球史に残る名勝負―東京ドーム決戦を制した佐久長聖の挑戦
高校女子硬式野球の新たな歴史が、刻まれた。第27回全国高等学校女子硬式野球選抜大会決勝の会場は東京ドーム。この日、直前まで行われていたNPB公式戦の余韻を持った聖地での一戦となった。
試合は、逆転に次ぐ逆転の接戦を制した、佐久長聖高校(長野)が初優勝。創部4年目にして春センバツの王者となる偉業を達成した。
一方、二年連続決勝に進出した履正社高校(大阪)は、第18回大会以来の優勝にあと一歩のところで涙を呑んだ。

センバツ日本一に輝いた佐久長聖-Journal-ONE撮影
決勝の夢舞台、大歓声に包まれた東京ドーム
NPB公式戦、読売ジャイアンツと横浜DeNAベイスターズの試合が3時間を超える熱戦となったこの日。 予定時刻を大幅に遅れて、高校女子硬式野球春の頂点を決める注目の一戦が行われた。
順調に勝ち上がった昨年準Vの履正社が2018年以来の栄冠に輝くのか。それとも、準決勝で大会4連覇を狙った神戸広陵を撃破して初の決勝進出を果たした佐久長聖が、悲願の初優勝を果たすのか。
両チームの関係者、女子野球ファン、そしてNPBから引き続きこの試合を観戦している野球ファン。多くの観客が見つめる中でのプレーボールとなった。
初の東京ドームとなった佐久長聖。男子硬式野球部、吹奏楽部、チアリーディング部を中心とした大応援団が駆け付けた。先に大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた、甲子園でのセンバツさながらの熱い応援で選手たちを後押しする。
対する東京ドーム常連の履正社。高校女子硬式野球の最高峰に位置する名門校には、多くのメンバー外の選手が所属している。彼女たちに加え、チアリーディング部、吹奏楽部が一体となり、アップテンポな途切れぬ応援を繰り広げる。 試合開始早々から選手たちを鼓舞するスタンドに、否が応でも選手たちのテンションは上がっていった。

2年連続で東京ドームに駒を進めた履正社-Journal-ONE撮影
主導権を巡る序盤戦、名門・履正社が先制
その応援に後押しされた決勝戦。試合は、両チームが毎回のように得点機を作り、追いつ追われつのシーソーゲームとなった。 これは高校女子硬式野球の決勝に相応しい展開だった。
まず、先制したのは履正社だった。 1回裏、1死一塁から3番・釣舩葵選手が、中越えの二塁打を放ち1死二、三塁とする。 すると、続く4番・松村瞳子選手がスクイズを決めて先制。さらに、5番・山田唯菜選手も右前適時打を放つ。
初回から履正社は、佐久長聖の軟投派・中澤亜子投手を攻略。幸先良く2点を挙げて、試合の主導権を握った。

履正社は初回から得点を挙げた‐Journal-ONE撮影
追う佐久長聖も3回表に反撃を開始。この回先頭の7番・小池優衣選手が初球を左中間に弾き返す。これが、 チーム初安打となる二塁打となり、無死から得点圏に走者を置いた。
1死となった佐久長聖だが、ここで9番・木村仁優選手が三塁線に絶妙なセーフティバント。きわどいタイミングだったが、これを処理した送球が大きく逸れる間に、小池選手が本塁に生還して1点を取り返す。

2本の長打を放った小池選手(佐久長聖)-Journal-ONE撮影
佐久長聖、逆転で試合の流れを引き寄せる
この1点で流れを掴んだ佐久長聖。さらに4回表にも、四球とけん制悪送球で1死二塁と同点のチャンスを作った。
ここで、6番・平塚優梨亜選手の右前安打を放ち、逆転の走者が出塁した佐久長聖。打席には、前の打席で二塁打を放った7番・小池選手が入った。
「追い込まれたら、打つのは難しい。甘い球を積極的に行こうと思っていた。」 と話した小池選手。
その甘いスライダーを初球に捉えた小池選手。鋭く放たれた打球は、右中間を抜けると、2人の走者を還す逆転の適時三塁打に。 大技小技を絡めた佐久長聖が、3-2と逆転に成功した。

逆転の三塁打を放ち塁上で喜ぶ小池選手(佐久長聖)-Journal-ONE撮影
名門・履正社の粘りと、勝負を分けた采配
追う展開となった履正社だが、先発の原田美月投手は自身の投球を続ける力投を見せる。 115km/hの直球と変化球を織り交ぜ、得点は許すも粘り強い投球を重ねて後続を断つ。




















