宮崎が“例年”を越えるとき
空港の案内係やレンタカーのスタッフも「侍ジャパンの効果は凄いです!例年のキャンプシーズン以上です。」と話す。街中の会話の主役が、“侍ジャパンが宮崎にいる”という事実だ。例年でも宮崎はNPBやJリーグのキャンプで活況を呈するが、今年は明らかに違うようだ。
それもそのはず、今WBCの侍ジャパンはMLB所属の9人が名を連ねる“過去最高級の陣容”だ。大谷翔平、山本由伸のロサンジェルス・ドジャース世界一コンビ。さらには、前回大会で世界一に貢献して今季から海を渡った岡本和真や村上宗隆。世界一連覇を現実的にする選手たちの存在が、現地を訪れる理由を強烈に後押ししている。
そのため、球場周辺には駐車場を上回る勢いで連日ファンが集まっているという。宮崎の春は今年、確実に“例年”を越えた盛り上がりを見せているのだ。

侍ジャパン春季キャンプの開催地・サンマリンスタジアム‐Journal-ONE撮影
球場外は“巨大なおもてなし空間”―香りと声と笑顔の渦
その熱は、球場外周に立ち並ぶフードブースを、まるで食フェスのようにする勢いとなっている。
宮崎地鶏の炭火焼から立ち上る香り、宮崎牛ステーキ串の焼ける音、チキン南蛮、肉巻きおにぎりなどなど。行列は時間帯を問わず途切れず、来場者は「どれにする?」と品定めしながら笑顔で歩く。
テーブル席では親子がシェアし、学生グループが歓声を上げ、家族連れが宮崎料理を囲む。球場の外に、もう一つの“スタンド”が生まれている。 観光物産のPRコーナーには地元の特産品が並び、宮崎全体が訪れるファンを迎え入れる巨大なおもてなし空間だ。
加えて、フードエリア中央には大型モニターが設置。練習のライブ映像や選手インタビューなどが途切れなく流れている。
食事をしながら映像に見入る人々、短時間立ち寄りで練習映像を見る若い女性グループ、小さな子どもに選手紹介をする親の声―多様なファンが集う“もう一つの球場”が形成されている。

宮崎ご当地グルメのブースが連なる場外-Journal-ONE撮影
オフィシャル・ショップも熱狂―“買って、着て、観る”文化の確立
さらに驚いたのは、大きなテントで設えられたオフィシャル・ショップだった。
店内を除くと、臨時店舗とは思えない売り場面積となっている店内。そこにはレプリカユニフォーム、タオル、キャップ、記念グッズがずらりと並んでいた。特に大谷翔平、山本由伸、村上宗隆のユニフォームは大人気。先ずはそれらを手に持ち、他のアイテムを物色するファンの姿が多く見られた。
思い越せば前回大会、東京Poolのチケットは獲れたが“ユニフォームが買えない問題”が発生した。それを覚えているファンが宮崎で確実に購入し、その場で着替えて練習へ向かう姿も多のだろうか。
また、応援グッズだけでなくWBC公式球を模したラムネなど、遊び心あるお土産も豊富。近所への宮崎キャンプ土産なのか、多くのお菓子を買い求める人たちの姿も見えた。
加えて、お馴染みとなった“WBC応援ガチャ”が今回も人気だった。子どもたちはもちろん、カップルや大人たちも笑顔にハンドルを回して中身を確認していた。

巨大なオフィシャルショップに並ぶ公式グッズ‐Journal-ONE撮影
グラウンドは“基本”の徹底で仕上げる―短期決戦の正解
いよいよ、侍ジャパンの練習を観てみる。
この日の練習は、アップ、キャッチボール、シートノック、フリーバッティングと、基本を徹底するメニューが続く。守備の大掛かりな連係ではなく、握り替え、ステップ、送球、打球判断―短期決戦で必要な土台づくりに時間を割いていた。
WBCは、所属チームと異なるポジション、打順、起用方針の中で戦う短期決戦だ。しかし、それを既にWBCに臨む自らの役割を十分に理解している侍ジャパン戦士たち。それ故、既にWBC本番に向けて準備万端、最終調整の練習であるかのようにも見えた。
内外野から響くのは、「いいねぇ!」「キテるね!」という自信にあふれた声かけばかり。フリーバッティングの打球音も鋭さをし、柵越えシーンではファンから大きな拍手が湧く。



















