積み重ねてきた過程を振り返ると、チーム全体としては確実に成長してきた。決勝での経験は決して無駄ではないと思う」。
「昨年度、そして今年度と、2年連続でこの舞台を経験できているのは必ず来年につながっていくはず。この貴重な経験を無駄にせず、今後に活かしていってほしい。」と後輩たちにエールを送った。

終盤は自陣からも積極的に攻めた早稲田大学FB矢崎-斉藤健仁撮影
日本一を達成、スローガン通りに『完遂』した明治大学
監督と主将が語る勝因と喜び
明治大学を指揮して5シーズン目、3度目の決勝で初の日本一に輝いた神鳥裕之監督は、「素晴らしい舞台で、最後に早稲田大学さんという素晴らしい相手を前にして、今シーズン一番のパフォーマンスを見せてくれた学生たちに、本当に感謝とおめでとうという気持ちでいっぱい」と破顔した。
勝因を聞かれて指揮官は、「セットプレー、ディフェンス、接点で上回ってくれたところが一番大きかった。ディフェンスは1人の力でなく、チーム全員がしっかり止める、前に出る、という気持ちを示してくれた。決勝戦にふさわしいしっかりしたディフェンスを見せてくれ、最高だった」と選手たちのパフォーマンスを称えた。
決勝でもパフォーマンスでチームを引っ張ったCTB平主将は、優勝した感想を聞かれて、「言葉が出ない…。頭が真っ白です」と率直に答えた。
続けて「1年間苦しい時もあったが、仲間とここまで来られて、今日のメンバー23人が80分間、準備してきたことを体現できたのは本当に良かった」。
「『完遂』というスローガンの下、隙を見せず戦うことを1年間ずっと言い続けてきたので、決勝のフィールドでできたのは本当に良かった。」と安堵した表情を見せた。

モールで押し込む明治大学FW‐斉藤健仁撮影
MVP級のSO伊藤が語るチームの変化
トライ、アシスト、ハイパントキックと、MVP級の出来を見せたSO伊藤は、勝因を聞かれて、「中盤のディフェンス」と言い切った。
そして、「昨年度までの明治大学は1人ひとりの個々の力がすごく高いチームだったが、チームとしてはまとまりきれなかった。だけど、今季のチームは、それぞれが自分のやりたいことでなく、チームとしてやるべきことをやり続けた。これが粘り強いディフェンスにつながった」と話した。

出色の出来で、明治大学を勝利に導いたSO伊藤-斉藤健仁撮影
本命不在だった今季の大学ラグビー
明治大学の7大会ぶり14度目の優勝で今シーズンの大学ラグビーシーンの幕が閉じた。
今シーズンは帝京大学(関東大学対抗戦4位)の大学選手権5連覇がかかったシーズンだった。しかし、一方で絶対的な本命がいないシーズンでもあった。それでもレベルが頭1つ抜けている関東大学対抗戦勢を軸に、大学選手権は展開されることは予想されていた。
そんな中で筑波大学(対抗戦2位)、天理大学(関西大学リーグ1位)、東海大学(関東大学リーグ戦1位)のシード3校が初戦となる準々決勝で敗退したことが示すように、強豪大学の間に、大きな実力差はないことをうかがえた。
準決勝にはシード1位の明治大学が順当に勝ち上がり、京都産業大学(関西大学リーグ2位)も関西勢の意地を見せて、5シーズン連続、国立の舞台に立った。そして、早稲田大学は関西のアウェイでで天理大学を下して準決勝に進出し、準決勝で帝京大学の5連覇を止めたものの、早明戦 決勝ではライバルの明治大学に屈したというわけだ。

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