“桶谷ジャパン”が早くも始動!
桶谷ジャパン──この言葉が、いまの男子日本代表に最もふさわしい。新ヘッドコーチに琉球ゴールデンキングスの桶谷大HCが就任した。2月に行われるFIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window2から指揮を執る。しかも桶谷HCはクラブとの兼任だ。
さらにアシスタントコーチにはシーホース三河のライアン・リッチマンHCが就任。そしてGrand Rapids Gold(デンバー・ナゲッツ傘下Gリーグ)の吉本泰輔氏が名を連ねる。
「電撃」「衝撃」という見出しが躍るのも無理はない。だが、今回の変化を“断絶”として捉えるのは早計だ。桶谷HCが語ったのは、これまで築かれた土台を尊重し、その上で世界に伍するチームをつくるという“継承と進化”の宣言である。
そしてWindow2へ向けて発表された直前合宿招集メンバー15名。そこには、桶谷バスケを知る琉球のアレックス・カークが入り、三河からは西田優大も名を連ねた。新体制の輪郭は、すでに“人選”に表れている。

日本代表HCに就任した桶谷HC(琉球)-Journal-ONE撮影
桶谷大HC就任がもたらす代表強化の新局面
2026年2月3日、JBAは男子日本代表の新体制を公表。桶谷大氏を新ヘッドコーチとして契約したと発表した。桶谷HCは琉球ゴールデンキングスの指揮官を務めながら代表を率いる形となり、2月のW杯アジア地区予選Window2からチームを指揮する。
この“兼任”という形式は、賛否の議論を生みやすい。だが、見方を変えれば、Bリーグ最前線の現場感覚をそのまま代表へ直結させるという意味でもある。
「これまで先人が築いてくれた土台を踏襲しながら、日本代表が常に世界の第一線の国々と肩を並べられるようなチーム創りを、選手、スタッフとともに成し遂げたいと思っています。」
この言葉の核心は、変化を“目的化”しない点にある。代表は短期決戦の集合体だ。新しい色を急いで塗り替えるほど、成熟には時間が足りなくなる。だからこそ「土台の踏襲」は、守りではなく勝つための合理だ。
これまでの積み上げを失わず、その上に上積みを重ねる。そう捉えたとき、今回の交代劇は「激変」ではなく「最適化」に見えてくる。
さらに、新体制の骨格を強くしたのがコーチングスタッフだ。Window2から着任するアシスタントコーチとして、吉本泰輔氏とライアン・リッチマン氏の名が公式発表に明記された。
桶谷HCの“現場の勝ち方”に、異なる角度からの知見を掛け合わせる。これは単独の天才に委ねるのではなく、チームとして勝率を上げる設計である。

ACに就任した三河のライアン・リッチマンHC-Journal-ONE撮影
Window2メンバー選出が示す“桶谷バスケ”の輪郭
桶谷ジャパンの初陣は、FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window2。直前合宿メンバー15名の顔ぶれは、いきなり“答え合わせ”のように見えて面白い。
まず、桶谷HCのバスケットを最も体感している選手が選ばれた。琉球ゴールデンキングスのアレックス・カーク(C)が招集されたのである。さらに琉球からは佐土原遼(SF)も名を連ねた。
新指揮官の戦術は、言葉だけで伝わるものではない。練習の強度、判断の基準、守備の約束事、リバウンドへの執着──それらは“空気”としてチームに広がっていく。そのとき、同じクラブで桶谷HCの要求水準を知る選手がいることは、合宿の時間を実質的に伸ばすのと同じ効果を生む。
もちろん、継承の要素も明確だ。渡邊雄太、富樫勇樹、ジョシュ・ホーキンソン、齋藤拓実、馬場雄大ら経験値の高い選手が並び、Window1から続く代表の共通言語が保たれている。さらに、原修太や金近廉、富永啓生も招集されており、外郭の厚みも十分だ。
Window2の対戦カードは中国、韓国。どちらも一筋縄ではいかない相手だが、今回は2試合ともホームで戦う。さらに合宿地も試合会場と同じ沖縄サントリーアリーナで実施される。競技環境、移動負担、そしてホームコートの熱量。勝つための条件を積み上げる設計が、ここでも貫かれている。

琉球から招集されたアレックス・カーク-Journal-ONE撮影
リッチマンAC加入がもたらす相乗効果と西田優大の躍進可能性
リッチマンACの加入が代表にもたらす影響
新体制の象徴が桶谷HCだとすれば、もう一つの注目点はライアン・リッチマンACの存在である。リッチマン氏はWindow2から代表ACとして加わり、所属はシーホース三河と明記された。つまり、Bリーグの現場に根差しつつ、世界基準の視点を持ち込める人材が、桶谷ジャパンの“実装担当”として入ってきた形だ。



















