Wリーグファイナル開幕、主役が主役たる役割を果たした2日間
Wリーグファイナルは、主役が主役たる役割を果たした側が勝者としてコートを後にする。そんなことを強く印象づける立ち上がりの2日間となった。
女子バスケットボールのトップリーグ、Wリーグの頂点を決める「Wリーグファイナル」が調布市の京王アリーナ東京で開幕。
4月4日の初戦はデンソー アイリスが対戦相手のトヨタ自動車アンテロープスを75-66で下した。しかし、翌5日にはトヨタ自動車が57-41で勝利。Wリーグファイナルの対戦をタイとした。
第1戦、テンポの速い立ち上がり
1戦目。ともにディフェンスを重視するチーム同士の対戦だけに、互いに相手の様子を見つつの重たい展開となると思いきや、テンポの速い展開となった。
第1クォーターが終わってデンソーが22得点。トヨタ自動車も食らいついて19点と点差はわずかだったが、出だしから積極的にゴールに向かい、ボールがよく回ったデンソーが流れを握った。
デンソーはこのクォーターだけで8つのアシストを記録。一方、トヨタ自動車は6つのターンオーバーを許してしまった。
トヨタ自動車も途中、2、3度攻守の猛攻で迫る場面はあった。しかし、序盤に軽い先制パンチを相手に見舞って主導権を握ったデンソーがものにした。

第1戦に勝利したデンソーアイリス‐永塚和志撮影
ファイナル経験が語るシリーズの難しさ
デンソーは前2年もファイナルに進出しながら富士通レッドウェーブの連覇を見届ける形でシリーズを終えた。再びにこの舞台にたどり着いたブラディミール・ヴクサノヴィッチヘッドコーチ。今回は、楽しんでプレーをしたいと話した。
「今日の私たちにはそれができましたし、試合の大半で物事は私たちのほうに良い形で進んでくれました」。
ただ、実力のあるチーム同士によるポストシーズンシリーズの趨勢が、山の天気のようにすぐに変わってしまうことを、あるいはデンソーほどよく知るチームはないかもしれない。
「マラソン」に例えたWリーグファイナル
ましてWリーグファイナルは、第2戦目から3戦目まで中5日の間が空く。セルビア出身の指揮官は試合後のコート上でのインタビューでWリーグファイナルを陸上競技になぞらえる。
「短距離種目ではなくマラソン」だと表現し、次の試合はまた「新たな試合」だと、気を引き締めた。

第1戦を勝利し会見に臨んだブラディミール・ヴクサノヴィッチHC-永塚和志撮影
修正力が生んだ第2戦の明暗
はたして2戦目は、予想以上の点の入った初戦とはうって変わった。互いが体をより激しくぶつけ合うディフェンシブな展開となった末に、トヨタ自動車がものにした。
この試合ではトヨタ自動車が前日の反省を生かして、良い出だしから入った。攻撃ではよりリングをアタックする意識が強かった。加えて、ディフェンスでは本来の持ち味であるしつこく、フィジカルなプレーぶりでデンソーを封じた。
リバウンドでは11本の差(43-32)をつけた。とりわけナイジェリア出身のオコンクウォ スーザン アマカが8本のオフェンスリバウンドを奪うなどで、セカンドチャンスからの得点で相手により大きな痛手を追わせた。
繰り返しになるが、シリーズは五分で並んだ。敗れた初戦でもディフェンスからすばやく攻撃に転じて迫力のある追い上げを見せたトヨタ自動車が、やや優位にも感じられる。
もっとも、スポーツはいつも予想を裏切ってくる。3戦先勝のシリーズは、あと最大で3試合残る。ファイナルでの経験やそこでの悔しさという点ではデンソーが上回るということもできる。
どちらが最後に賜杯を抱いているかは、現状ではまだ「わからない」とするのがいいだろう。
様々な要素が勝敗の鍵となるであろうという中で、”決めるべき選手が決められる”か。そこが、一つの大きな見どころとなってくるのではないか。

第2戦を取り返したトヨタ自動車アンテロープス-永塚和志撮影
主役が結果を決めるWリーグファイナルの構図
髙田真希が示した第1戦の価値
初戦。デンソーは髙田真希が26得点。川井麻衣と木村亜美のガードの2人がそれぞれ10得点で続いた。木村は13アシスト、川井は7アシストと司令塔としてもよく機能した。
この3人の積極的で自信に満ちたプレーぶりが、白星という結果を呼び込んだとしていい。

第1戦で10得点7アシストと活躍した川井-永塚和志撮影

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