その一方で、絶対女王・神戸弘陵高校は4年前から“和大ドリル”を取り入れているという。
「フィジカルが高くない女子にとって、この“和大ドリル”はぴったりなのです。」と石原監督は語る。
実際、強肩を武器にレーザービームを連発する男子選手と比べると、女子選手は遠投力で劣る。しかし、それを補う正確で素早い送球を身につけるには、“和大ドリル”が大きな効果を発揮するというわけだ。
さらに、石原監督は「連係プレーの緻密さに自信を持っている。」と、4連覇へ向けて意気込みを語る。
そして、その技術を磨き続けるために「日々進化する和大さんの練習に参加し、私たちもアップデートしていきたい。」と、和歌山まで足を運んできたのだ。

神戸広陵高校の選手たちは普段から和歌山大学のドリルを取り入れている-Journal-ONE撮影
4年前に始まった和歌山大学と、神戸弘陵高校の交流はこれだけで終わらない。実は昨年、同校で全国制覇を成し遂げた西上天菜選手が和歌山大学に入学。創部101年目を迎える硬式野球部に入部し、滋賀大学との対抗戦で試合出場も果たした。
明治大学女子硬式野球クラブを加え150名規模で合同練習
最高気温8度ながらも、温かい日差しに包まれた和歌山県立貴志川高校のグラウンド。そこで、和歌山大学の部員たちがグラウンドを丹念に整備していた。やがて、神戸弘陵高校の部員たちが集合すると、同校OGであるの西上選手が笑顔で後輩たちを出迎えた。
硬式野球ができる立派なグラウンドを持つ貴志川高校だが、同校の野球部員は現在1名。他校との合同チームで活動するため、グラウンドは殆ど使われることが無いという。
「ときどき練習をさせていただいています。使わなければ素晴らしいグラウンドが荒れてしまいますので。こうして整備をきちんとすることで、再び高校生に使ってもらえれば。」と、大原監督。高校野球部員減少に窮する地域課題の解決にも繋がる効果も教えてくれた。

広いグラウンドを約150人の選手が埋め尽くす-Journal-ONE撮影
まずは身体を温めるダッシュ。既に気合十分の半袖でダッシュを繰り返す和歌山大学の選手、元気な声を出して笑顔で疾走する神戸弘陵の選手。世代と性別を超えて硬式野球で交流する新鮮な場に、大学野球で見慣れた“紫紺のユニフォーム”を身にまとった選手もダッシュを繰り返す。
東京六大学の女子野球が合流した理由と企画成立の背景
この“紫紺のユニフォーム”は、昨年結成100周年を迎えた東京六大学野球連盟の雄・明治大学だ。その明治大学に4年前に創設された、明治大学女子硬式野球クラブ(以下、明治大学)から柴田優衣投手(1年・本荘高)と上村愛桜衣選手(1年・田辺高)が合同練習に参加した。

明治大学 女子硬式野球クラブの柴田選手(右)と上村選手(左)も練習に参加-Journal-ONE撮影
実は、東京六大学に初めてできた女子硬式野球部を追うJournal-ONEが、大原監督に合同練習への参加を依頼。「大学野球のメッカ、東京六大学で新たな風を吹かせる彼女たちを応援したい。」と大原監督の快諾を得て、今回の合同練習へ招待したのだ。
硬式野球という競技から、大学野球、女子野球がひとつの流れとなり、今回の企画が実現したわけだ。
和大ドリル実践:集合と課題共有で高効率化する練習
30分ほどアップを行い、徐々に熱を帯びてきた選手たち。先ずはキャッチボールから、“和大ドリル”に取り組んだ。和歌山大学ではキャッチボールから“和大ドリル”が実践される。
神戸弘陵高校、明治大学の選手5~6人に和歌山大学の選手が2~3人付くユニットでキャッチボールが始まった。150人近くの参加者となった今回、ホームベース付近からライトフェンス手前までズラリと並んだキャッチボールの列は壮観だ。
キャッチボール開始から数分。グラウンドの中央付近で「集合!」という声が掛かった。すると、和歌山大学の選手たちは「おぉ!」という返事と共に、ダッシュで声が掛かった場所へ向かって行く。加えて、神戸広陵高校の選手たちも勢い良く続くが、今回“初参戦”となった明治大学の二人の目は点に。慌ててその後を追って行った。
初参加組を驚かせた“集合”のスピードと緊張感

神戸弘陵高校の選手にプレーについて問いかける中西コーチ-Journal-ONE撮影



















