Wリーグファイナル第3戦が、4月11日(土)、京王アリーナTOKYOで行われた。
ここまでの対戦成績は、デンソーアイリスとトヨタ自動車アンテロープスが1勝1敗。それは、言わずもがな重要な意味を持っていた。
なぜならば、この試合に勝った方が優勝に王手をかけるからだ。Wリーグファイナルのシリーズの流れを大きく左右する重要な試合である。
そして、その重みは、両チームの選手たちはもちろん、ブースターたちも理解していた。その結果、Wリーグファイナルにふさわしい4,000人以上の観客を集め、緊張感に包まれた空間を形成していた。
その結果は、デンソーアイリスが勝利。シリーズ成績は2勝1敗となり、デンソーが悲願の日本一にあと1勝と迫った。Wリーグファイナルは、いよいよ大きな局面を迎えた。
もっとも、この試合は単なる結果だけで語れるものではない。第1戦、第2戦から積み重ねられてきた攻防と選択が、第3戦で一気に噴き出した。Wリーグファイナルにふさわしい濃密な内容だった。

藪(デンソー)のアタックに身体を張る平下(トヨタ)-Journal-ONE撮影
二強対決にふさわしいファイナルの序章
今季のWリーグファイナルは、開幕から質が高い。まず、トヨタ自動車アンテロープスとデンソーアイリスという顔合わせ自体が、そのレベルを物語っている。そして、ともにリーグを代表する完成度を誇るチーム同士の対戦は、結果として、互いの強みを消し合う形で進んできた。
一方で、第1戦と第2戦を通して浮かび上がったのは、戦術そのもの以上に、勝負どころでの判断だった。つまり、攻めるのか、耐えるのかという選択である。その一瞬の決断こそが、Wリーグファイナルという舞台で試合の流れを左右していた。
第1戦、主導権を握り切ったデンソーアイリス
このWリーグファイナル第1戦で勝利を掴んだのは、デンソーアイリスだった。最終スコアは75‐66。 試合の入りから、デンソーは主導権を明確に意識していた。
まず効いたのは、堅いハーフコートディフェンスで相手のリズムを断ち切った点だ。トヨタ自動車のオフェンスを安易に走らせず、セットに持ち込ませる前にプレッシャーをかける。その積み重ねが、序盤から試合の流れを引き寄せた。
そして、デンソーはオフェンス面でも焦らなかった。相手の守備が整う前に得点を重ねつつ、無理な展開には持ち込まない。前半を通じて、試合をコントロールする意識が際立っていた。
後半、トヨタ自動車は修正を施し、外角を絡めた攻撃で反撃を試みた。しかし、デンソーは慌てない。流れを完全に渡すことなく、要所を締め続けた。無理に突き放すのではなく、必要な場面で確実に止める。その冷静な試合運びこそが、第1戦を制した最大の要因だった。

第1戦で26得点と爆発した髙田真希-Journal-ONE撮影
第2戦、我慢比べを制したトヨタ自動車アンテロープス
続くWリーグファイナル第2戦を制したのは、トヨタ自動車アンテロープスだった。最終スコアは57-41。 前日とは一転し、ディフェンス強度が前面に出る消耗戦となった。
デンソーが前の試合で主導権を握った流れを断ち切るべく、トヨタ自動車は序盤から守備の強度を引き上げた。ハーフコートでの当たりを強め、相手に簡単な得点を与えない。その姿勢が、試合全体のトーンを決定づけた。
オフェンスでは、無理にテンポを上げることなく、一本一本を丁寧に積み重ねた。点差以上に重要だったのは、相手に流れを与えなかった点にある。デンソーにとっては、簡単に主導権を握れない時間帯が長く続いた。
終盤にかけても、トヨタ自動車の集中力は落ちなかった。派手さはないが、一本のリバウンド、一本のパスを確実につなぐ。そうした積み重ねが、ロースコアの展開を制する結果につながった。

第2戦は山本の22得点を挙げる活躍でトヨタが雪辱-Journal-ONE撮影
第3戦に向けた明確なテーマ
そうした流れの中で迎えたWリーグファイナル第3戦。デンソーにとって最大の焦点は、エース・髙田真希にどうボールをつなぐかだった。しかも、赤穂ひまわりキャプテンを負傷で欠く厳しい状況が変わらない中でだ。
一方のトヨタ自動車は、守備からリズムを作れるかどうか。スーザン・アマカを中心としたペイントエリアの守備と、山本麻衣、安間志織らガード陣による早い段階からのプレッシャーが機能するかが問われた。




















