これに連動するのがオーガストのダイブと、岡田侑大(島根スサノオマジック)のスネークからのプルアップだ。Bリーグで積み上げた判断の速さが、そのまま“止まらないオフェンス”を生んだ。ハーフは72─59、主導権は“白”へと傾いた。

B.BLACKもサイズが豪快なダンクで対抗した-Journal-ONE撮影
第3クォーター|反撃の黒、富永が連続弾で1点差に迫る
第3QはB.BLACKが34─22と追い上げた。富永が走力を生かして前へ出る。そのうえで、ステップからのシュートと受けてのシュートを自在に打ち分け、会場の空気を変える連続得点を決めた。
Bリーグで磨かれた“次の一本に迷わないメンタル”は、ヒートチェック局面でも鈍らない。スクリーンの角度は鋭く、受けた瞬間に二択が完成しているため、ディフェンスは常に半歩遅れた。

ベンチから富樫らが飛び出し富永のシュートを阻もうとした-Journal-ONE撮影
ベテラン勢は、派手さの裏で効く仕事を重ねた。ローポストの身体の当て方、スクリーン後のリポジション、ファウルをもらう勘所。
Bリーグの長いシーズンで育つ“渋い一手”が、確実に黒の追い上げを後押しした。B.WHITEは一時外が止まる。しかし、そこからホーキンソンのハイポスト配球と渡邊のセカンドチャンス回収で流れをつなぎ、スコアは94─93。
こうして、勝敗はもちろん個人表彰の行方も、完全に混沌として最終Qに入った。

3pを連続で決めファンの歓声に応える富永-Journal-ONE撮影
第4クォーター|勝負所の“真剣勝負”、締めは田中のブザー3
第4Qは39─29でB.WHITEが押し切る。富永は中盤に3本連続の長距離砲を沈め、個人得点を31へ乗せて存在感を最大化。Bリーグを象徴する“外の爆発力”が、会場の熱をさらに引き上げた。
対するB.WHITEは、ホーキンソンが右コーナーのスリーで呼吸を整え、オーガストがインサイドで手堅く加点する。

シュートを決め観客に歓声を求めるホーキンソン-Journal-ONE撮影
オーガストは接触の瞬間に身体を縦へ回し、ブロックをかわす。ファウルを狙わず最短でリングに届く解を選ぶ冷静さは、Bリーグのビッグマン像をアップデートする。
終盤、田中が再投入されると、空気は明確に“白”へと傾いた。視線と足の運びでクローズアウトの角度を逆手に取り、ミドルのフェイクから外へ、あるいはハンドオフの見せからストップ&ゴーへ。
いずれも相手の“わずかな躊躇”を撃ち抜く選択である。そしてブザー。田中のスリーが物語に句点を打ち、Bリーグ・オールスター10年目は劇的な終幕を迎えた。

田中のブザービーターが決まった瞬間-Journal-ONE撮影
試合結果と個人表彰──MVPは田中大貴、MIPは富永啓生
最終スコアはB.WHITE 133 – 122 B.BLACK。B.WHITEは田中が29点(3P 9本)で主役を担った。続いて、オーガスト18点、渡邊14点、ホーキンソン11点、岡田10点が続いた。
一方、B.BLACKは富永が31点。3Pシュート 9本を決める最大のインパクトを残しMIPに輝いた。その富永を含め、投票により決したMVPは、得票率85%で田中が圧勝した。
Bリーグの節目の年に、地元にゆかりのある選手が最高の見出しをさらった事実は象徴的だった。

MVPの田中は3Pだけでなくダンクも披露した-Journal-ONE撮影
MVP・田中大貴が語った“地元・長崎の熱”─「100点満点のオールスター」
表彰後、長崎で育った田中は三日間の熱量に最大級の敬意を示した。
幼少期には想像できなかった“スターが地元に集う”景色が、次の世代の背中を押すと語り、自身の当日の出来を「100点」と総括した。

MVPを獲得した田中大貴-Journal-ONE撮影




















