グラウジーズ―「あと1点」が胸をえぐる夜、それでも心は折れなかった
グラウジーズは、1点差――69-70の悔しさを噛みしめるしかなかった。勝負を分けたのは、ほんのわずかな誤差だ。1本のシュート、1度のルーズボール、1回の攻防の揺らぎ。それらの積み重ねが、勝利と敗戦の境界線を決めてしまう――それがバスケットボールの残酷さであり、美しさでもある。
トヨタアリーナ東京のど真ん中で、グラウジーズは前半を支配し、逆転を許し、そして最後の最後まで勝ちに行った。結果は惜敗。だが、この40分を「落胆」で片づけるのは違う。これは“次の勝利を連れてくる負け方”だ。

真っ赤に染まったトヨタアリーナ東京-Journal-ONE撮影
1/31の敗戦を糧に―“届く悔しさ”が背中を押した
グラウジーズにとって1/31は、ただの黒星ではない。結果は66-75。敵地で踏ん張り切れず、終盤に差をつけられた。
ただ、試合を見終えたあとに残ったのは「無理だ」という諦めではなく、「次は取れる」という悔しさだった。通用した時間帯が確かにあったからだ。ペイントでぶつかり合い、相手のリズムを奪えた局面があったからだ。
問題は、40分を一本の線でつなげられなかったことに尽きる。ミスが重なると判断が遅れ、相手の修正に後手を踏む。その“わずかな綻び”を強豪は見逃さない。だから翌2/1に必要だったのは、気合いよりも整備だ。
「同じ痛みを繰り返さない」。グラウジーズは、その答えを試合開始直後の表情で示した。前日の敗戦を、言葉ではなくプレーに変えてみせる―そんな気配が最初の3分に詰まっていた。

GAME2開始前から盛り上がるトヨタアリーナ東京-Journal-ONE撮影
2/1の激闘振り返り―主導権は握った、だが最後は“1点差の壁”
【第1Q】ファウル4つでも慌てるな!―“統制”がアウェーを黙らせた(24-21)
第1Qの序盤から主導権を握ったのは、間違いなくグラウジーズだ。
先手を取ったのは ウイリアムス・ニカ と ヤニス・モラン。ウイリアムスが身体を当てて優位を作り、モランが迷いなく決め切る。立ち上がりから「まず中で勝負する」という宣言を、プレーで叩きつけた。
しかし、立ち上がりは荒れる。アルバルク東京の力強いアタックに対しファウルが嵩み、開始3分弱でチームファウル4つ。普通なら守りが慎重になり、相手に楽な選択肢を与えてしまう局面だ。
それでもグラウジーズは崩れなかった。ここから守備の「統制」を取り直したことが大きい。A東京の起点になりやすい 小酒部泰暉 のパスルートを集団で消し、ボール保持者に“最初の一手”を渡さない。守りがバラけず、全員が同じ絵を共有して立った。
攻撃面では トレイ・ケルがフリースローでスコアを安定させ、1点差に迫られても マシュー・アキノの3Pで流れを手放さない。荒れた序盤を受け止めて24-21で第1Qを取った事実は、前日とは違うチームになった証明だった。

最多得点とリバウンドで奮闘したヤニス・モラン-Journal-ONE撮影
【第2Q】同点?上等だ!―モータムの連打と葛原の強奪で“二桁”奪取(前半48-39)
第2Q、A東京は当然修正してくる。ペイント内での圧が増し、ついに26-26の同点に追いつかれる。ここは飲み込まれてもおかしくない時間帯だった。
流れを止め、再び点火したのは ブロック・モータムだった。苦しい空気の中で連続ショットを沈め、チームの呼吸を取り戻す。こういう得点は数字以上の価値がある。味方の足を前へ進める得点だ。
そして勝負の色を濃くしたのが 葛原大智。スティールから一気にレイアップへ持ち込み、モメンタムを奪い返す。守りが攻めに直結した瞬間、アリーナの温度が変わる。
A東京は 大倉颯太 の速攻などで食らいつくが、グラウジーズは慌てずにフリースローでスコアを管理し、相手の追撃の芽を一つずつ摘んだ。
終盤、A東京の外が当たり始めても、モランが2Pを連続で決めて再び引き離す。さらに 岡田雄三の3Pが刺さり、前半を48-39で折り返した。前半の内容だけを切り取れば、「金星」は十分に現実だった。

チームを勢い付けた葛原大智のディフェンス‐Journal-ONE撮影
【第3Q】10分で景色が変わる―“修正力”に飲まれた悪夢の8点(8-23)
だが、バスケットボールは非情だ。第3Q、グラウジーズはわずか8得点。A東京に23点を許し、流れをひっくり返された。



















