Wリーグのプレーオフは、両カードが第3戦にもつれ込む激闘となった。
デンソーアイリスに次いで、Wリーグ・ファイナルの椅子を獲得するのはどちらのチームか。 トヨタ自動車アンテロープスと、トヨタ紡織サンシャインラビッツが、Wリーグ屈指の同門対決として激突した。
レギュラーシーズン1位のトヨタ自動車と、4位のトヨタ紡織。 しかし、このWリーグ・セミファイナルは、順位だけでは語れない。
互いの強みも弱点も知り尽くした「同門対決」。 2試合を終えて1勝1敗となり、勝負の行方はWリーグ・プレーオフ最終章となる第3戦へ。 最も残酷で、最も公平な舞台が用意された。
王者が示したバランスと総合力 ― Wリーグ セミファイナル第1戦
3月28日のWリーグ セミファイナル第1戦は、 トヨタ自動車アンテロープスが60―52で先勝した。
王者らしい落ち着きと、Wリーグ王者にふさわしい総合力の高さを印象づける一戦だった。
序盤から試合をコントロールしたのは、#23 山本麻衣。 Wリーグ屈指の司令塔は、得点だけに偏らず、 的確なパスとテンポ調整でチームに安定感をもたらした。
インサイドでは#13 スーザン・アマカが存在感を発揮。 Wリーグでも屈指の身体能力を生かし、 リム周辺で確実に得点を重ね、リバウンドでも主導権を握った。
トヨタ紡織は#6 ジェシカ・ワリエビモ・エレを中心に Wリーグらしいフィジカルなバスケットで粘り強く食らいついたが、 要所でトヨタ自動車のディフェンス網に捕まり、 流れをつかみ切れなかった。
後半も試合の空気は大きく揺れない。 トヨタ自動車は派手さこそないものの、 Wリーグで勝ち続けてきたチームらしくミスを最小限に抑え、 確実にリードを守り切った。
終盤の競り合いでも慌てることなく、8点差で試合を締めた。 Wリーグ・首位としての経験値を、 静かに、しかし確実に示した一戦だった。

第1戦はアマカのダブルダブルで先勝したトヨタ自動車-Journal-ONE撮影
ジェシカがインサイドを支配し、トヨタ紡織が反撃 ― Wリーグ セミファイナル第2戦
29日のWリーグ セミファイナル第2戦は、 トヨタ紡織サンシャインラビッツが70―66で勝利し、 シリーズを1勝1敗のタイに戻した。
この試合の主役は間違いなく、#6 ジェシカ・ワリエビモ・エレ。 18得点18リバウンド。 Wリーグ・プレーオフの舞台において、 数字以上に圧倒的な存在感を放った。
ゴール下で体を張り続け、 トヨタ自動車のインサイドに継続的な負荷をかける。 Wリーグらしい激しいフィジカルバトルの中で、 トヨタ紡織はインサイド起点の攻撃を機能させていった。
司令塔の#7 都野七海も安定したゲームメークを披露。 Wリーグ・セミファイナルという重圧の中でも ターンオーバーを抑え、試合を崩さなかった。
一方のトヨタ自動車は、 アマカが17得点12リバウンド、 山本が13得点7アシストと奮闘した。しかし、 終盤の外角シュートがわずかに届かなかった。
勝負を決めたのは第4クォーターの集中力。 トヨタ紡織が外角シュートを確率良く沈めて再逆転し、 Wリーグ王者を4点差で振り切った。
「負ければ終わり」の状況で示した胆力。 Wリーグ・プレーオフの難しさと価値を、 トヨタ紡織が体現した1勝だった。

第2戦はジェシカの18得点18リバウンドでトヨタ紡織が雪辱-Journal-ONE撮影
勝敗を分けるのは「体力か完成度か」― Wリーグ セミファイナル第3戦
第3戦は、まったく異なる強みを持つ両チームの持久戦となる。 Wリーグ王者であるトヨタ自動車にとって鍵となるのは、 総合力と修正能力だった。
山本麻衣を起点に再び試合のテンポを握れるか。 アマカのインサイド支配が機能すれば、 Wリーグ王者のペースへと引き戻される。
一方、トヨタ紡織はジェシカの存在を軸に、 どこまでWリーグ屈指のインサイド優位を保てるか。 アウトサイド陣が迷いなく打ち切れるかが勝敗を分けた。

トヨタ自動車は山本麻衣のゲームメイクがカギとなる-Journal-ONE撮影
40分間がすべてを裁く、同門対決の最終章
1勝1敗。同じ会場、同じ相手、同じ条件の3試合目。言い訳はない。残るのは、「その40分間に何を出し切れるか」だけだった。この第3戦で問われたのは、戦術や勢いではない。



















