将来の日本代表を育てるJTSプログラムが始動
日本ラグビーの次世代を育てる強化制度「JTS」は、U23世代を対象にエディー・ジョーンズHCが直接指導する育成プログラムだ。さらに、3年目の2026年は、大学トップレベルの選手に加え、公募制度で新たな才能も参加し、日本代表への登竜門として注目を集めている。
そして、今春もラグビー日本代表を率いるジョーンズHCの主導で、U23世代の大学生を中心に将来の日本代表を強化・育成する「JAPAN TALENT SQUADプログラム2026」(JST)がスタートした。
一方で、ジョーンズHCは、日本代表コーチ陣が大学生の選手たちを直接、指導するJTSプログラムの意義について、次のように語る。「現在のリーグワンは外国人選手が多く、『日本代表資格のある選手』は決して多くない。そのため、JTSは日本の将来の選手層、ポテンシャルの層を厚くするための取り組み」。
さらに中長期的な展望も示した。「JTSが日本ラグビーの仕組みの一部として根付くには、8年ほどかかるだろう。選手を出してくれた大学側が、『2、3年生にとって成長の機会であり、高いパフォーマンス開発の場』だと理解するまでには時間が必要。しかし、8年継続できれば、日本ラグビーは必ずその恩恵を受け始めるはずだ」。

左から中森真翔(筑波)中谷陸人(同志社)大鶴(京都)‐斉藤健仁撮影
3年目を迎えた成果と目標
今年で3年目。一昨年はFB(フルバック)矢崎由高(早稲田大学)、昨年はFB竹之下仁吾(明治大学)が、JTSから日本代表入りを果たした。そして、2人は2月発表の2026年日本代表候補55名にも名を連ねている。
「昨年はジンゴ(竹之下)がJTSから成長し、日本代表に参加した。今年も2~3人が同じように上がってほしい。それが目標」とジョーンズHC。
今春は大学2・3年生の36名(FW:21名、BK:15名)が招集された。さらに、2・3月に4回の合宿を実施し、リーグワン勢との合同練習や、約8試合の実戦を経て、U23日本代表を編成。そして、4月には昨年に続き、オーストラリア遠征を行い、オーストラリアU20代表などと対戦する。
スコッドには、LO(ロック)石橋チューカ(京都産業大学)、FL(フランカー)中森真翔(筑波大学)、SO(スタンドオフ)伊藤龍之介(明治大学)、WTB(ウィング)/CTB(センター)白井瑛人、WTB海老澤琥珀(ともに明治大学)、WTB田中健想(早稲田大学)、FB竹之下ら、大学ラグビーの実力者が並ぶ。加えて、中森、伊藤は今年の日本代表候補に選出されている。
ジョーンズHCは現状をこう評価する。「昨年より全体のレベルは高い。さらに、突出した選手は少ないかもしれないが、総合的な水準は向上している。加えて、トレーニングへの姿勢も良く、多くが優れたフィジカルを備えている。今年の目標は、昨年敗れたオーストラリアU20代表に勝つこと。そのために80分間戦い抜く体力と、戦術的・精神的な集中力を養わなければならない」。

明治大学の白井瑛人‐斉藤健仁撮影
公募制度導入で広がる可能性
今年は公募制度も導入。FWは体格基準、BKは立ち幅跳びなどの条件を設け、自己PR動画や文章提出も求めた。その結果、京都大学医学部のSO大鶴誠、東海大学のPR中尾優人が選出された。さらにトレーニングスコッド約10名にも公募選手が含まれ、負傷者が出た場合は昇格の可能性がある。
「さらに、小規模で、あまり試合を見ることがない大学から来た選手も3~4人いる。彼らにとってJTSは素晴らしい機会。良い才能もいる。ただ、ほとんどの選手がフィジカル面は発達途上。どれだけ身体づくりに適応できるかが、伸びしろを決める」。
医師を志しながらリーグワンへの挑戦を模索する大鶴は、「小さい頃から日本代表を目指していた。これまでは、関西Bリーグで、これまで広く見てもらう機会は少なかった。しかし、自分なりにチャンスを探しており、今回が最大のチャンスだと感じた」と公募に申し込こんだ。そして、日本代表候補らのスター選手と並び、見事に今年のJTSの1人に選出された。
そして、合宿を経て「エディーさんが世界に勝つために求めるレベルが高い。したがって、強度もスピードも高い。最初は慣れるのが課題だったが、徐々に対応できてきた」と声を弾ませる。
ジョーンズHCが注目選手に挙げたのは、近畿大学のWTB太田啓嵩。「スピードは突出しているし、ハイボール処理も高い。現時点ではミスも多いが、土台は素晴らしい。自分を律して取り組めれば、大きく伸びる可能性がある」と目を細めた。

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